概要
ハーメルンに投稿されているオリジナル小説を指すタグ。
正式なタイトルは『和風ファンタジーな鬱エロゲーの名無し戦闘員に転生したんだが周囲の女がヤベー奴ばかりで嫌な予感しかしない件』と長くタグとして使用できない為、作中で原作ゲームのタイトルとされているこちらが本作品を指すタグとして使用されている。
内容はもうタイトルが語ってしまっている。これ以上に説明のしようがない。
作品が気になった方はこちらへ
登場するヒロインキャラは基本的にヤンデレであり、一回の選択ミスで軽く死ねる。
ミスしなくても世の中の不条理が(作者の手によって)襲い掛かって来て死ねる。主人公は泣いて良い
世界観
舞台は千数百年の歴史を持つ国『扶桑国』。
妖、退魔士、異能、陰陽術など和風ファンタジーでは定番な要素があふれる世界である。
レベルやスキルはゲームだった時にはあったようだが、作中ではない物として扱われている。
なお時系列でいうと第一話は原作スタートの三年前にあたる。
帝と公家からなる朝廷が中央を治め、朝廷に実力と貢献度を認められた退魔士一族が地方を治めるという封建制で、上洛という参勤交代のような制度があったり、金平糖が庶民でも買える高級菓子として市販されていたり、武器として大砲や単発式の短銃があったりと、文明レベルは江戸時代に近い。
過去に何度も人妖間の大規模な戦争『人妖大乱』が発生しているが、五〇〇年前に起きた最大の『人妖大乱』以降は妖側に目立った統率者が現れておらず散発的・局地的な戦闘に収まっている。
だがその悪い意味で情勢が安定してしまったが故に権力の腐敗が進み、妖の殲滅そっちのけで人間同士の派閥争いが起きたり、妖や反中央勢力や旧空亡派残党『救妖衆』などの暗躍を許したりと、地方では相変わらず妖の被害が続いているという鬱ゲーらしいものとなっている。
- 『闇夜の蛍』
主人公の前世で最初はエロゲーとして発売された和風ダークファンタジー。
平和で豊かな村の平凡な庄屋の家の子だった主人公が、妖の襲撃で村が壊滅したのを機に強力な異能に目覚め、地主でもある退魔士一族の鬼月家に引き取られた後、自分の家族を奪われた復讐と人々を守るために退魔士を目指す。
その過程でヒロインたちと心を通わせ、自身の出生の秘密や退魔士を巡る闇を知っていき、やがて国の命運をも左右する戦いに身を投じていく……というストーリー。
有名イラストレーターや豪華声優陣の起用に加え、巧みな宣伝戦略で発売前から話題となっていた。
発売後も美麗なグラフィックや重厚なシナリオが豊富に用意されていて購入者を喜ばせた。…途中で本性を現し牙を剥くまでは。
発売前は伏せられていたが、実は単なるシリアス寄りのゲームではなく容赦ない残虐描写や無数のバッドエンドがプレイヤーを襲う鬱ゲーだったのだ。
妖に味方を惨殺されたり凌辱されるだけでなく、味方のはずの人間にも主人公たちを疎み罠に嵌めてくるものがいる。
ヒロインだって癒しとは限らず、接し方を間違えるとヤンデレ化して他ヒロインの抹殺や主人公の監禁に走りバッドエンド行きになることも多々。
騙されたと炎上してもおかしくない地獄のような世界が展開するわけだが、性質の悪いことに上記の通りシナリオや演出の質そのものは非常に高いため、先が気になってやめられずそのまま突き進んでしまうプレイヤーが続出。
実際カルト的人気で留まらない、それどころかプレイヤーの性癖すら歪めて取り込んでしまうほどの名作だったようで、メディアミックス展開されるだけでなくスピンオフ作品や各種コラボも多数生まれるほどの人気を博した。
国内のみならず、海外の有名ゲームメーカーのスタッフまで熱烈なファンとなりその会社から外伝としてTPSゲームが発売されるなど、まさに一世を風靡したという。
主人公もマジ洒落にならないだの精神的にかなり来たなどと言いつつ、派生作品を網羅し二次創作にも手を出すほどドハマリしていた。
- 妖
古代より人間との生存競争で殺しあっている天敵。
強さに応じて下から『幼妖』・『小妖』・『中妖』・『大妖』・『凶妖』と区分されている。
霊力を持つ人間を食らうと妖力が増すため本能的に優先して狙う性質がある。霊力持ちの女の場合はまず犯すことで霊力を奪い、搾り尽くしてから子袋にするなり食ったりする。中には男女問わず苗床にするものもいる。
生まれたばかりの幼妖ならば武装した一般人でも殺せるが、小妖以上が放つ妖力は人間にとって毒であり、霊力を纏って中和できる退魔士以外は基本的に対抗できない。
