※物語の核心に触れるためスクロール※
船員「お名前をお願いします」
ローズ「"ドーソン"よ。"ローズ・ドーソン"」
概要
ジャックの尊き犠牲あってタイタニック沈没事故から辛くも生還したローズ。
救助船であるカルパチアがニューヨークに着くと、船上にて船員から生存者確認のために名前を尋ねられた。
すると彼女は本名の「ブケイター」ではなく、「ローズ・ドーソン」と名乗った。それはタイタニックで自身を上流階級の不自由な束縛から解放し、自由を齎してくれた亡きジャックの姓であった。
彼と過ごした時間はほんの数日程度であったが、ジャックとの交流、そしてタイタニックの沈没によって自らの心情が蔑ろにされ抑圧された「ブケイター」と袂を分かち、一人の女性「ローズ・ドーソン」として強く生きると決意したローズの意志を表した名前であった。
余談
ローズが今までの名を棄てたことで「ローズ・デウィット・ブケイター」は死亡扱いとなり、84年後にロベットらが発見したジャックの描いた裸婦画のモデルであると名乗り出るまでは彼女本人の生存は確認されていなかった。
またローズはこの時まで自身がタイタニックの生き残りであること誰一人として口外しなかったという。
恐らく理由の一つは、他言することでキャルやルースに生存を悟られる可能性を考慮したためと思われる。またそれまで他者にいいように扱われてきた自身との決別もあったのかもしれない。
ニューヨークに降り立った後は現地で女優業をした後、「カルバート」という姓の男性と結ばれ子供を授かるなど幸せな家庭を築いた。
その後100歳に達して尚存命していることや、自宅の様子、趣味である陶芸に励めていることから察するに、暮らしは裕福であると思われる。
生粋の名家である「ブケイター」の名を棄て平凡な「ドーソン」を名乗り、「生きることを諦めない」というジャックとの約束を守り通した先が行き着いたのは、身も心も満たされた裕福な日々であった。