概要
2005年8月4日に発売された『パワポケ甲子園』に次ぐ、同シリーズの外伝作品2作目にあたる。
外伝として発売されたが、野球に特化したパワポケ甲子園とは異なり、「サクセスモード」が存在する。また、表サクセスのストーリーはシリーズ全作品の表サクセスとつながっている。
表サクセスは(親父ボール編)。裏サクセスは(地獄ダンジョン編)いわゆるローグライク形式のゲームである。
パワプロクンポケットRの早期予約特典扱いで配布された。
親父ボール編
あらすじ
父親と共にモグラーズの試合をスタンドで観戦する小学一年生の主人公。しかし、水木の打ったホームランボールが父親の頭を直撃。意識を失った父親の横で泣き叫ぶ主人公。その時、目の前に野球仙人が現れ「本来死ぬはずの父親を助けたければ五年以内に少年野球の全国大会で優勝するように」と告げる。ボールに魂を吹き込まれた父親を助けるため、主人公は奔走することになった。
主要人物
主人公(しゅじんこう)
歴代最年少となる主人公(パワプロシリーズ含む)。ボールになってしまった父親を元に戻すために少年野球の全国大会で優勝を目指す。過去に飛行機事故に遭っており、母である静香を亡くしている。父親がボールになってしまうきっかけを作った水木を恨んでおり、突き放した態度をとる。しかし、後に父親から真意を聞かされ、水木とのバッティング対決を経て和解。プロの選手として水木に追いつくことを約束した。才葉零人とは小さい頃からの親友であり、ライバル。
実は虎造の実子ではなく、本当の家族は才葉家である。そのため、零人とは双子の兄であると同時に、さくらは実妹。まだ赤ん坊だった頃、台風に巻き込まれて才葉の元を離れてしまった。虎造と静香は偶然、川に流される彼の姿を見かけ、拾い育てることにした。それを知らない彼は、虎造と静香を本当の両親と思いながら育てられたのだった。エンディングでは父が消滅した後、水木に引き取られ町を去った。正史では主人公が特定の条件を満たした事で野球仙人により特別に復活した虎造と再会を果たし、水木の養子として育つ事を選んだ。
裏サクセスでも主役を担当する。
無田 税(むだ おさむ)
主人公が所属する少年野球チーム「ガンバーズ」のメンバー。マニアの卵。父親からもらったグラブを愛用しているが、矢部のことは覚えていない。小学生の男の子らしく、女の子と遊ぶのを恥ずかしく感じており、わん子やさくらを邪険に扱っては主人公に叱られているが、主人公にさくらとのデートのアドバイスを求める等、内心はまんざらでもない様子。この時のアドバイス内容によって2章のシナリオが若干分岐する。閉鎖された『ダッシュ』公式サイトによると正史ではさくらと大恋愛中との事。ポジションは投手(主人公野手時)または捕手(主人公投手時)。なお、メガネ一族の中では最年少である。
ボール親父(ボールおやじ)/虎造(とらぞう)
水木が打った打球に当たった事によって死亡するはずだったが、野球仙人の力で一時復活し、その命をボールに吹き込まれることとなった主人公の父親。本名は虎造。主人公に対して様々なアドバイスをする。かつてはガンバーズの創設時のメンバーであり少年野球大会で優勝した経験がある。
水木、才葉秀人とはその頃からの仲であり小学校、中学校、高校、大学と一緒だった。水木とドラフトを競い合った間柄でもあったが、ある事をきっかけにドリルモグラーズ入団の機会を譲る。しかしそれが元で才葉秀人から逆恨みを買うようになってしまった。
当時、「流しの虎」というあだ名で呼ばれておりバッティングのパワーとセンスは水木以上とも。また、かつては水木とバッテリーを組んでいた。
最後は少年野球大会優勝前に野球仙人の出した条件を達成できず、主人公に出生の秘密を伝えこの世を去った。正史では主人公が特定の条件を満たした事で野球仙人に特別に復活させてもらい、主人公と再会を果たし、主人公を水木の養子にさせた。
また『パワポケ11』のアレンジチームではガンバーズの選手として登場(登録名は「オヤジ」、ウグイスコールは「オヤジボール」)。ポジションは捕手。
水木 卓(みずき すぐる)