『中妖』は「もぐり」や「はぐれ」の退魔士でも相手どれるレベル。だが術攻撃完全無効化能力で接近戦を強いつつ体液感染で仲間を増やす河童のように極めて厄介な能力を持つ妖もいる。
『大妖』は一般的な退魔士ならば倒せるが、初見殺しや対策必須な特殊能力を持っていることも多く油断はできない。
『凶妖』は「並みの退魔士では相手にならない」妖全てを放り込んだものなので、一定まで成長しただけの妖もいれば零落した元神までいるとカテゴリ内でも上下差が激しい。上位だと朝廷直属や名門所属の超一流が複数で当たる必要がある。
- 『空亡』
五百年前の『人妖大乱』で妖側の首魁だった存在。
高い知能を持ち、策略に優れ、圧倒的なカリスマで100体もの凶妖を配下にし、それらを将とした大軍勢を率いて西方帝国や大陸国家を滅ぼし、人類をほぼ家畜化する寸前まで追い込んだ。
だが扶桑国まで乗り込んできたところで、人類側が人体実験で妖の力を取り込んだり人間爆弾を罠として送り込んだり霊脈を暴走させて土地ごと吹き飛ばしたりと手段を選ばない反撃を開始、死闘の末に空亡は封印された。
しかし実は封印される前に超長期的計画による人類の弱体化を考案し、側近へ指示を残していたらしい。
中でも公的には死亡したことになっている側近の一体『鵺』は、残党組織『救妖衆』の幹部として適当な人間と入れ替わりながら上層部へ潜り込むことで国の腐敗を進める策を着々と実行している。
- 退魔士
霊力を扱い妖に対抗できる手段を持つ者。
霊力持ちは本来希少な存在だが、霊力や異能は遺伝により継承されやすいことが経験則で知られているため、歴史の長い家ほど代々優れた血を交配することで強力な異能や霊力を発現させている。
中でも継承・研鑽されてきた技術も含めて強大な戦力を持つ一族は、朝廷より各地の守護と支配を任されている。
突然変異で霊力に目覚める者もいるが、ある程度の霊力があるものは子供のうちに退魔士の家に買われるか寺社へ預けられることが多い。
これは妖は霊力持ちを食らうことで力を増すため優先的に狙ってくるという性質から、田舎では災いを招く忌子として疎まれがちなため。
市井には我流の「もぐり」や才能不足や素行の悪さで追放されたり出奔したりと訳ありな「はぐれ」も存在するが、大多数は霊力の質や量、技術で劣るため実力は比べ物にならず死亡率も高い。
中には破落戸と変わらないような者もいるせいで、正式な退魔士と異なり社会的地位も低い。
それでも活躍が目に留まれば家人として取り立てられることもあるため、田舎でくすぶるよりは一発当てようと立身出世の夢を見るものは後を絶たないという。
- 鬼月家
800年の歴史があり、北土のみならず扶桑国全体でも有数の勢力を誇る名門の退魔士一族。
一族だけで100人近くと豊富な人材を擁しており、分家により得意分野は異なるが、基本的に高い霊力を活かした大出力の術を得意とする。
また北土の大地主という資産や祭祀の取り仕切りという宗教的権威を背景に、他の退魔士一族や神社仏閣、公家や商人などとも血縁や利権で強く結びついており、その絶大な財力と人脈で中央からの信頼も厚い。
だがその煌びやかな名声とは裏腹に、内情は愛憎や権力闘争で暗殺や陰謀が日常茶飯事というドロドロしたものである。
現当主の鬼月為時は務めを放棄して自室に引きこもっており、現在は一門や長老衆による合議制で運営されている。
次期当主についても候補である長女の雛と次女の葵の仲が険悪なせいで、選ばれなかった方が納得せずお家騒動が起こるのでは?という懸念からまだ正式に決まっていない。
- 下人
作品名にもなっている、奴隷よりは多少マシ程度な扱いの名無し戦闘員。
戦闘力の目安は小妖には一対一で、中妖には数人がかりで勝てる程度。大妖には十把一絡げで一方的に薙ぎ倒される。
退魔士が出るまでもない雑魚の対処をさせられたり、退魔士を守る肉壁をさせられたり、大妖や凶妖の能力や戦力を確認するために死亡前提の囮として送り込まれたりと、替えの利かない戦力である退魔士の消耗や被害を防ぐための道具として使い潰される存在である。
退魔士の権力基盤である霊力の独占の妨げになる突然変異で生まれた霊力持ちや一族の者が生ませた私生児の管理、雑用や囮に使える人手の不足といった問題を都合よく解決できる制度として普及した。
そのため反抗や逃亡したら死ぬ呪いを掛けられた上に、一族に忠誠を誓うような教育(洗脳)で自由意思を持たないようにされていることが多い。さらには劣悪な環境によって反乱の危険性があるために可能な限りその結束を阻害するように待遇に差をつけている。つまりは分断せよ、しかる後に統治せよという訳である。大英帝国かな?
