概要
月山家は総本家。
分家にはロゼヴァルト家とヨハネス家がおり他は不明。
大企業月山グループの頂点に起つ一族。
歴史は古く100年以上昔から始まり、財閥解体後は再結集し現代に続く大企業に成長を遂げた。事業は食品、貴金属、鉄鋼、化学など多岐にわたり日本の子会社は二十。
喰種の一族でありながら政財界に多大な影響力を持つ由緒ある名家であり、美食家・月山習はその御曹司である。
会社には多数の喰種がおり、一族に仕える使用人達も全て喰種で構成されている。
しかしロゼ編で月山財閥のトップが喰種一族であるとCCGに突き止められてしまい、傘下の喰種は大半が討伐されたが、月山親子と一部の喰種は討伐を免れる。
後に会社は人間のみで構成された社員で再結成され、継続された。月山家の正体が世間に公表されたのかは不明である。
最終回では月山がTSCの代表を務め、グループも再集結。資産と権力も復活し、和修家に成り代わり喰種の名家の頂点に返り咲いた。
一族は代々近親婚を繰り返したことで遺伝的にRc細胞の干渉を受けやすい体質を持つ。
それにより月山家の歴史上、赫者になれた者はいない。そして一族は全員変わり者が多いらしい。
家族構成
“美食家”と呼ばれるS級喰種。甲赫。
月山家御曹司で観母の一人息子。主要人物の一人。
月山家当主。“クロックムッシュ”と呼ばれている。甲赫。
習の父親で創の息子。叶の伯父でもある。
月山家先代当主。恐らく故人。
冒険家であり、世界各地で珍しいものを大量に輸出入して莫大な資産を築き上げた。
しかし観母を悩ますプレイボーイで分家との間に子供を作っている。
未登場。観母の妻で息子と瓜二つの美しい容姿を持つ。
既に故人で、夫とは大恋愛の末に結婚したらしい。
使用人
月山家の執事。室長。甲赫。
物静かな女性。月山家の騎士と呼ばれる程の実力者。
月山の使用人。鱗赫。分家ロゼヴァルト家最後の生き残り。
創の孫で観母の甥。習とは従兄弟にあたる。
ユウマ
月山家の執事。
収穫の際、松前を庇いコクリア送りとなる。
一族への忠誠心から口を割らないと判断され、拷問された後で殺害された。
アリザ
月山家のメイド
ユウマとは恋仲。彼がコクリアに囚われ精神を病む。
キジマの罠にはまり拷問を受けた末に月山財閥の秘密を暴露し殺害された。
マイロ
月山家の執事。甲赫。
西洋系の中年男性。月山討伐の際、松前を庇い胴体を犠牲に伊丙入の首を跳ね、キジマに隙を突き、松前との連携で准特等・上等捜査官を倒し戦死する。
余談
名前の由来
月山家の人物及び分家の名前が“キリスト教”と関連している。
創造=創
聖(生)母=観母
天使=習(羽と白)
薔薇=ロゼヴァルト
洗礼者=ヨハネス
出身
本家の拠点は日本だが名前や分家の身元、苗字の由来が西洋。
おそらくは西ヨーロッパを拠点にしていた喰種の一族であると思われる。
和修家のように大陸から日本に渡った喰種の一族が他にいても不思議ではなく、観母の日記では一族が外国の血を引いていると明記されている。なので、先祖に白色人種系の喰種を持つ一族といえる。
月山家が百年以上歴史があるので、日本に渡ってきたのは明治時代が有力。
和修家との対比
喰種でありながらも共に日本で高い影響力を持つ名家同士。
和修家が東アジア大陸から渡った黄色人種に対し、月山家は西ヨーロッパから渡った白色人種の末裔。
共に近親婚を繰り返しドイツと縁が深い等、共通点が多いが他は天と地と言っていい程に真逆である。
和修家は高い武力が国に認められ、「喰種対策院(後のCCG)」という確固たる社会的立場を手にしたが権威の為に分家に非人道的な生を強制し「CCG」の裏組織「V」と「白日庭」まで設立。
当然ながら和修家の分家は本家に忠誠心などなく、有馬は反組織「アオギリの樹」を設立。そして旧多と「V」のクーデターも勃発し「CCG」は崩壊。共同戦線では本家の政の他に半人間の分家は生き残った。
月山家は財閥を設立後、戦後に解散し再び集結。外国に残った分家や使用人共々確固たる絆で結ばれている。一度はCCGに討伐されかけたが本家と分家ヨハネス家は生存。
「CCG」解体後に再設立された「TSC」代表は月山が務め、財閥グループも再集結された。実質的に日本の喰種一族の頂点になったといえる。
対して政は一般職員に身を置き、苗字を鈴木に改めて研究者となり生涯独身を貫いたので和修家の喰種は完全に途絶えた。
ちなみに和修家が月山家を脅迫し傘下に加えず討伐作戦を速やかに実行したのは選民思想と喰種の頂点に起つ地位を脅かす「敵」であったからと思われる。
世襲制で代々CCGの局長を継ぎ、絶大な権力を持ってしてもあくまで国家の雇われ一族に過ぎない。
月山家は和修家が台頭した同時期から政財界に関わり、莫大な財力を武器に政治家との繋がりも深く現に観母は現総理大臣と旧知の仲でもある。
なので月山家討伐作戦を政府に伝えれば保留、又は有耶無耶にされる可能性も否めなくはない。
後に月山が数年で月山グループを再集結できたのも、和修家が起こした竜による被害で経済の立て直しを政府が後押ししたのかもしれない。
権威の為に血族を家畜扱いした和修家と家族や仲間との絆を尊んだ月山家。
同じ喰種の名家でありながらもこの対照的な結末は、必然といえるだろう。