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闇夜の蛍の編集履歴

2021-04-16 15:21:25 バージョン

闇夜の蛍

やみよのほたる

闇夜の蛍とはハーメルン(小説投稿サイト)に投稿されているオリジナル小説を指すタグである。

概要

ハーメルンに投稿されているオリジナル小説を指すタグ。


正式なタイトルは『和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件』と長くタグとして使用できない為、作中で原作ゲームのタイトルとされているこちらが本作品を指すタグとして使用されている。


内容はもうタイトルが語ってしまっている。これ以上に説明のしようがない。


作品が気になった方はこちらへ


登場するヒロインキャラは基本的にヤンデレであり、一回の選択ミスで軽く死ねる。

ミスしなくても世の中の不条理が(作者の手によって)襲い掛かって来て死ねる。主人公は泣いて良い

和風鬱作者の本音?


世界観

原作ゲーム『闇夜の蛍』は、主人公の前世で最初はエロゲとして発売されたとされる和風ダークファンタジー。

有名イラストレーターを起用した魅力的なキャラクターや美麗かつ豊富なグラフィック、成人指定を活かした容赦ない描写で人を選ぶもののよく練られたシナリオにより人気を博したらしい。

メディアミックス展開されるだけでなくスピンオフ作品や各種コラボも多数生まれ、スタッフが熱烈なファンとなった海外の有名ゲームメーカーが版権を取得しTPSゲームを開発するなどまさに一世を風靡したという。


舞台は千数百年の歴史を持つ国『扶桑国』。

妖、退魔士、異能、陰陽術など和風ファンタジーで定番な要素があふれる世界である。

レベルやスキルはゲームだった時にはあったみたいだが、作中ではない物として扱われている。

なお時系列でいうと第一話は原作スタートの三年前にあたる。


帝と公家からなる朝廷が中央を治め、朝廷に実力と貢献度を認められた退魔士一族が地方を治めるという封建制で、上洛という参勤交代のような制度があったり、金平糖が庶民でも買える高級菓子として市販されていたり、武器として大砲や単発式の短銃があったりと、文明レベルは江戸時代に近い。


過去に何度も人妖間の大規模な戦争『大乱』が発生しているが、五〇〇年前に起きた最大の『人妖大乱』以降は妖側に目立った統率者が現れておらず散発的・局地的な戦闘に収まっている。

だがその余裕ゆえに権力の腐敗が進み妖の殲滅そっちのけで人間同士の派閥争いが起きたり、妖や反中央勢力や旧空亡派残党『救妖衆』などの暗躍を許したりと、悪い意味で情勢が安定してしまい相変わらず妖の被害が続いているという鬱ゲーらしいものとなっている。


古代より人間との生存競争で殺しあっている天敵。

強さに応じて下から『幼妖』・『下妖』・『中妖』・『大妖』・『凶妖』と区分されている。

霊力を持つ人間を食らうと妖力が増すため本能的に優先して狙う性質がある。霊力持ちの女の場合はまず犯すことで霊力を奪い、搾り尽くしてから子袋にするなり食ったりする。中には男女問わず苗床にするものもいる。

生まれたばかりの幼妖ならば武装した一般人でも殺せるが、下妖以上が放つ妖力は人間にとって毒であり、霊力を纏って中和できる退魔士以外は基本的に対抗できない。

『中妖』は「もぐり」や「はぐれ」の退魔士でも相手どれるレベル。だが術攻撃完全無効化能力で接近戦を強いつつ体液感染で仲間を増やす河童のように極めて厄介な能力を持つ妖もいる。

『大妖』は一般的な退魔士ならば倒せるが、初見殺しや対策必須な特殊能力を持っていることも多く油断はできない。

『凶妖』は「並みの退魔士では相手にならない」妖全てを放り込んだものなので実際はカテゴリ内での上下差が激しい。上位だと朝廷直属や名門所属の超一流が複数で当たる必要がある。


  • 『空亡』

1000年前の『人妖大乱』で妖側の首魁だった存在。

高い知能を持ち、策略に優れ、圧倒的なカリスマで100体もの凶妖を配下にし、それらを将とした大軍勢を率いて西方帝国や大陸国家を滅ぼし、人類をほぼ家畜化する寸前まで追い込んだ。

だが扶桑国まで乗り込んできたところで、人類側が人体実験で妖の力を取り込んだり人間爆弾を罠として送り込んだりと手段を選ばない反撃を開始、死闘の末に空亡は封印された。