また使い捨てる側が個人を認識して情が湧かぬよう下人は全員顔を能面のようなもので隠すことになっており、役職によって違う種類の面を付けることで最低限の区別ができるようにされている。
先述の理由で仲間と連携しての集団戦の心得がないため任務ごとの被害も大きい。
欠員の補充も、稀少な霊力持ちを探し出した上で各種訓練が必要なため容易ではない。
実際に近年の妖の活性化に対して補充が追い付かず訓練不足の半人前も現場へ連れていくしかなく、そのせいでますます被害が増えて人手不足が悪化するという負の連鎖が起きている。
だが退魔士や家人の中にはいくらでも替えの利く駒としか思っておらずそのあたりがわかっていないものも多い。
長老たちは誤情報のせいで4部隊が全滅したと聞いても「大妖一匹に手も足も出ないとは情けない」と嘲笑い深刻に捉えず、下人衆助職(部署のNo.2)ですら下人衆允職(No.3・下人の最高位。現場責任者として各種訓練指導や管理監督など普段の実務のほぼ全てを担当)の陳情に対し「人手不足なぞ、貴様らの工夫で解決しろ!」と吐き捨てる有様である。
登場キャラクター(人間)
伴部(ともべ)
(画像左)
本作の主人公。
前世でハマっていた鬱ゲーである『闇夜の蛍』の世界に転生したが、ネット小説にありがちな『チート』の類は一切ない。
それどころか明日をも知れぬ立場の下人として何度も死地へ送り込まれており、唯一持つ『原作知識』による可能な限りの対策と自前の努力、そして強靭な精神力でなんとか生き残っている。
なお原作ヒロインたちを「関わったら死ぬ地雷」と認識しているので恋愛対象として見ていない。
彼女たちの執着対象は原作主人公だと信じ切っているので、自分が狙われていることにも気付いていない。
詳細は個別記事参照。
鬼月葵(おにつき あおい)
原作ヒロインの一人。
鬼月家の次女であり、原作スタート時点で16歳、作中開始時点では13歳。
パーソナルカラーは桃色または桜色の美少女で、高い霊力と優れた頭脳を兼ね備えた才色兼備の天才退魔士。
その実態は唯我独尊・傍若無人なわがまま姫にして、霊力任せのゴリ押しが得意なパワーキャラ。
そのため伴部には内心で「ゴリラ姫」と呼ばれている。
命の恩人である伴部を自分の「お気に入りの玩具」として実質専属化(保護)することで、複雑な立場の彼を干渉や謀殺から守っている(つもり)。
いつか彼に自分や鬼月家の全てを捧げるべく、まず彼の身分からくる問題を解決するため英雄になってもらおうと、彼を鍛えつつ試練を与えている。
ただ彼女の見通しが甘いのか、伴部がトラブル体質で不確定要素を引き寄せるのか、難易度設定をミスって伴部が死にかけることがあり慌てて駆けつけることも。
感情任せの考え無しな行動で伴部を現在の苦境へ追い込み、今も自分の都合しか考えていない姉を心底軽蔑している。
詳細は個別記事参照。
鬼月雛(おにつき ひな)
原作ヒロインの一人。
鬼月家の長女で、伴部とは同年代。伴部は下人落ちする前彼女の世話役だった。
霊力自体は上の下レベルと妹に劣るが、『滅却の炎』と呼ばれる極めて強力な異能を操る退魔士。
凛とした雰囲気の黒髪美少女で、常に努力を欠かさず、責任感が強く真っ直ぐな性格で、誰に対しても公明正大な態度をとるという(表向きは)人格者。
だが実際はそれらの理想の後継者めいた素行は全て演技。
己の愚かさや無力さのせいで引き離された伴部を取り戻せる立場が欲しいからそう振舞っているだけで、内心では伴部以外はどうでもいいと考えている。
十分な力を手に入れあらゆる邪魔者を排除できるようになったら、最終的には自分たちを知る者がいない場所で二人きりの生活という夢を実現すべく全てを捨てて駆け落ちする予定。
自分が手を出せない間に伴部を奪うばかりか、命を救われた恩を忘れて彼を虐げ苦しめて楽しんでいる(ように見える)妹を心底憎悪している。
詳細は個別記事参照。
鬼月胡蝶(おにつき こちょう)
原作ヒロインの一人。
気だるげで妖艶な雰囲気を漂わせる、甘ったるい口調で韜晦した物言いをする退魔士。
一見二十代後半の色気ある女性だが、実は先代当主の後妻であり四人の子供を出産している。現当主の為時は三男、隠行衆頭の宇右衛門は四男。
つまり雛や葵の祖母。有り余る霊力で肉体を活性化させて若い姿を保っている。
今は一線を退き鬼月家長老格の御意見番という立場だが、自身は表に出ず裏から他者を誘導する策略に長けており必要ならば身内だろうと冷淡に切り捨てる様から、他家の者には『鬼月の黒蝶婦』と呼ばれ恐れられている。
過去の経験から、内心では鬼月家というものを嫌悪している。
原作主人公や伴部については、その原因となった被害者に似ていることから興味を持つように。
伴部曰く「拗らせババア」
鬼月家の分家の当主の妾の子として生まれたが、正妻の子よりも強大な霊力を有していたのが彼女の不幸の始まりだった。
正妻と腹違いの兄弟に疎まれ、父も彼女を守ってはくれなかったのだ。
母親は幼い自分の目の前で毒殺され、唯一心を許せた兄代わりで初恋相手だった下人の少年も自分を庇って目の前で妖に食い殺された。
二十歳になり腹違いの兄が当主になると、二回りも歳の離れた本家当主の元へ優れた後継者を生むための「高い霊力を持つ母体」として差し出される。
後妻とは名ばかりの愛のない子作りを強いられ、それでもせめて産んだ子には愛情を与えて育てようとしたが……その愛情を注いだ長男は「霊力がない」ことを理由に処分されてしまった。
これらの経験から鬼月という一族に蔓延する霊力や異能が全てな価値観を嫌悪し、内心では滅んでも構わないとすら思っている。
四男の宇右衛門や孫娘二人というこの鬼月の悪習に染まっていない子孫もいる為、行動には移さずせめて自分の好きなように余生を送らせてもらうと一線から引退し距離をとる程度にしているが。
原作では主人公がその長男似だった事から抱いた母性が暴走した結果、50歳も年下の主人公と関係を持ち母子プレイや赤ちゃんプレイなどへ発展する。性癖歪むぅ!!