モグラーズ(後のホッパーズ)の選手。身体にガタが来ているらしく、引退を考えている。オープニングでホームランを打つが、野球観戦に来ていた虎造にホームランボールを当てて事故死させてしまい、悲劇のホームランバッターとなった。虎造共々、かつてはガンバーズ黄金期のメンバーで妹を彼と結婚させたが、飛行機事故で妹が死亡した事がきっかけで、死なせてしまった元凶だと彼を憎むようになる。主人公とも仲が悪かったが、実際は主人公を発奮させようとそういう態度をとっていただけであり、後に真相を知った主人公と和解。
以後は主人公の叔父として親しく接し、EDでは父が亡くなり身寄りのなくなった主人公を養子として引き取った。
ガンバーズ
チームメイト
一堂 光(いちどう ひかり)
ガンバーズのメンバーで、主人公より2つ上の先輩。キャプテンを務める。さわやかで卒がなく、監督がパチンコに行ってしまっているときは探しに行くなどしっかり者である。高い能力を持つがシナリオの都合上すぐに引退してしまうため、活躍の場は少ない。
卒業する際は、羽柴からの薦めもあり夏海にキャプテンの座を譲る。専用エンディングがなく、少々不遇な立ち回り。
ポジションは遊撃手、サブポジションは二塁手。
晴川 夏海(はるかわ なつみ)
ガンバーズのメンバーで、主人公より1つ上の先輩。硬派な性格だが実は女の子である。夏子という妹がいるが、それは嘘で合宿先の夜の風呂場で主人公に正体がばれる。男のふりをしていたのは本人が野球好きなので、女だからと特別扱いされるのが嫌だったため。親からは女の子らしくしろと言われており、野球していることはバレー教室に通っていると誤魔化していた。
一堂の後任としてキャプテンを務め、自身が引退する際には主人公にキャプテンを託す。ポジションは二塁手、サブポジションは三塁手。選手兼ガールフレンド候補の1人。『パワポケ10』では真薄の友人として再登場。
羽柴 秀虫(はしば ひでむし)
ガンバーズのメンバーで、主人公より1つ上の先輩。一見悪そうに見える風貌だが、昆虫が大好きで自然を大切にしている心優しい少年。一人っ子で、小さい頃は虫だけが友達だったという。カブトムシやクワガタムシに関しては、デパートなどで見飽きたらしい。
夏海の正体が分かった時には、少し好意を寄せる描写が見受けられる。ポジションは一塁手、サブポジションは遊撃手。夏海と同じく『パワポケ10』で真薄の友人として再登場。
小野 玄空(おの げんくう)
ガンバーズのメンバーで、主人公とは同級生。お坊さんの息子。オカルトに興味があり、法術も少し使える。お節介焼きな性格であり、強引に主人公の悩みを聞くこともしばしば。遊び半分で野球仙人を召喚することもある。
ポジションは三塁手、サブポジションは捕手。
明智 五郎(あけち ごろう)
ガンバーズのメンバーで、主人公とは同級生。非常に頭が良い。母親のせいで練習になかなか参加できずガンバーズをやめようとしていた。しかし、毎朝ランニングをすることで父親に「一つのものに熱心に取り組むのはいいことだ」と言われ練習に復帰する。
UFOが好きで時間があれば空を眺めている。夢はUFOに乗って世界の始まりを知ること。毎晩主人公と一緒に夜空を眺めていると、ある日に本物のUFOを発見する。しかもそれが空き地に着陸し、中にいた宇宙人と出会う。しかし、火星人と名乗るその宇宙人は、どう見てもただのオッサンな風貌でガッカリする。多少疑心暗鬼ながらもUFOに乗りたいという願いを叶えて貰おうとしたが、地球と宇宙では時間の流れが違う(宇宙の10分は地球で100年)ので家族を悲しませるなと断られてしまう。ならば5分後(地球での50年後)に旅立つ用意をしているのでまた来てくれとお願いするが、今度はUFOは夢を持つ子供にしか見えないと言われてしまう。
関係があるのか疑問を持つ彼だったが、火星人の超弦理論の説明により納得し、大人になっても夢を信じ続けると誓い、火星人との再会を約束した。
ポジションは外野手。
二ノ宮 金太(にのみや きんた)
ガンバーズのメンバーで、主人公とは同級生。実家は八百屋で、時々店を手伝っている。気さくな性格の持ち主だが、虫を殺して遊ぶなど、子供特有の無邪気な残酷さを持つ。しかし、ルートによっては更生する。ポジションは外野手。『パワポケ11』において19歳の時に溺れたネコを助け溺死する。しかし、その死は(間接的ながら)デス・マスの生き方を大きく変えることになる。