また空亡の側近だった四体の凶妖は『四凶』と呼ばれ、封印中の空亡ともども伝説的な存在として現在も恐れられている。


  • 退魔士

霊力を扱い妖に対抗できる手段を持つ者。

遺伝により継承されやすいことが判明しているため、歴史の長い家ほど代々優れた血を交配することで強力な異能や霊力を発現させている。

それらの家は継承・研鑽されてきた技術も含めて強大な戦力を持つため、各地の守護と支配を任されている。

突然変異で霊力に目覚める者もいるが、ある程度の霊力があるものは子供のうちに退魔士の家に買われるか寺社へ預けられることが多い。

これは妖は霊力持ちを食らうことで力を増すため優先的に狙ってくるという性質から、田舎では災いを招く忌子として疎まれがちなため。

市井には我流の「もぐり」や才能不足や素行の悪さで追放されたり出奔した「はぐれ」も存在するが、霊力の質や量、技術で劣るため実力は比べ物にならず死亡率も高い。

中には破落戸と変わらないような者もいるせいで、正式な退魔士と異なり社会的地位も低い。

それでも活躍が目に留まれば家人として取り立てられることもあるため、田舎でくすぶるよりは一発当てようと立身出世の夢を見るものは後を絶たないという。


  • 鬼月家

800年の歴史があり、北土のみならず扶桑国全体でも有数の勢力を誇る名門の退魔士一族。

一族だけで100人近くと豊富な人材を擁しており、高い霊力を活かした大出力の術を得意とする本家に、得意分野が異なる分家を組み合わせた隙のない戦力を持つ。

また北土の大地主という資産を背景に、他の退魔士一族や神社仏閣、公家や商人などとも血縁や利権で強く結びついており、その絶大な財力と人脈で中央からの信頼も厚い。

だがその煌びやかな名声とは裏腹に、内情は愛憎や権力闘争で暗殺や陰謀が日常茶飯事というドロドロしたものである。

現当主は義務を放棄して幹部会議にすら出ず引きこもっているため、現在は一門や長老衆による合議制で運営されている。

しかも次期当主についても候補である長女の雛と次女の葵の仲が険悪なせいで、選ばれなかった方が納得せずお家騒動が起こるのでは?という危惧から決めかねている。


  • 下人

作品名にもなっている、奴隷よりは多少マシ程度な扱いの名無し戦闘員。

戦闘力の目安は小妖には一対一で、中妖には数人がかりで勝てる程度。大妖には十把一絡げで一方的に薙ぎ倒される。

退魔士が出るまでもない雑魚の対処をさせられたり、退魔士を守る肉壁をさせられたり、大妖や凶妖の能力や戦力を確認するために死亡前提の生贄として送り込まれたりと、替えの利かない戦力である退魔士の消耗や被害を防ぐための道具として使い潰される存在である。

退魔士の権力基盤である霊力の独占の妨げになる突然変異で生まれた霊力持ちや一族の者が生ませた私生児の管理、雑用や囮に使える人手の不足といった問題を都合よく解決できる制度として普及した。

そのため反抗や逃亡したら死ぬ呪いを掛けられた上に、一族に忠誠を誓うような教育(洗脳)で自由意思を持たないようにされていることが多い。

また使い捨てる側が個人を認識して情が湧かぬよう下人は全員顔を能面のようなもので隠すことになっており、役職によって違う種類の面を付けることで最低限の区別ができるようにされている。

ある程度の霊力を有するのが最低条件で、さらに戦えるよう武器や術の扱いを仕込む教育も必要なため欠員の補充は容易ではないのだが、退魔士や家人の中にはいくらでも替えの利く駒としか思っておらずそのあたりがわかっていないものも多い。


登場キャラクター

伴部

和風鬱ポプテピピックコライラスト集

(画像左)

本作の主人公。

前世でハマっていた鬱ゲーである『闇夜の蛍』の世界に転生したが、ネット小説にありがちな『チート』の類は一切ない。

それどころか明日をも知れぬ立場の下人として何度も死地へ送り込まれており、唯一持つ『原作知識』による可能な限りの対策と自前の努力、そして強靭な精神力でなんとか生き残っている。