拗らせた場合、直接手を下すよりも妖などの敵を利用した策謀で他ヒロインの抹殺や鬼月家の滅亡という形のBADENDを引き起こしていたらしい。
作中では初恋相手と伴部が外見も境遇も似ていたことから彼を気に掛けるようになる。
伴部を抹殺しようとする動きを制したり、彼が装備や薬を調達しやすくなるよう手を回したりと、実は伴部の生存に最も貢献している功労者。
自分が表立って動けば悪目立ちしてかえって彼を危険にさらすと判断してあくまでもこっそり動いているため、彼どころか孫にも気付かれていない。
孫姉妹が彼に恋心を寄せていることに気づいており、それ故に彼の危機を何度も見落とし、自分のフォローにすら気付かず、それどころか安易な行動で事態を悪化させることすらある有様に、経験不足とはいえ自分のことしか見えていない独り善がりと辛辣な評を下していた。
本人は自分の感情は鬼月家に来たばかりの彼を憐れみ母代わりに甘やかそうとした保護欲の延長、孫と伴部の関係をかつての自分と初恋相手の関係に重ねて見守っている親心だと思っていた。
しかし自分が失ったものを与えられている幸せを自覚していない孫への同族嫌悪や嫉妬の感情が滲みだしており、辛辣や失望を通り越して軽蔑や怒り混じりの酷評を下すなど変化をきたしつつある。
ところが初恋相手が実は鬼月に務めていた女中に手を出しており、その女中が伴部の曾祖母だったことが判明(つまり初恋相手は伴部の曾祖父)。それを知った胡蝶は自身を『道化』と嘯きながらも伴部との運命的な縁に年甲斐もなく情欲を滾らせるのであった。伴部の明日はどっちだ。
橘佳世(たちばな かよ)
架空原作ではサブキャラの一人で十四歳。色々なレアアイテムを販売している大店の売り子。
ゲーム中、時折年齢に見合わない影のある表情でとても闇深いセリフを口にする。
作中では元公家の名家で手広い商売を行っている大商会、橘商会の当主の一人娘。
恩人である伴部へ想いを寄せる、金髪碧眼の可愛らしい容姿でおねだり上手な御嬢様。
原作での不幸な未来に繋がる事件は伴部の介入で阻止され、闇落ちする理由もなくなったのだが……。
詳細は個別記事参照。
松重牡丹(まつしげ ぼたん)
松重道硯の孫。松重家二十九代目当主晴孝の三女。
原作では既に故人であり、設定のみで立ち絵も存在しなかった。
作中では祖父の指示で伴部の監視・サポート役をしている。
式神を伴部に付かせており、遠隔で操作する事で都に居ながら伴部の近くに居る状態にある。
性格は退魔師らしくクールで他者を切り捨てる事をせず救おうと奮闘する伴部に苦言を述べる場面が多々見られるが、なんやかんや言ってその手伝いをしている。
生まれも能力も優秀だったため退魔士の学校では孤立しており、本人もそんな環境に嫌気が差して外街のはぐれ退魔士に師事していた。
その退魔士が初代陰陽寮頭にして外法によって人間を辞めた救妖衆幹部『鵺』だったことが運の尽き。彼は実験と称して寄生虫型妖『三尸虫』を牡丹に施し、彼女の前から消えた。それ以来実家を出奔してお尋ね者の祖父の下に身を寄せ、治療法と師匠への復讐の道を模索していた。(ちなみに祖父こと松重道硯はこの件を「いかに優秀で現状に不満があったとて、身元不確かなモグリの退魔士に師事して騙されるなど愚かの極み」と冷笑している)
唯一見つかった治療法は自身を半妖化して体内環境を変化させて三尸虫を殺す方法だが、材料入手の困難さと人間を辞める踏ん切りがつかず、原作ではそのまま死亡した。
本作では妖母に汚染されてなお人間性を失わない伴部を見て遂に決心、伴部の血を媒介に半淫魔化する。それにより三尸虫を殺し生き永らえたものの、定期的に霊力持ちの体液を摂取しなければならなくなった(ちなみに最もエネルギー効率がいいのは伴部の精液)。
赤穂紫(あこう むらさき)
架空原作ではサブヒロインの一人。
紫色のおかっぱ頭に童顔で華奢な身体のツンデレ少女。
鬼月葵の従妹であり、西土の名門退魔士一族『赤穂家』本家の七人兄妹の末娘。
名家の直系らしく退魔士として素の実力は低くないが、家族と比べると数段以上劣る上に詰めの甘い所が多い。
葵を従姉様(おねえさま)と慕っているが、葵からは雑に扱われている。
詳細は個別記事参照。
白若丸(しろわかまる)
原作サブキャラの一人。
鬼月家の家人で、人間不信の少年。男ながら神楽舞の巫女としての高い素質を有する。
少女と見紛う容貌で好感度が上がるとR18シーンまで用意されていたため、多くのプレイヤーの性癖を狂わせて、同時に多くの腐女子を引き寄せた異色の人物。
貧農に生まれ、口減らしとして艶麗寺に預けられた後、霊力持ちだったことから鬼月家に引き取られた。
寺で稚児をしていた頃に性的虐待を受けていた事から人間不信に陥っている。(幼気な容姿はその間盛られていた薬の影響もある)
