CV:朝井彩加
概要
テロリスト集団「トァク」の穏健派のリーダーで垣谷ユウゴの孫娘。
AIに対して過激なメンバーが多い組織の中では珍しく、人類とAIの共存を望んでいるという強固な信念を持ち、松本博士と共に【シンギュラリティ計画】を実行した。
祖父が残していたメッセージから、AIに対する認識を改めた事を知り「トァク」の穏健派を立ち上げた。
移動には、車椅子を使っており主にエリザベスに介助してもらっている。
足を義体に変えないのは、AIと人間が一緒に立って一緒に歩める存在だと世間に示したいという意志の表れである。
AIの暴走を止めるべく、ヴィヴィ、マツモト、松本博士、エリザベス、他の「トァク」のメンバー達と共にアラヤシキのアーカイブを停止しようと作戦を実行するが、AI達の巧みな作戦に乗せられて拠点である船も襲撃され、多くのメンバー達を失い、自身も重傷を負ってしまう。
『すみません…敵が一枚上手でした…』
『ベス…あなたはそのまま進んでください…アーカイブを…停止してください…
ベス…出会ったその日に言いましたよね…この足を義体に変えないのは示すためです…
トァクである私が…常に隣にいるAIのあなたに肩を貸してもらうためです…
ですが…それは一方的に助けてもらう関係を示したいのではありません…一緒に立って…一緒に歩ける存在だと…世の中に示したいんです。友達への…お願いです。』
とエリザベスに自身の想いを伝える。
『…のんびり待ってろ。サーバーを停止したらすぐ迎えに行く!』
『はい…待ってます…』
これがエリザベスとの最後の会話となってしまった。そして、艦橋に乗り込んできた警備AIに対して、
『こんばんは…お名前を窺っても?』
と彼女は最後まで共存の意志を捨てず、AIとの対話をしようとするが、当の警備AIは名前を教えてやる必要はないと言わんばかりに、彼女を問答無用に射殺してしまったのであった。
ネタバレ注意
『あなたは…ディーヴァ?』
『いえ。私はヴィヴィといいます。垣谷ユイさん。』
最後のチャンスともいえる再修正史では、ヴィヴィが松本博士を救助することなく(そのまま殺害された)、すぐさま彼女たちの下へと向かい、彼女から修正史で起きた計画の失敗の時の記録映像を見せてもらったことで、
『では…松本博士は…』
『はい。その身と引き換えに私をここへ』
『そう…でしたか』
と修正史で起きた出来事を知り、必要な戦力の確保が出来たのであった。
そしてマツモト、エリザベス、トァクのメンバー達と共にアーカイブと全AIの停止に乗り込む。
ニーアランドでの40年ぶりのヴィヴィの熱唱と相まって全AIの停止に至り、彼女自身も死ぬ運命を免れたのであった。
これからの未来で彼女は、エリザベスや他のメンバー達と共に人類とAIの共存に奔走していくであろう。
小説『Vivy:Prototype』版
小説版では、アニメ版同様にトァクのリーダーを務めているが性格も含め、アニメ版とはほとんど真逆なイメージが多い。こちらの彼女は車椅子に乗っておらず、容姿や性格が大きく異なっており、艶やかな黒髪のポニーテールで長身の姿で冷徹な性格の持ち主である。更には暴走したAI達とも渡り合える程、祖父に勝るとも劣らない位に高い身体能力を持つ武闘派でもある。祖父から引き継がれているところは目つきや顔の輪郭等である。
AIとの共存という信念を持っていた穏健派寄りのアニメ版と異なり、トァクの構成員に違わずAIに対して否定的なばかりかヴィヴィやマツモトにも敵意を示していた。エリザベス曰く「AI嫌いは昔からであり反抗期に入った時は特にひどかった」とのこと。
その一方でエリザベスに対しては、彼女がAIであるにも関わらず、長年彼女と付き添っていた経緯もあってかどこか想う一面を持っており、戦いの後に彼女の情報端末の欠片をイヤリングとして左耳に付けている。
また、彼女を含む家族は祖父であるユウゴに対してはテロ組織であるトァクに所属していたという理由で嫌っていたことが明らかになっており、彼女も当時そのことで荒れていた時期に陥っていたこともあった。
しかしある日、遺された祖父の家から発見したエリザベスの複製体を起動した時に、彼女の証言や祖父の遺した手記等(この後彼女は上記の理由もあってかその手記を処分したらしい)からトァクの活動と祖父の当時の思想や人生を知ることになった。その後エリザベスに支えられながらトァクという組織の使命を帯びていき、組織のリーダーになったという経緯を持っている。
全ての戦いが終わった後に、松本博士と共に生き残った(アニメ版では松本博士は死亡(前述))。人類とAIの共存を目指す松本博士とは対照的に、未だにAIに対しては否定的ではあることは変わらないが、ヴィヴィやマツモトの奔走やエリザベスを含む多くのメンバー達を戦いで失った(アニメ版ではエリザベス生存並びに殉じたのは彼女を凶弾から庇ったメンバー)経験を経て、AIに対する敵意は僅からながらも薄れている。