なお原作ヒロインたちを「関わったら死ぬ地雷」と認識しているので恋愛対象として見ていない。

彼女たちの執着対象は原作主人公だと信じ切っているので、自分が狙われていることにも気付いていない。


詳細は個別記事参照。


鬼月葵

ファンアート

原作ヒロインの一人。

鬼月家の次女であり、原作スタート時点で16歳、作中開始時点では13歳。

パーソナルカラーは桃色または桜色の美少女で、高い霊力と優れた頭脳を兼ね備えた才色兼備の天才退魔士。

その実態は唯我独尊・傍若無人なわがまま姫にして、霊力任せのゴリ押しが得意なパワーキャラ。

そのため伴部には内心で「ゴリラ姫」と呼ばれている。

命の恩人である伴部を自分の「お気に入りの玩具」として実質専属化(保護)することで、複雑な立場の彼を干渉や謀殺から守っている(つもり)。

いつか彼に自分や鬼月家の全てを捧げるべく、まず彼の身分からくる問題を解決するため英雄になってもらおうと、彼を鍛えつつ試練を与えている。

ただ彼女の見通しが甘いのか、伴部がトラブル体質で不確定要素を引き寄せるのか、難易度設定をミスって伴部が死にかけることがあり慌てて駆けつけることも。


家中で孤立していた頃に唯一親しくしてくれていた伴部を、異能に目覚めて後継者候補になった途端に捨てて今の苦境へ追いやり平然としている(ように見える)姉を心底嫌悪している。


詳細は個別記事参照。


鬼月雛

鬼月雛

原作ヒロインの一人。

鬼月家の長女で、伴部とは同年代。

霊力自体は妹に劣るが、最上位の式神である龍『黄曜』を従え、『滅却の炎』と呼ばれる極めて強力な異能を操る退魔士。

凛とした雰囲気の黒髪美少女で、常に努力を欠かさず、責任感が強く真っ直ぐな性格で、誰に対しても公明正大な態度をとるという(表向きは)人格者。

過去に自身が仕出かした愚かな行為のせいで伴部が下人へ落とされたことに罪悪感を抱いており、彼を守れる権力を手に入れるために次期当主を目指している。最終的には伴部を連れ全てを捨てて駆け落ちする予定。


伴部に命を救われておきながら、その恩を忘れて彼を虐げ苦しめて楽しんでいる(ように見える)妹を心底嫌悪している。


詳細は個別記事参照。


鬼月胡蝶

センシティブな作品

原作ヒロインの一人。

気だるげで妖艶な雰囲気を漂わせる、甘ったるい口調で韜晦した物言いをする退魔士。

実は雛や葵の祖母だが、有り余る霊力で肉体を活性化させて若い姿を保っている。

先代当主の後妻として四人の子供を出産している。現当主の為時は三男、隠行衆頭の宇右衛門は四男。

今は一線を退き鬼月家長老格の御意見番という立場。

しかし過去の経験から、内心では鬼月家というものの在り方を憎んでいる。

原作主人公や伴部については、その原因となった被害者に似ていることから興味を持つように。

伴部曰く「拗らせババア」


鬼月家の分家の当主の妾の子として生まれたが、正妻の子よりも強大な霊力を有していたのが彼女の不幸の始まりだった。

正妻と腹違いの兄弟に疎まれ、父も彼女を守ってはくれなかったのだ。

母親は幼い自分の目の前で毒殺され、唯一心を許せた兄代わりで初恋相手だった下人の少年も自分を庇って目の前で妖に食い殺された。

二十歳になり腹違いの兄が当主になると、二回りも歳の離れた本家当主の元へ優れた後継者を生むための「高い霊力を持つ母体」として差し出される。

後妻とは名ばかりの愛のない子作りを強いられ、それでもせめて産んだ子には愛情を与えて育てようとしたが……その愛情を注いだ長男は「霊力が乏しい」のを理由に処分されてしまった。

これらの経験から鬼月という家の霊力や異能が全てな価値感を嫌悪し、内心では滅んでしまえばいいと吐き捨てるほど憎悪している。

四男の宇右衛門や孫娘二人はこの鬼月の悪習に染まっていない為、行動には移さずせめて自分の好きなように余生を送らせてもらうと一線から引退し距離をとる程度にしているが。


原作では主人公がその長男似だった事から抱いた母性を拗らせた末に溺愛、50歳も年下の主人公と関係を持ち母子プレイや赤ちゃんプレイなどへ発展する。性癖歪むぅ!!