だがまだどこかでそんな人間ばかりではないと信じたい気持ちが残っており、その心を解き解すことができれば主人公陣営における貴重な支援要員になってくれる。
男の癖に無駄に可愛くて地雷が少ないため、メインヒロインの相手に疲れた多くのプレイヤーが癒しを求めて白若丸に走ったらしい。
逆に主人公が介入しないと、人間不信からの刺々しい言動のせいで周囲に疎まれ酷い目に遭い絶望する。
その結果場合によっては妖共や鬼月家当主や鬼月胡蝶の甘言に乗って外患誘致の片棒を担ぎ、バッドエンドの引き金にすらなったという。
作中においては、鬼月家へ買われたばかりでまだ今後の扱いが決まっていないため、下人にするか家人にするか決定されるまで伴部の下に預けられる事になり、共に行動することになる。
伴部と彼付きの雑人である孫六兄妹の関係や、実際に伴部の仕事に付き添っての対応を見て、少しずつ信頼を寄せつつある。
その後、同性でありながら伴部に懸想を抱き、その想いと才能は鬼月胡蝶に利用されることになる。
なお作者は上のファンアートの白若丸に対して『好感度を上げ切ってから手酷く裏切って絶望に突き落としたいくらい可愛い子ですね。』とコメントしている。
おそらく悪意はなく素で言っている
現在は鬼月胡蝶に弟子入りし、二柱の神格に憑かれた伴部を鎮める役を担うべく、性別を変える術と薬を施されながら退魔士としての修行を積んでいる。
禊祓の最中に伴部が獣欲の混ざった視線を向けてきたことに気づいて人知れず達していた。
蛍夜環(ほとや たまき)
扶桑国北土、春賀邦穣恵郡にある村の庄屋、蛍夜(ほとや)家の末娘。
原作主人公・・・・・・らしいが、この世界線では女になっている。
村人の農作業を自分から手伝うなど、気さくで心優しいボーイッシュ少女。
伴部が環を見たら色々あって吐くのだとか。
主人公君さえ来ればと心の支えにしていた対象が女体化なんてしていればさもあらん。
固有異能として『焚俎篝授(ふんしょこうじゅ)』、ないし『千万焚俎篝授灯闇之呪(ちよろずふんしょこうじゅとうあんののろい)』と呼ばれる力を持っている(らしい)。
詳細は伴部曰く「生贄を引き換えとした己の強化」であり、生贄となれば退魔士は唯人になり下がり、妖や神格はその存在そのものが霧、霊脈に至ってはその源泉そのものが枯渇して土地は死に絶え、唯人に行えばその生命力を奪い去り対象は木乃伊となるとされる。
村が多くの妖に襲撃される本編プロローグの悲劇を伴部と入鹿の活躍によって大きな被害なく回避した後に、鬼月家に家人として引き取られる。
伴部がサポートしていた事もあり、着々と功績を積み重ねてはいるが、それでもまだ甘い所が多く、その隙を狙われることも暫し・・・。
鈴音(すずね)
原作主人公専属の女中であり、原作では友人以上、ギリギリ恋人未満の存在。
なお、原作中では村が襲撃された際に主人公と共に逃げようとして失敗し、主人公が気が付いた際には低俗な妖共にゴリゴリと輪強妖姦された上でそのまま目の前で御飯として惨殺されるという悲惨な最期を迎えている。
原作では気弱で、臆病で、自己主張が少ない性格だったらしいが、作中では強気でしっかり者で自己主張のできる性格になっている。
幼少期、家族に霊力持ちの兄が居り、その兄が鬼月家に引き取られて以降、退魔士にはあまりいい印象はない。
鬼月綾香(おにつき あやか)
原作サブキャラの一人。
鬼月家分家の佐久間鬼月家の少女で、弓を得物とする退魔士。原作スタート時点で17歳。
性格は臆病で気負いやすいが、身分に関係なく優しくてお姉ちゃん気質。
下人を道具ではなく個人として扱い、その言葉にも素直に耳を傾けるという退魔士らしくない善良すぎる少女である。
楽観的で楽天的で裏表のない性格から、一族のみならず家人の子供等からも年上のお姉さんとして慕われている。
ただしそんな美点が油断にも繋がりやすく、直ぐに調子に乗って失敗するという悪癖がある。
原作ゲームでは原作主人公より一つ上な事もあり気の良いお姉ちゃんキャラとして接してくるが、実際は小柄で子供っぽくおっちょこちょいな所もある癒し系キャラとしてファンからの人気を獲得したらしい。
性差に対する意識も緩く、平気で間接キスや添い寝してきたり、風呂場へ突撃してこようとすることすらあったという。
隠形衆に雛が妖に襲われた事件の巻き添えで没落した幼馴染「葉山」がおり、特典やスピンオフのサイドストーリーで二人の甘酸っぱい交流が描写されている。
原作では葉山ともども、大体のルートで二人共お互いを助けようとして両方酷い目に遭う運命にある。
中でもとくに有名なのが悪名高きハラボテチェストバスターの一幕。