徳川 三太夫(とくがわ さんだゆう)
小学生とは思えない怪力を誇るのんびり屋の小学生。相撲取りを目指している。主人公がじゃんけんして勝てば、ガンバーズに入団する。ポジションは投手、または捕手。捕手時はサブポジションで外野も守れる。
真薄 牡丹(まうす ぼたん)
足が早いことが自慢の小学生。以前はサイバーキッズに所属していた。人見知りが激しく、なかなか友達が出来ずにいたが、主人公がガンバーズにスカウトすることによって主人公と友達になる。ガンバーズに入っても相変わらずの性格だったが、主人公の説得により自ら友達を作る決意をした。それも最初は上手くいかなかったが、遂に友達を作ることに成功する。
しかし今度はカンケリで鬼ばかりやらされ、自分はいじめられているとイジけてしまう。その後、主人公の活躍によって納得しようとするものの、アルバムでは結局、主人公だけが友達という結末となってしまう。
ポジションは投手、または外野手。苗字は「マウス」から。
芽森 わん子(めもり わんこ)
犬のような風貌をしている女の子。仕草や言動も犬に似ているが、本人は人間であると主張している。だが、デート内容もフリスビーや散歩などであり、プレゼントも犬用ガムやビーフジャーキーなどである。また、小学校には通っていないらしく、住んでいる場所は空き地であるかのような描写がある。
最初はサイバーキッズから主人公達が所属するガンバーズに移籍。足が速く、才葉さくらとはとても仲が良い。
ポジションは外野手、サブポジションは二塁手。選手兼ガールフレンド候補。二つの結末があり、好感度が低い場合は遠くの中学校に行くと言い、主人公に別れを告げ、誰にも看取られずひっそりとその生涯を終えてしまう。
好感度が高い場合は、主人公に看取られながら命を落とし、その正体はやはり犬だったということが判明する。元は捨て犬であり才葉家に拾われて飼われていたが、ある時交通事故により瀕死になってしまう。その際野球仙人に助けられ、人間と犬の中間の生き物として復活することができたが、その命も一時的なもので、小学生のうちに全国大会で優勝できなければ死んでしまうという運命であった(地方大会はゲームシステム上、絶対に優勝することができない)。チームメイトとの別れの時、および主人公との最期の別れの時には語尾に「ワン」と付けることなく普通に話せるようになっており、そのことを、本当の人間になれたんだと喜びながら消えていった。
今までの彼女候補と違い、グッドエンドが存在しない。苗字はコンピューターの記憶装置を指す「メモリ」から。
才葉 さくら(さいば さくら)
零人の妹で年齢は主人公より1歳下。多くの恋愛をしたいと思っているおませな女の子。口癖は「うにゅー」。サイバーキッズに入るつもりだったが仲の良かったわん子が出て行ってしまったことや、無田に一目惚れしたのをきっかけに一堂の卒業後、ガンバーズに入る。無田の選択肢によって展開が変化し、無田と別れた場合は主人公と付き合うことになる。
選手兼ガールフレンド候補の1人であり。ポジションは遊撃手、サブポジションは外野手。なお零人の登録名の都合から、登録名は苗字の「才葉」ではなく「さくら」。
主人公と恋が芽生えた場合、イベントが進むと虎造から謎の妨害を受けるようになる。実は彼女は零人の妹であると同時に、主人公の実妹でもある。主人公の出生の秘密に気づいた場合、エンディングで主人公は彼女を気遣い、わざと喧嘩して真相を語らずに彼女の前から去る結末となる(気づいていない場合は喧嘩別れすることはないが、お互いがボール親父の意図を気にして関係が終わる)。アルバムでは失恋を期に髪を短くして、今日から生まれ変わると宣言した姿が見られる。また、喧嘩別れをしていない場合のエンディングでは無田とまた付き合うつもりらしい。わん子同様、グッドエンドが存在しない。
苗字は「サイバー」から。
ライバル
才葉 零人(さいば れいと)
主人公の親友で、かつライバルでもある。父が監督を務めるチーム「サイバーキッズ」のエース。超小学生レベルの実力を持ち自信過剰な部分もあるが、妹思いな一面もある。だが少々シスコン気味で、無田と付き合うのは反対しており、逆に主人公との交際は応援している。かなりもてるようでバレンタインデーの日に一人では食べきれないほど、チョコレートを貰っている。