作中では初恋相手と伴部が外見も境遇も似ていたことから彼を気に掛けるようになる。

伴部を抹殺しようとする動きを制したり、彼が装備や薬を調達しやすくなるよう手を回したりと、実は伴部の生存に最も貢献している功労者。

自分が表立って動けば悪目立ちしてかえって彼を危険にさらすと判断してあくまでもこっそり動いているため、彼どころか孫にも気付かれていない。

孫姉妹が彼に恋心を寄せていることに気づいており、それ故に彼の危機を何度も見落とし、自分のフォローにすら気付かず、それどころか安易な行動で事態を悪化させることすらある有様に、経験不足とはいえ自分のことしか見えていないと辛辣な評を下していた。


本人は自分の感情は鬼月家に来たばかりの彼を憐れみ母代わりに甘やかそうとした保護欲の延長、孫と伴部の関係をかつての自分と初恋相手の関係に重ねて見守っている親心だと思っている。

しかし自分が失ったものを与えられて更に先も欲している孫へ段々と嫉妬の感情が滲みだしており、辛辣や失望を通り越して軽蔑や怒り混じりの酷評を下すなど変化をきたしつつある。


赤髪碧童子

闇夜の蛍 ストーカー鬼+習作

原作ヒロインの一人。

『凶妖』の大鬼ながら、主人公に対し友好的にふるまう。

イメージカラーは青で、僧風の衣装を身に着け碇を武器にしている。

高い身体能力だけでなく各種の術にも長けているという恐ろしい実力の持ち主。

それもそのはず、その正体はかつて千年前に都に攻め込んで暴虐の限りを尽くし恐れられた伝説の『四凶』の一角。

髪色は青なのに赤髪という名なのは、犠牲者の血で常に赤く染まっていたからとされる。

その巣くっていた場所から「右京の青蛮鬼」の異名でも呼ばれていた。


元は大陸で相当暴れていた化物で、後に海を渡ってからは都や近隣の村を従えた有象無象の化物共と共に右京を食い荒らしたとされる。

因みにこの時の全盛期の姿は「EX碧子様」等と言う呼称で呼ばれているのだとか。

しかし帝の命を受けた陰陽師や武士、僧侶からなる「退魔七士」達により部下は皆殺し、自身も全身を焼かれ斬られてボロボロになり腸を零しながら命からがら何とか逃げ出した。

当時の後遺症で、今も力は完全に戻っておらず全盛期の二割程度しかないらしい。

それでも並みの凶妖では相手にすらならない強さなのだが。


なお彼女を主役にした『闇夜の蛍』のスピンオフ小説では当時の所業ががっつりと描かれる事となった。

そのあまりの鬼畜外道ぶりに、表紙に萌えていた原作の彼女のファン(読書前に「表紙EX碧子様のお美しい横乳と脇ペロペロペロリシャス!」と供述)ですら読後に「化物は滅ぼさなきゃ」と真顔で語ったとかなんとか。


逃亡後、時代の流れを俯瞰し「所詮自分は死にぞこなった過去の存在、このまま時代遅れの凶妖として討たれたり人知れず朽ちていくよりは、新たな時代の英雄の礎として名を残したい」と考えるようになる。

そこでこれはと見込んだ相手が自身を殺せるほどに育つのを見守り、英雄への道の第一歩として華々しく討たれるのをライフワークにするようになる。

ただし彼女が英雄と考える基準は厳しい上にわかりにくく、少しでも彼女の意に沿わないことがあればあっさりと見切りをつけて殺し、次の英雄候補を探すということを繰り返してきた。

彼女がまだ生きているということは、つまりそういうことである。

(例題:手助けを申し出てきた彼女にとるべき対応は? A.問答無用で敵対=×、うまく利用しようとする=×、信用して頼む=×。正解は「対話には応じながらも警戒を解かず利害が一致する部分を見逃す以外は干渉しない」)


今は鬼月家潜入中に見つけた伴部を英雄候補として観察している。下人なのに目が死んでおらず足掻き続ける姿に興味を持ったらしい。

戦闘力は足りずとも精神力的には(身勝手な)期待を裏切らない姿に拍手喝采、今までの候補の中でもトップクラスのお気に入りになっている。

しかし気に入りすぎて心境が変化しつつあるのか、死んで彼の行く末を見られないのはもったいないかもしれない、彼を鬼にして相棒にするのも悪くないかもしれない、とも思い始めている。


中でも四凶『妖母』に捕獲された伴部が彼女ですら抵抗困難な精神干渉を自力で撥ね退け逆に一矢報いて紫や孫六を救助しながら脱出に成功するという予想を大きく超えた活躍を見せた際には発情して下着をぐちょぐちょに濡らしていた。

その際『妖母』の血の侵食を受け伴部は純粋な人間から外れてしまったのだが、英雄失格と見切りをつけるどころか「私の」英雄を横取りしようとしやがった落とし前をつけさせてやるとばかりにそのまま妖母の下へ駆けつけ大暴れしている。