妖に仲間を人質にされて抵抗出来なくなった後に輪姦され、原作主人公が助けに行けばハラボテ状態で再登場。
原作主人公の目の前で苦しんで泣きじゃくる彼女の腹を突き破って妖が飛び出し彼女は死亡とかいう制作陣の性癖歪み過ぎな誰得展開でプレイヤーの心を病ませた。
しかも、救えないのがそれが原作主人公を貶める陰謀の一環で、彼女はその為の生け贄として偶然白羽の矢を立てられ巻き込まれただけという裏設定があること。
制作陣はどれだけ歪んでいるのだろうか。
余りに不憫すぎるせいで、二次創作界隈では最強系オリ主たちが積極的に鬱フラグを圧し折っていたらしい。
作中では葉山が鬼月胡蝶及び蓮華桔梗の救出と土蜘蛛討伐の功により、無所領の家名のみだが再興した羽山鬼月家の当主『黒羽』となったことで立場を気にせず堂々と会えるようになった。
しかし桔梗という恋敵も生まれてしまったばかりか、二人して距離感が近すぎるせいで戸惑った黒羽に逃げられることも。
鬼月小鼓(おにつき こつづ)
鬼月家隠行衆頭であり、葵、雛の叔父に当たる鬼月宇右衛門の妻。
原作スタート時点で16歳ながらかなりロリロリしい見た目で、気弱で淑やかで控えめな性格。
原作プレイヤーからは「薬茶漬けロリ妻」「NTR趣味転向器」「お薬が切れたら自刎しちゃう人妻」「プレイヤーの脳を破壊するNTRれ幼妻」と大分不穏な名称で呼ばれている。
赤穂紫同様の不憫枠キャラ。
本当は宇右衛門とは相思相愛なのだが、本人たちはそのことに気付いておらず、むしろ相手に疎まれ嫌われていると思い込んでいる両片思い。
宇右衛門としては、借金の抵当として後妻という名目で無理矢理嫁がされた気の毒な娘にどう接していいかわからない。という悩みが先行して彼女を愛しむ気持ちを自覚していない。
自分を金で買ったも同然の、醜悪な容姿で親子ほど歳の離れている男の顔など見たくもないだろう。せめて好きなようにさせてやろうと多忙を理由に距離を置いている。
小鼓としては、死別した前妻に30年近く操を立てていたのに望んでもいない私なんかを押し付けられ、それでも私が肩身の狭い思いをしないよう良くしてくださる旦那様へ我が儘を言って困らせたくない。
と、お互い遠慮しあって積極的に交流しようとしないせいで、悲しい擦れ違いを起こしている。
原作では二人の心が通うことはなかったが……。
登場キャラクター(妖)
赤髪碧童子(せきはつそうどうじ)
原作ヒロインの一人。
『凶妖』の大鬼ながら、主人公に対し友好的にふるまう。
イメージカラーは青で、僧風の衣装を身に着け碇を武器にしている。
高い身体能力だけでなく各種の術にも長けているという恐ろしい実力の持ち主。
それもそのはず、その正体はかつて千年前に都に攻め込んで暴虐の限りを尽くし恐れられた伝説の『四凶』の一角。
髪色は青なのに赤髪という名なのは、犠牲者の血で常に赤く染まっていたからとされる。
その巣くっていた場所から「右京の青蛮鬼」の異名でも呼ばれていた。
元は大陸で相当暴れていた化物で、後に海を渡ってからは都や近隣の村を従えた有象無象の化物共と共に右京を食い荒らしたとされる。
因みにこの時の全盛期の姿は「EX碧子様」等と言う呼称で呼ばれているのだとか。
しかし帝の命を受けた陰陽師や武士、僧侶からなる「退魔七士」達により部下は皆殺し、自身も全身を焼かれ斬られて満身創痍になり力もほとんど失って命からがら何とか逃げ出した。
今も力は戻っておらず全盛期の二割程度しかないらしい。
それでも並みの凶妖では相手にすらならない強さなのだが。
なお彼女を主役にした『闇夜の蛍』のスピンオフ小説では当時の所業ががっつりと描かれる事となった。
そのあまりの鬼畜外道ぶりに、表紙に萌えていた原作の彼女のファン(読書前に「表紙EX碧子様のお美しい横乳と脇ペロペロペロリシャス!」と供述)ですら読後に「化物は滅ぼさなきゃ」と真顔で語ったとかなんとか。
逃亡後、時代の流れを俯瞰し「所詮自分は死にぞこなった過去の存在、このまま時代遅れの凶妖として討たれたり人知れず朽ちていくよりは、新たな時代の英雄の礎として名を残したい」と考えるようになる。
そこでこれはと見込んだ相手が自身を殺せるほどに育つのを見守り、英雄への道の第一歩として華々しく討たれるのをライフワークにするようになる。
ただし彼女が英雄と考える基準は身勝手で厳しい上にわかりにくく、その時に備えた因縁作りのためか余計なちょっかいまで出してくる。そのくせ少しでも彼女の意に沿わないことがあればあっさりと見切りをつけて殺し、次の英雄候補を探すということを繰り返してきた。
彼女がまだ生きているということは、そういうことである。
(例題:手助けを申し出てきた彼女にとるべき対応は? A.問答無用で敵対=×、うまく利用しようとする=×、信用して任せる=×。正解は「対話には応じながらも警戒を解かず、利害が一致する時は黙認する」)
