概要
「ライ(lai)」はベトナム語で混血、「ダイハン(Đại Hàn)」は大韓(韓国)のベトナム語読みである。
文字通りには韓国人の血を引く混血児、すなわちベトナム人と韓国人の両親を持つベトナム人という意味であるが、実際のところはベトナム戦争時の韓国兵や韓国出身の民間人とベトナム人女性との間に生まれた子供という意味に限定して用いられる語である。
混血児=強姦によるものというスタンスは間違いである。
米軍は戦争など軍事的な必要性からアジアの各地に駐留し、米軍に所属する人々の中には駐留先で現地妻をつくるような人がいて、その結果混血児が生まれることがある。
ベトナム戦争に参戦した各国の軍人や軍属にはローテーションで後方での休養が与えられたし、もとから後方勤務の者もいた。
後方で過ごす軍人や軍属の中にはベトナム人の現地妻を持つ者も多くいた。
そうして出来た子供たちは南ベトナムからの米韓豪連合軍の撤退によりベトナムに取り残されベトナム社会で「敵の子」として迫害され、父親に置き去りにされた彼らはストリートチルドレンになることもあった。
これが混血児問題の主流である。
ただ、ベトナム戦争では米兵や韓国兵による性暴力の記録が多数あることを考えると、性暴力によって産まれた混血児は0とは言い切れないということも頭に入れておくべきだろう。
ベトナム戦争について、2001年8月23日に金元大統領がベトナムとの首脳会談の際に謝罪表明し、300万ドルほど投じて病院や学校を建設という形で賠償の形をとっている
条約を結ばなかったのは、「一度や二度の謝罪では済まされることではない、これからも継続していく」という金元大統領の考えからである。
しかし、李明博元大統領や朴槿恵元大統領は、この謝罪に対して否定的な態度をとっている。
日本の保守系メディアでライダイハン問題がよく取り上げる一方でベトナム政府の支援や謝罪要求などの動きは鈍い。
文在寅大統領が公式の謝罪を出そうとした時には水面下での交渉で取り下げることとなった。
これは韓国がベトナムの経済的パートナーであるため関係を悪化させたくない事もあるが北ベトナムが行った戦争犯罪(例えばベトコン、南ベトナムではベトコンの攻撃により民間人が犠牲になった、また正規軍の格好をしないため民間人がベトコンと見なされ虐殺事件が起きた)や戦後の弾圧(インドシナ難民)、独裁政治など政府への批判を避ける思惑がある。