ちょっとやそっと拗らせているってレベルではない。


狐の半妖

原作ヒロインの一人。

小妖にも劣る非力な狐の半妖から、わずか数百年で九尾の『凶妖』にまで成長した妖狐『狐璃白綺』……の残滓。

ただし原作と作中ではこの姿で主人公に保護される経緯が異なり、それに伴って記憶や性格なども変わっている。

原作の白は妖狐本体が力と記憶を失い退化した姿で、無知で無垢な少女。

作中の白は妖狐が不要と切り捨てた過去の記憶(魂)の欠片が形になった姿で、真面目で素直な少女。


妖狐時代は肉感的な美女で、妖らしく残忍で狡猾で執念深く自己中心的な性格をしており人間をエサとしか見ていなかった。

好物は油揚げと紅葉饅頭と生きた人間の脳味噌。酒は飲めない。

そのしつこさと悪質さから、原作の敵の中でも嫌われ度上位な女狐である。


人間の母と共に村外れで畑を耕して暮らしていたが、母が妖と通じているとされ殺される。

山へ逃げ込んだ彼女も村人に捕まるが、そこに現れたかつて空亡に率いられた百の凶妖が生き残りが一体『狐璃黒麗』に拾われ、言霊で魂を縛られ本名も奪われた上で妖としての名『狐璃白綺』を与えられた。

その後は主君であり『御姉様』となった黒狐に化物としての教育を厳しく施され、やがてその右腕となるほどに成長。

本来ならば九尾になるには千年は掛かるところ、たった数百年で八尾になりあと100年もすれば九尾になるだろうというほどの才能を見せる。

ある日、罠を張っていた退魔士たちに深手を負わされた黒狐が、自分はもう助からない、死体を人間の戦利品扱いされるくらいならお前が私を喰らってより高みを目指せと遺言。彼女はその遺志を継ぎ、追ってきた退魔士たちを皆殺しにすると新たな九尾の白狐として力を渇望するようになる。

その後100年掛けて自ら鍛えた自慢の軍勢(1000体以上の中妖と10体以上の大妖)を率いて村や町を蹂躙。成功が続いていたせいで自分に敵はいないと慢心し、無謀にも都を攻めようとした。

その結果、迎撃に出てきた朝廷直属の退魔士のたった二発の攻撃で手勢は全滅。

彼女自身も一方的にやられて死にかけたため、自身の魂を分割して広範囲へ飛ばす術を使い辛うじて生き延びた。


白はその分け身の一体なのだが、母と暮らしていた幸せな時代の記憶が基になっているため悪しき心の無い最弱な存在になっている。実際都の破落戸に半妖というだけで殴る蹴るの暴行を受けていたところを孤児院の院長に発見され保護されている。

妖狐部分曰く「我らが落ちこぼれの忌み子」。

ここまでは原作と共通。


原作の前日譚『狐児悲運譚』では橘商会の商隊を襲ったり、巧く都へ潜り込んだ分身が不良退魔士やモグリの呪術師を襲ったりして順調に力を蓄え、締めに半妖の孤児院に保護されていた白を操って結界を開けさせ孤児たちや院長で元陰陽寮頭の吾妻雲雀という特上の餌を食らうことに成功。

弱体化前よりも大幅にパワーアップした状態で都を脱出し、復讐する力を蓄えるべく再び地方を荒らしまわる中で原作主人公との因縁が生じることになる。

やがて主人公への執着を利用されて彼を殺すための囮に使われた結果再び死にかけ、力と記憶を失い白と同じ姿まで退化したのが原作で「白」と呼ばれる存在である。

その状態で主人公の使い魔になるわけだが、鍛えすぎると記憶と力を取り戻し、好感度次第では鬼月家を滅ぼしたり、主人公を拉致監禁して妖に変えようとするらしい。


作中の妖狐は、まず伴部の介入により橘商会への襲撃に失敗、都へ潜入した分身も密かに排除されて力を回復することすらままならず、一気に力を得ようと孤児院を襲ったものの伴部の奮闘やまさかの白の反撃に苦戦し、駆け付けた葵に一撃で瀕死にされ、悪足掻きで孤児たちを襲おうとしたが結界の異常を感知して帰ってきた雲雀の術により骨も残らず焼き尽くされて滅ぶという最期を迎えた。

