東方緋想天
とうほうひそうてん
概要
正式なタイトルは「東方緋想天 ~ Scarlet Weather Rhapsody.」。
上海アリス幻樂団と黄昏フロンティアが共同で制作した東方Project第10.5弾にあたる作品である。
時系列としてはナンバリングが示すとおり、東方Project第10弾である「東方風神録」と第11弾の「東方地霊殿」の間である。
pixivのイラストにつけられるタグとしては、緋想天の方が一般的。
今作品において、ZUNは前作と同じく各キャラクターのシナリオ、新規キャラクターのデザイン、
新規キャラクターのテーマを含む新曲の制作と、作品全体の監修を行っている。
副題「Scarlet Weather Rhapsody」は「スカーレット・ウェザー・ラプソディー」と読む。
- Scarlet=緋色、深紅
- Weather=気象、天気
- Rhapsody=熱狂的な詩、狂詩曲
直訳すれば「緋天狂詩曲」か。
作中において緋想の剣が巻き起こす異変と、それを多角的な視点から描くこの作品そのものを指していると思われる。
あらすじ
巫女が山に立ち入ってから一年近く経とうとしていた。
博麗神社の危機も免れ、何事もなくいつも通りの暑い夏が訪れている。
だが、巫女は日照り続きという異常気象に悩まされていた。
何故か梅雨の間も、神社には殆ど雨が降らなかったのだ。
それだけではない、雨が降り続ける森、常に深い霧で見えない洋館、季節外れの雪・・・。
異常気象もここまで来るともう立派な異変であった。
異常気象の実情を把握している者は誰一人居なかった。
だが、巨視的に観察すれば誰の目にも明らかだったであろう。
常に周りが晴れ続ける者、霧雨が降り続ける者、深い霧に包まれている者・・・。
そう、気象現象は個人の周りだけで起こっていたのだ。
様々な気象現象がぶつかり合った時、本当の異常気象が始まる事になるであろう。
異常気象の正体を垣間見たその時、異変解決戦争開戦の大きな合図が大地に響いた。
――神社を倒壊させる程の大地震。
何故かその地震は、神社にいた巫女しか揺れを感じる事は無かったのだが、彼女を異変解決調査に乗り出させるには十分だった。
システム
大まかな点は事実上の前作にあたる「東方萃夢想」を踏襲しつつも、大幅なシステムの変更が為されている。
特に大きな変更点は、
- 「天候」システム
- 「デッキ」の概念
- 「飛翔」、「回避結界」の追加
- 「霊力ゲージ」、「ガードブレイク」の仕様変更
詳しくは外部サイトにて各自確認されたし。
登場キャラクター
登場キャラクターは前作「東方萃夢想」から、
追加パッチで参戦したおまけキャラクターである紅美鈴を除く10名と、新規キャラ5名の計15名である。
続投キャラクター
神社が倒壊。地震の異変を突き止めに行く。
天候は快晴(カイセイ)。
霧雨続きであるため、それを解決するために出かける。
天候は霧雨。
体から出る緋色の気を不審に思い、調査に向かう。
天候は曇天(ドンテン)。
地震の予兆を感じ取り、調査に出かける。
天候は雹(ヒョウ)。
今回は重い腰を上げ、天候の調査に向かう。
天候は花曇(ハナグモリ)。
幽霊の数が減少している事に、不審を感じ、調査に向かう。
天候は蒼天(ソウテン)。
天候の変化を解決するために、容疑者を紅魔館に呼び寄せている。
天候は濃霧(ノウム)。
天候の変化に動ずる事無く、むしろ利用している
天候は雪。
天子の企みを見抜き、打ち破ろうとしている。
天候は天気雨。
気質を萃めている者がいることを感じ取り、その元へ向かっている。
天候は疎雨(ソウ)。
楽曲一覧
ZUN作曲の曲のみ記載。
楽曲 | 備考 |
---|---|
黒い海に紅く ~ Legendary Fish | 永江 衣玖のテーマ |
有頂天変 ~ Wonderful Heaven | 比那名居 天子のテーマ |
幼心地の有頂天 | ラストスペルのテーマ |
曲名の「緋想天」「東方緋想天」
タイトル曲で使われている「緋想天」、およびスタッフロール曲として使われている「東方緋想天」は、ゲームタイトルと表記が同じなのでpixivでの検索がしづらい。
余談
- 2008~2009年頃、スタッフロール曲の「東方緋想天」を合唱する企画がニコニコで発生し、人気を博した。個人個人が音源をとって一人が合成・編集するという方式を恐らくとっており、また、声を下げた人の声は音上げされていたため、バージョンによっては駄曲に聞こえてしまうこともあった。だが、歌詞、そして歌声には確かに東方に対する強い情熱を感じられ、今でこそ表に出ることこそないが、人気を残している。振り返ってみれば、そのようなノリもニコニコが衰退して以降はあまりなくなってしまっている。どこか物寂しさを感じる部分もある。
- ちなみに、ゲーム作品の中で使用されたバージョンと、「全人類の天楽録」に収録されているバージョンの二つがある。2016年にも改めて合唱されており、人の心に残る合唱アレンジであったと思われる。
- タイトル曲の緋想天であるが、黄昏フロンティア作品の中でも随一の壮大さを持ち合わせ、サビに入る瞬間にオープニングムービーからタイトル画面に移り変わる演出に心を打たれた人は多い。