日之本進
ひのもとすすむ
概要
本編の主人公で、タイトルが示す「パパ」とは彼のこと。高校の数学教師だったが、仕事にかまけて家庭を顧みず、妻のパチンコ狂いと浮気に気付かず逃げられてしまう。妻を追う中でパチンコに嵌ってしまい、学校を解雇されてからは自称パチプロとなり、どんどん人の道を踏み外していく。一見すると明るく人情味あふれる性格のように思われるが、どこか自分勝手で自分の失敗から目を逸らそうとする傾向にある。
人の好さそうな風貌に反し、
- 借金取りの元に押しかけ無理やり手伝う
- 借金している親の子が通う学校に押しかけ親の借金を吹聴する(自殺未遂にまで追い込んでしまい流石に後悔した)
- 泊めてくれた息子の担任の女性教師(処女)をレイプする
- 金持ちと再婚しようとする元妻に息子を300万円で売り飛ばす
- 気の良い弁当屋の亭主をパチンコに嵌まらせて家庭を崩壊させて地上げに協力する
などなど、その非人道的な悪行は数知れず。
だが金を回収する才能はプロである借金取りが一目置く程。
肝心のパチンコ戦績に関しては、一時的に大金を得ることもあるが、基本的に負け続けており、「パチンコで蔵が立った奴はいない」と自ら口にするほどパチンコの不合理さを十分に自覚している。しかし悪運が強く、こことぞという時で小勝ちを拾って延命してしまい、却って依存症を悪化させることになる。
父親は学校の校長。彼も教師だった頃は熱血漢で生徒思いだったらしく、卒業生からは今も慕われている。塾講師としての仕事もそつなくこなし、塾生からも慕われていた点から教育者としての適性は高かったと思われる。しかし、パチンコ中毒後は彼を心配した卒業生達が更生を願ってカンパしてくれた金をパチンコに注ぎ込むほど、控えめに言っても人間のクズと化した。
また、パチンコに狂うと共に人間としても一線を超えているような印象があり、ヘラヘラと締まりのない笑みを浮かべながら悪行を重ねる姿はサイコパスじみた空恐ろしさすら感じさせる。
物語の途中で何度も更生を図るが、ある時は不運、ある時は人の悪意、またある時は意思の弱さのため、毎回クズに戻ってしまう運命。度重なる苦難の果てに改心し、最終回は復縁した妻や家族と一緒にパチンコ店の無い田舎で暮らし始めるのだが…。
年齢は第1話時点で34歳。生年月日は第20話の離婚届の表記によると昭和43年1月28日。ただし59年度の卒業生を担任したというシーンがあり、年代には設定ミスがあると思われる。
なお紙書籍版では「昭和33年1月28日」に修正されている。
作者インタビューより
作者・ありま猛曰く、進のモデルは師匠の一名であった漫画家の故あだち勉氏をベースに、自分自身のパチンコ中毒経験を交えて作られている。また、進に前述のような非道をやらせ続けた背景には「依存症を描くのに、お情けをかけちゃいけない」という考えによるもの。
妻のNTRシーンや女教師強姦シーンについては「自分で描いてても嫌」だったそうだが、同時に「僕の絵で興奮する人もいないだろうし(笑)」という計算もあったとか。(作者インタビュー記事)