白は妖狐との接触で妖狐時代の記憶を取り戻したものの、過去は過去であり雲雀や伴部のように信頼できる人間もいるのだと割り切っており人格は変わっていない。


事件後の白は自分の素性が露見した場合に孤児院へかける迷惑を考え、また伴部の近くにいるために、孤児院を出て葵付きの側仕えの雑用になる道を選んでいる。

葵が気紛れで拾ってきた半妖ということで胡乱げに見られることもあるが、素直さや天然の可愛らしさから女中仲間の評判は悪くないようだ。

伴部は原作知識から白を冷遇するのはまずい、雲雀との約束(呪い)もあるから優しく接する義務があるとしているが、本音では別の存在だということもわかっているのか意外と甘い対応をしたり一度だけだが彼女に弱音を吐いたりしている。


赤穂紫

赤穂紫

原作サブヒロインの一人。

『鬼月家』と親しい、西土の名門退魔士一族『赤穂家』直系の末娘。ゲーム開始時で15歳。

紫色のおかっぱ頭に童顔で華奢な身体の少女。

プライドが高くて早合点しやすくムキになりやすいが、努力家で生真面目で根は善良。

葵とは従妹の間柄で、彼女を従姉様(ねえさま)と慕っているが、葵には塩対応を取られている。


赤穂家とは『退魔七士』が一人「千切り撫で切り人でなし悪九郎」を初代とする、刀剣術に特化した千年近い歴史を持つ一族である。

その技量は凄まじく、父や兄たちはキロ単位先の大妖の群れを突きの『風圧』で纏めて爆殺したり、木刀で大入道を細切れになるまで切り刻んだり、挙げ句の果てには刀の先から不可避の上に即死のビームを撃つという。

彼女自身も退魔士としての修業はしているが、さすがにそこまでの腕はない。せいぜい十分な溜め時間があれば妖刀の力を開放して中妖の群れを跡形もなく消し飛ばせる程度。

与えられた家伝の妖刀『赤穂討魔十本刀』の一本『根切り首削ぎ丸』を従わせ制御できる能力はあるのだが、どれだけ要望しても父や兄が実戦への参加を認めてくれないため実戦経験皆無。

それを周囲に「名門の落ちこぼれ」などと揶揄され続けているのがコンプレックスになってしまっている。

それどころか家族までお前は女だから諦めろという当てつけかのように着物や装飾品、家具に化粧品などの頼んでもいない女物の品々を贈ってくることに反発している。

もっともこれは彼女を軽んじているわけではない、むしろ実際は七人兄弟の末っ子で唯一の娘な彼女を猫かわいがりしている親馬鹿兄馬鹿ばかりである。

母が亡くなっている男所帯で、父兄揃って対人関係に不器用なためうまく愛情を伝えられず、「年頃の娘が喜ぶ」と教わったものを贈っているだけなのだ。

実際試着したわけでもないのにちゃんと彼女に似合うものを選んでいるのが、人任せで適当に買ったのではなく、はっきり想像できるほど彼女をよく見ていてしっかり厳選したという証拠だろう。

彼女から葵へのアプローチも空気を読めない空回りなマシンガントークで逆に好感度を下げてしまっているあたり、どうやらコミュ障なのは赤穂家の血筋らしい。

家族に比べて技量的に未熟だからと過剰に心配しているのもあるが、性格的に彼女は退魔士に向いていないという判断もあったのかもしれない(調子に乗りやすい、視野が狭い、感情的、土壇場の胆力に欠けている、「やりましたか!?」とか言うなetc)


原作を発売直後に購入したプレイヤーを絶望の底へと突き落としたある意味このゲームを象徴する存在。

通称「歩く死亡フラグ」「抑止力に殺され続ける紫ちゃん」

公式サイトのキャラクター紹介やゲームのパッケージではメインヒロインと同じように目立つ扱いを受けていて、見るからに一癖二癖あるヒロイン達の中ではある意味ストレートな古き良き時間差ツンデレキャラということで最初の攻略対象に選ばれることが多かった。

実際ゲーム中は親しくなるイベントも多く、順調に仲を深めていけるのだが……それこそが制作陣の罠だった。

ラブコメのような雰囲気から一転、これは鬱ゲーだと思い知らせてやるとばかりにどう足掻いても死ぬ運命が待ち受けている。

妖に殺される、他ヒロインに殺される、自身の妖刀に斬り殺される、陰謀を知ったせいで口封じに処刑される、妖に変えられて家族や仲間に斬られる等々、これでもかというほどに多種多様な最期を迎えてしまう。