今は鬼月家潜入中に見つけた伴部を英雄候補として観察している。下人なのに目が死んでおらず足掻き続ける姿に興味を持ったらしい。
戦闘力は足りずとも精神力的には(身勝手な)期待を裏切らない姿に拍手喝采、今までの候補の中でもトップクラスのお気に入りになっている。
しかし気に入りすぎて心境が変化しつつあるのか、死んで彼の行く末を見られないのはもったいないかもしれない、彼を鬼へ変えて相棒にするのも悪くないかもしれない、とも思い始めている。
中でも空亡の側近『妖母』に捕獲された伴部が彼女ですら抵抗困難な精神干渉を自力で撥ね退け、一矢報いて紫や孫六を救助しながら脱出に成功するという予想を大きく超えた活躍を見せた際には発情して下着をぐちょぐちょに濡らしていた。
その際『妖母』の血の侵食を受け伴部は純粋な人間から外れてしまったのだが、英雄失格と見切りをつけるどころか「私の」英雄を横取りしようとしやがった落とし前をつけさせてやるとばかりにそのまま妖母の下へ駆けつけ大暴れしている。
ちょっとやそっと拗らせているってレベルではない。
なお発情や興奮すると体臭が濃厚な酒精の匂いになる。
狐璃白綺(こりしらき)
狐の『凶妖』。
原作において攻略キャラであり、性格が悪いという意味で作中でも一、二を争う畜生。
本作では妖の大群を率いて都を襲おうとするも、都を守護する退魔士に一方的にボコボコにされ、咄嗟に分け身を都内部に放つ事で一時的に難を逃れ、細々と人間を食らい、分け身同士で融合しながら力を蓄える。・・・・・・ここまでなら原作と流れは一緒であったが、この一件で狐璃白綺が大幅に力をつける事を知っていた伴部が分け身狩りをし、さらに最終襲撃場所であった孤児院を守った事で、不要と切り捨てた幼く矮小な分け身を残して焼死した。
白(しろ)
原作ヒロインの一人。
小妖にも劣る非力な狐の半妖から、通常は千年掛かるところをわずか数百年で九尾の妖狐にまで成長し、その才に溺れて都襲撃を目論んだ凶妖『狐璃白綺』……の残滓。
妖狐が不要と切り捨てた過去の半妖時代の記憶(魂)の欠片が形になった姿で、真面目で素直な少女。
自身を保護してくれた孤児院が本体の妖狐に襲撃されるも、伴部と葵の活躍により誰一人欠けることなく阻止。
事件後は自分の素性が露見した場合に孤児院へかける迷惑を考え、また助けてくれた伴部へ恩を返すために、孤児院を出て葵付きの白丁(側仕えの雑用係)になる道を選ぶ。
伴部は白に対して意外と気を遣って甘い対応をしたり、無意識に妹と同じように接することが多く、そのせいか頭を撫でられたり、寝惚けた伴部に抱き寄せられて添い寝したり、弱った伴部に手を握っていてくれと頼まれたりと、他のヒロインがしたくてもできないイベントに遭遇している。
詳細は個別記事参照。
妖母(ようぼ)
人妖大乱時の妖の最高幹部の一体。堕ちた元神格で、全ての母を自称する不審者(妖)。
彼女に食われて産みなおされた存在は殆どが醜悪な異形に成り果てる。
彼女は元大地母神らしく、人も妖も生きとし生けるものを全て等しく愛している。妖化した今もその母性に曇りはなく、人への悪意も眷属を増やして勢力を増そうという下心もない。
だが狂ってしまっていて話が通じないし、相手の意思を斟酌もしない。
洗脳じみた精神汚染は「苦しみや悲しみから解放してあげましょう」という一方的な善意からだし、産み直しも「人の体は脆弱だからもっと丈夫な体にしてあげましょう」という有難迷惑な善意から。
どうやら赤髪碧童子とは何らかの因縁があるらしく、彼女からは殺意を抱くレベルで嫌われている。
作中では原作同様に都の地下に巣くっており、地下の調査に入った伴部と紫含む数名を子供たち(妖)に襲わせて捕らえた。が、伴部から予想外の反撃を受けて負傷。
しかしそのことを怒るどころか「あんなに傷付き苦しんでいる子は見過ごせない、絶対に救ってあげなければ」と使命感すら抱いている。
その後、子供たちを連れて地下を脱出した際に赤髪碧童子に襲われたが痛み分けで終わったようだ。
後日幹部仲間の鵺に対して連絡役を送っているのだが、その際伴部を特別な我が子だと熱烈に伝えていた。
そのせいでアレに個人として認識された上にこれほど執着されるとは何者だろうと鵺にまで興味を持たれてしまった伴部は泣いていい。
これで当分出番はないかと思われたが、伴部に付いた数滴の返り血にも意思や人格が宿っており、妖化させるという肉体的な干渉だけでなく、夢の中で記憶を掘り起こすという形で精神的な干渉も続けている。
土蜘蛛(つちぐも)
その名の通り、蜘蛛の凶妖。