最初の頃は父親の言うことを多少なりとも信じていたが、サイバーキッズがガンバーズに負けたとき、試合前の約束を守らない父親に困惑する。あくまでデータに拘り人を見ようとせず、金の力で解決しようとする父親の姿に失望してゆく。息子と娘の気持ちが理解できていない父親に「父さんの料理が食べたい」ときっかけを作るも、サイバーキッズのチームメイトがいない大変な状況の中で、悠長にデザートを作っている父親に対し大激怒。それがきっかけで家が火事になり焼失。友達の部屋に居候することに。
しかし、それでも野球への熱は失われてはおらずリトルガリバーズのエースとなり、全国大会決勝戦で主人公の前に再び登場し勝負を挑む。敗北後は日本プロ野球で戦うことを主人公に約束しアメリカへ野球留学。アルバムでは大リーガーとなっている。実は主人公の双子の弟なのだが、主人公が最後までその事実を話さなかった為に知る事が無かった。
ガールフレンド候補
小学生なので、「彼女」ではなく「ガールフレンド」である。
南雲瑠璃花(なぐも るりか)
真夜中に主人公の隣の部屋に突然引っ越してくる女の子。性格はクールだがいわゆるツンデレ。料理が苦手だったが、主人公のおかげでだんだんと上達していく(「料理の腕前」という彼女専用の隠しパラメータがある)。実は夜逃げしている身であり、社長であった父親が会社を乗っ取られて借金を残し病死。元々住んでいた一軒家にいられなくなったために引っ越してきた。この時に事情を知った前の学校の友人たちは皆離れていってしまったと語っており、夜逃げ後も事情がバレて友人が離れてしまわないように、わざわざ前の家の前まで回ってから登校していた。だが、主人公の助言で(表向きは母親の助言で)立ち直り、主人公と一緒に直接登校するようになった。
この父親の借金のうち、本来返すべき金は返しているものの、イベント終盤で借金取りの無茶な取立により危険な目に遭う。そこに居合わせた主人公が、借金取りに彼女をかけた約束(全国大会の優勝)をすることになる。その借金取りは過去に野球には思い入れがあったようで、主人公の話に乗る。大会で優勝できるかどうかでこの後の展開が変化する。
約束を果たせなかった場合、母親と彼女はどこかの島へ連れて行かれてしまう。バッドエンドのアルバムでは一見平穏無事に生活しているように見える手紙を送ってくるが、この手紙には縦読みが仕込まれており、縦から読むと「早く助けに来て」と書かれており、生活面は大変苦労していることが分かる。主人公はこの手紙を読んで将来必ず迎えに行くと決意する結末となる。約束を果たすと借金取りは南雲家から取り立てるのを止め、彼女の父親の会社を乗っ取った人物から取り立てる方針に変更。借金問題は解決して元の一軒家に戻れることになり、会社も母親が引き継いだことから、身辺の無事も保障されるようになった。
主人公が町を出る時に「今度は私があなたの力になる」と決意し、それを伝えているが、アルバムではその後すぐに水木の家の近くに自分が引っ越し、主人公を支えるという結末となる。
才葉さくら(さいば さくら)
ガンバーズ関係者参照。
芽森わん子(めもり わんこ)
ガンバーズ関係者参照。
晴川夏海(はるかわ なつみ)
ガンバーズ関係者参照。
比奈鳥青空(ひなとり そら)
ライバル参照。
隠しガールフレンド候補。ポイントで「彼女」を買うと空き地に出てくる女の子。ある秘密がある。主人公の練習を見に来る。彼女とは自分が決めた週に毎回会うことを約束するため、約束した日以外には会えず、また一度でも約束を破ると二度と会えなくなる(連続イベント終了後は除く)。バレンタインデーも知らないほど世間には疎い(しかし、ゲームクリエイターという職業については普通に知っていた上に、「女の子がみんなお嫁さんになりたがっているという考え方は女性を家に押し込めているみたい」と、妙に時代相応な発言をする)。
一緒に遊ぼうとはせず、主人公の野球している姿を見ているだけでいいと言う。一度は隣町に行こうとしたものの空き地を出てすぐに倒れてしまった。
だんだんと積極的になる主人公に少し不安げになってゆき、無田に一緒に居るのを目撃されて照れる主人公を見てある確信を持つ。そして、いつしか主人公の前から消える。その正体は空き地にある桃の木の精。