酷い時には『画面外で死んでる』と触れられる程度で死亡シーンすら描かれない事も。

そう、彼女は攻略可能なヒロインではなく、よりプレイヤーを曇らせるために感情移入しやすいよう用意されたサブヒロインだったのだ。

例えゲームそのものを改造してハッピーエンドを捏造しても強制的にハッピーエンドが夢オチとなり死んだことにさせられるなどの徹底ぶり。

全ルートの各所に彼女の死亡シーンが無数に捻じ込まれているというストーリー構成上、余りにも死亡フラグ回避が困難過ぎて二次創作の最強系主人公物ですら彼女を救うのを諦めるしかなかったという。


作中では(鬱陶しく絡んでくる彼女を当て馬に利用しようとした葵の思考誘導もあって)最初は敬愛する従姉様に取り入る卑しい下人と敵視していたが、模擬戦で彼の技量を認めて少し態度が軟化。

都の地下水道を調査することになった伴部へ強引に同行した結果、自分の実力を認め頼られるという彼女が求めてやまなかった言葉を与えられたり、窮地に陥っても冷静さを失わず自分にできることをやり続けて幾度となく危機を乗り切る姿を見せられ続け、遂に好意を持つようになる。

事件後はそれまで見向きもしなかった御洒落を始め、口実を作って伴部と会おうとするのだが…擦れ違って会えなかったり、逆に間が悪い時に出くわしたりと思い通りにいかない状態が続き、結局そのまま伴部たちが上洛を終え北土へ戻る時までまともに会話することはできなかった。

唯一伴部と親しくなってもヤンデレと化していなければ、今後も化す恐れの無いと思われる存在。


橘佳世

センシティブな作品

原作サブキャラの一人。

原作では商会の売り子として色々なレアアイテムを売ってくれる。原作スタート時点で14歳。

だが時折年齢に見合わない影のある表情でとても闇深いセリフを口にする。(第十二話の後書き参照)


作中では金髪碧眼の可愛らしい容姿でおねだり上手なあざとい御嬢様。

公家の流れを汲む名家で手広い商売を行っている大商会、橘商会の当主の一人娘。

父の景季は内部改革と人材登用を推進して一代で潰れかけの商会を立て直し規模の拡大にも成功したやり手の改革派商人。

母は元は商会の看板娘として働いていた南蛮系移民で、周囲の反対を押し切ってこの世界では珍しい恋愛結婚に踏み切った万年新婚夫婦。

娘の彼女も両親から溺愛されており、特に父親にとっては妻に並ぶ二つの欠点の一つとまで言われている。

天真爛漫に振舞っているが、周囲と異なる容姿故に両親と老女中の鶴以外に親しい者がいないという孤独を抱えており、将来は血を継ぐための政略結婚で後継者に指名された優秀な部下へ嫁ぐのだろうと達観していた。


元々橘商会は「海塩屋」という屋号で海産物の取引や貿易を行っていたのだが、代々の放漫経営ですっかり経営は傾き、景季が事業失敗した先代の急死で若くして跡を継いだ時には経常赤字な上に多くの伝手まで他の商会に奪われているというどうしようもない状態だった。

そこで景季は心機一転を明確にすべく屋号を南蛮風の「橘商会」へ変更、事業再編や資産管理の透明化を進め、彼をお飾り当主として利用する気だった保守派やコネで甘い汁を吸っていた連中を賄賂や汚職など理由に追放し腐敗を一掃。

身分や国籍を問わず優秀な人材を登用しつつ、従来の丁稚奉公ではなく近代的な指導教育体制を採用し待遇も改善、教育期間を短縮し逃亡や引き抜きも防止するなど改革を進めていった。

当然急進的な改革に対する強い反発はあったが、保守派の幹部を彼は時には膝詰めで説得、時には強制的に引退させるなどの大鉈を振るい、それでも商会を分裂させずに、取引相手にも不信を抱かせないという離れ業をやってのけた。

わずか数十年でこれだけの改革を成功させた手腕はまさに超一流というべきだが、当然彼に恨みを抱く者も多く、これが後に愛娘への災いを招くことに。


ある日朝廷に運搬を依頼された重要な荷を都へ運び込もうと商会長自らが率い妻と子も同行していた商隊が、都の近くで妖狐の襲撃を受けたことで彼女の運命は大きく変わることになる。


原作ではこの襲撃で両親が生きたまま脳味噌を食われて死亡するのを見せつけられた後、生き残った彼女も保守派の爺たちの慰み者にされ、商会は乗っ取られてしまう。

彼女は父が愛した店を守りいつかあの連中から取り戻すことを心の支えに生きているが、商人としての実績がなく保守派に尊厳を穢されているという致命的な汚点がある彼女が旗頭になってそれを実現できる可能性は極めて低い。