千年前の人妖大乱では四凶の一角として、五百年前の人妖大乱では空亡の側近の一体として恐れられていた。
千年前の人妖大乱以降も単独で襲撃を繰り返していたが、五百年前の人妖大乱では空亡の麾下に入り、敗戦後は事前の指示に従って地下に潜み人間への復讐を企てている。
実は妖母同様に古の地神の一体であったという由来を持つ存在。(それもあって妖母の『我が子』判定からは外れている珍しい存在)
自身を貶め支配地を奪った人間に対し深い恨みを抱いており、彼女単独でも元神に相応しい力を有するだけでなく、高い知能を持ち性質の異なる多種の蜘蛛糸を使いこなす無数の眷属まで率いているという極めて危険な妖だった。
……そう、「だった」。あくまでも過去形であり、現在の彼女はそれなりの凶妖と呼べる程度の力しかない。
怒りのまま人間を襲っては敗れ、力の回復を待たず妖気を積極的に取り込んで強引に傷を癒してはすぐに再襲撃という無茶を繰り返した結果、自身の力の根源である神気をほとんど失い見る影もないほど弱体化してしまったのだ。
眷属たちも力や知能が低下し、かつては当たり前だった緻密な連絡網による一糸乱れぬ連携どころか命令自体を理解できない個体すらいる有様。
そのため自ら前線へ出て指揮する必要が生じ、負傷しやすくなったせいでますます怒りと恨みが増し我慢できずに急速治療して再襲撃……という悪循環に陥っていた。
そのため原作ではもはや背景としてちょい役、コミカライズ版では噛ませとして名無しの巫女に頭を粉砕される。そんな永遠の敗北者に成り下がっている。
作中では河童の大量発生を隠れ蓑にして多くの退魔師たちを誘き寄せ、罠にかけて一気に殺す為に動く。
その中で鬼月胡蝶を誘拐する等現場へ多くの混乱を齎した。が、話が進むにつれて溢れ出る常識人思考や苦労人気質が垣間見え、ファンからの好感度が高まると同時に、作品の傾向からリョナなれないかという不安の声も上がった。
結果、妖母の血で暴走した伴部に一方的に嬲られるという(色々な意味で)ファンの期待を裏切らない形となった。
性格は傲慢だが、それは元々神だったことからきている様で、なんやかんや会話に応じてくれる良心的な所もある。あくまでも会話が成立するだけで説得や和解は不可能だが。
妖化伴部に対して怯えすら見せていたのに、伴部を鎮めて人へ戻した儀式の余波で神力が少し回復した途端にイキりだすという小物ムーブも、ヘイトを買うより微笑ましい目や憐れむような目で見ていた読者が多かったようだ。
子蜘蛛(こぐも)
土蜘蛛が死の寸前に残った神格を全て注いで代替わりをした姿。
生まれ変わりではあるが、それと同時に別物でもある(分かりやすく言えばピッコロ大魔王とピッコロ)。
伴部との間に『命結骨肉喰之類縁』という呪縁が結ばれており、伴部の血肉を喰らう事で成長する。さらに、伴部が死んでも子蜘蛛に影響はないが、子蜘蛛が死ぬと伴部も死ぬ。
土蜘蛛は自身の復讐を果たさせるために伴部に関する記憶を多く残したのだが、子蜘蛛は母親(土蜘蛛)の記憶から伴部の事を父親と思い込みとても懐き甘えている。
以下後書きの寸劇の抜粋。
土蜘蛛「ククク、我が代替わりにはあの忌々しい下人の記憶を多く残してやろう。奴が復讐するべき相手なのだと直ぐに分かるようにな!!」(*`Д´*)
子蜘蛛「なんかママからもらった記憶にこの人の事ばかり残ってる。どうしてだろう?(´・ω・`)?………はっ!!もしかして、パパ!?」!( ≧∀≦)ノ
土蜘蛛「違う、そうじゃない」(´・ω・`)
座敷童(ざしきわらし)
子供の姿をした妖
居着いた家を繁栄させる権能を持つ。
鬼月家は自分たちがその恩恵に与れるように座敷童を人工的に製造している。(才能のある子供を強制的に座敷童化し、百年ごとに代替わりさせている。座敷童となった子供は誰にも見えず聞こえず、屋敷の中で子供のまま生涯を終えるため、伴部曰く「やっぱ鬼月家って糞」)
作中では座敷童になった経緯から鬼月家に憎悪を向けており、登場人物が何か発言する度に嘲り混じりの突っ込みを入れている。反面、何故か自分を認識して優しくしてくれた伴部に執着を見せており、彼がヒロインと良い雰囲気になるとヒロインを罵倒しながら嫌がらせをしている。
最近では能力が向上し『家』という概念の拡大解釈が可能になって鬼月の里や牛車、都にある鬼月家の屋敷にも顔を出せるようになった。
……何?座敷童なんてキャラは見たことない?そんな人はハーメルンの閲覧設定ページの特殊タグを「なし」に設定するのだ。
その状態で伴部が鬼月家の敷地にいる場面を読むと……
余談
この作品のコメント欄はハーメルン内の中でもネタ的なコメントがかなり多い。
ストーリーが暗すぎるせいで、一周回ってギャグに見えてしまっているのだろう。
漫画
ファンアートとして漫画も描かれている。