なお二次創作では悪い大人たちに弄ばれるウス=異本や、彼女を救ってNAISEI無双をする小説が多かったらしい。


作中では妖狐の分け身に襲われている所を伴部と葵の介入で両親共々助けられ、それを機に伴部へ興味を持つようになる。

最初は恋に憧れる少女として、お互い本気になる心配がない、いい思い出で終わらせる恋愛ごっこにはちょうどいい相手としか思っていなかった。

しかしお忍び散策の護衛という名目のデートごっこ中に誘拐された彼女を守ろうと、拷問でボロボロにされた身体でなおも傷だらけになりながら戦う彼を間近で見続けた結果、本気の恋心を抱く。

誘拐事件の黒幕だった保守派の爺に彼が銃撃されて頭部が弾け飛んだ時には、錯乱して頭蓋骨や脳を搔き集めなんとか戻そうとしていたほど。


だが葵と自分との彼に対する想いの差を行動で思い知らされ、更に葵から伴部の陥っている状況と彼を取り巻く環境を教えられ、自身の力ではどうする事も出来ないと悟ってしまう。

所謂『負けヒロイン』になってしまったのだが、後日商会長の娘ではなく一人の商人として葵と交渉。その覚悟を気に入られ、葵の計画に協力する代わり成就の際は『側室』として伴部の隣にいる事を許された。

ちなみに事件後はなぜか守り袋と称して巾着袋を常時携帯するようになり、時折袋から取り出した白い飴のように見える塊を舐めるようになった。中身はナニカとナニカの砂糖漬けらしい。


本来なら闇深いだけでヤンデレにはならず、また、伴部の活躍により闇深くなる可能性も消えたりと救済されたキャラではあったが、上記の事もあってヤンデレと化した。

しかももし彼女を溺愛している父親が知ったら発狂するレベルのやべー性的嗜好にまで目覚めてしまっている。

伴部は泣いて良い


なお葵との契約を実現するために、後日開かれた「佳代誘拐事件に関する鬼月家への追求の場」で葵の発言に逆上した父を宥めつつ三方良しの和解案を提示するという成長した姿を見せ、今後は娘としての甘えを捨て自分が商会の後継者となるべく修業を始めると宣言している。

彼女の決意を聞かされた景季は、感動と歓喜のあまり本題をすっかり忘れて宇右衛門たちと宴会を始めそのまま話を終わらせてしまっていた。

実際に商才はあるようで、鬼月家の領内に作られた北土支店へ赴任後は名物の開発などを推進。当初の従業員の評価を覆し、お飾りではない敏腕支店長として高く評価されている。


鬼月綾香

センシティブな作品


原作サブキャラの一人。

鬼月家分家筋の少女で、弓を得物とする退魔士。原作スタート時点で17歳。

性格は臆病で気負いやすいが、身分に関係なく優しくてお姉ちゃん気質。

下人を道具ではなく個人として扱い、その言葉にも素直に耳を傾けるという退魔士らしくない善良すぎる少女である。

楽観的で楽天的で裏表のない性格から、一族のみならず家人の子供等からも年上のお姉さんとして慕われている。

ただしそんな美点が気の緩みにも繋がりやすく、直ぐに調子に乗って失敗するという悪癖がある。

原作ゲームでは原作主人公より一つ上な事もあり気の良いお姉ちゃんキャラとして対応してくるが、実際は小柄でおっちょこちょいな所もある癒し系キャラとしてファンからの人気を獲得したらしい。

隠形衆に分家筋の妾腹の幼馴染がおり、特典やスピンオフのサイドストーリーで二人の甘酸っぱい交流が描写されている。


原作では幼馴染の少年ともども、大体のルートで二人共相手を助けようとして両方酷い目に遭う運命にある。

中でもとくに有名なのが悪名高きハラボテチェストバスターの一幕。

妖に仲間を人質にされて抵抗出来なくなった後に輪姦され、原作主人公が助けに行けばハラボテ状態で再登場。

原作主人公の目の前で苦しんで泣きじゃくる彼女の腹を突き破って妖が飛び出し彼女は死亡とかいう制作陣の性癖歪み過ぎな誰得展開でプレイヤーの心を病ませた。

しかも、救えないのがそれが原作主人公を貶める陰謀の一環で、彼女はその為の生け贄として偶然白羽の矢を立てられただけという裏設定があること。

制作陣はどれだけ歪んでいるのだろうか。

余りに不憫すぎるせいで、二次創作界隈では最強系オリ主たちが積極的に鬱フラグを圧し折っていたらしい。


漫画

ファンアートとして漫画も描かれている。

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