概要
「Uncanny X-MEN」120号(79年)で初登場した、カナダのヒーローチーム。
元々は、ウルヴァリンが過去に在籍していたというヒーローチームであったが、その詳細は当初は語られず、バックストーリーの一部として名前が出るのみだった。
後に83年から94年まで単独誌が作られ、連載される。
しかし、人気は低迷。その他にも諸々の事情で、復活しては短期シリーズで終了という事を繰り返している。
後に2004年に再スタート。2007年に、タイトルを「オメガフライト」としてリランチしている。
内容
X-MENのウルヴァリンこと、ローガンが過去に所属していた、カナダのヒーローチーム。
いわばカナダ版アベンジャーズとも言えるチームであり、カナダ政府の国防省の一部門「デパートメントH」に属している。つまりは、公務員ヒーローチームとも言える集団。
チームメンバーは、X-MENおよびアベンジャーズ同様に、様々なパワーを持ったヒーローたちであるが、必ずしもミュータントではない。
二軍・三軍の訓練チーム「ベータフライト」「ガンマフライト」が存在し、それらを卒業する事で、実戦の一群チームであるアルファフライトに参加する資格を得られる。
チームメンバーのほとんどが、カナダの伝承や伝説のような、カナダそのものを象徴とするパワーを有している。
科学者のジェームズ・ハドソンをリーダーとしており、彼の妻ヘザーもチームの一員(ローガンは、人妻であるにも関わらず、ヘザーに横恋慕した事があった)。
メンバーは『X-MEN』や『アベンジャーズ』にも出演。
テレ東版アニメにも一エピソードに登場している。
ゲイのメンバーがおり、近年オバマ大統領政権時に合わせて結婚式が披露された。
メンバー
第一期メンバー
- ガーディアン
本名ジェームズ・マクドナルド・ハドソン。
リーダーで科学者。自作の強化スーツを着て、磁場操作および飛行能力を発揮する。スーツはカナダの国旗を模している。
- ヴィンディケーター
本名ヘザー・ハドソン。
ジェームズの妻。同じく科学者で、ジェームズが死んだ(実際には行方不明)時に、同じくスーツを着てリーダーとなった。夫と同様の能力を持つが、常人故にあくまでスーツの機能で戦っている。
ローガンに思いを寄せられていた。
- マリーナ
本名不詳。水陸両生の女性。ベータフライトから昇格してアルファフライトのメンバーとなった。水中でも活動できる。
宇宙からの侵略者・プロデックスの一員だった。
- ノーススター
本名ジャン・ポール・ボービエ。高速移動および、発光能力を持つミュータント。
マーベルコミック史上初の、バイセクシャルを公言したキャラでもある。
- オーロラ
本名ジャンヌマリー・ボービエ。ノーススターの双子の姉。総合失調症を患い、弟同様に高速移動が可能。その他に、飛行能力と分子加速能力を持つ。
- パック
本名ユージーン・ジュド。バクダッドの魔剣「ブラックブレード」の呪いにより、ドワーフのような筋肉質の矮人に身体が変化してしまった。怪力と優れたアクロバット能力を有する。
- サスカッチ
本名ウォルター・ランコウスキ。科学者だが、変身能力を持ち、カナダの伝説の獣にしてUMA「サスカッチ」を思わせる毛むくじゃらで巨体の獣に変身できる。当初は太陽フレアの関係から、ハルク同様にガンマ線の影響を受けたため……という設定だったが、後に「元から神話や伝説上の怪物だった」と設定変更されている。
- シャーマン
本名マイケル・トゥーヤングメン。カナダの先住民のメディシン・マン(指導者)。熟練の医師にして、魔術師でもある。
魔術を用い戦う。
- スノーバード
「ナルヤ」として知られる、カナダ・イヌイット族の半神である女性。シマフクロウなど、カナダの様々な野生動物に変身が可能。
第二期メンバー
97年のシリーズでは、大部分のメンバーを入れ替えている。
- フレックス
本名エイドリアン・コルボ。手足を鋭い兵器に変化させる能力を持つミュータント。
後述するメンバー、ラディウスの異母兄弟である。
―マンボット
本名ベルニエ・レチェナリー。人間、あるいはボックスが製作したロボットサイボーグである。
- マーマー
本名アレッタ・トルフェット。ケベックシティ出身のミュータント。マインドコントロールとテレポーテーションの能力を持っている。
- ラディウス
本名ジャレッド・カルボ。力場を発生させる能力を持つミュータント。
- ジェネラル・クラーク
デパートメントHの邪悪なる新たな指導者。チームを取り巻く闇の計画の多くの黒幕。
復帰メンバーは、ヴィンディケーター、ガーディアン、パックの三名。
ヴィンディケーターことヘザー・ハドソンは、新コスチュームと、地熱に関するパワーを得た。
ガーディアン=ジェームズ・ハドソンは、若返って登場。後に、オリジナルのジェームズのクローンである事が明らかに。
また、日本人ミュータント・サンファイアも、身体の不自由を治療する方法を探しながら、短期間だがメンバーになっていた。
第三期メンバー
2004年から再スタートした新シリーズのメンバー。今回は、サスカッチがスカウトしている。
- センテニアル
本名ルザフォード・B・プリンストン3世。97歳。超人的な怪力と不死身と飛行、熱を見る能力を持つミュータントである。サスカッチによって昏睡から目覚めさせられた。
- メジャー・メイプルリーフ
本名ルー・サドラー。第二次世界大戦時に活躍した同名のスーパーヒーローの息子。実は、スーパーパワーを有する馬を駆る普通の人間である。
- ネメシス
本名アメリア・ウェザリー。かつてのアルファフライトの敵であり味方。飛行能力を持ち、魔法の剣の使い手でもある。
- パック
本名ズージャ・ユ。第一期および二期のパックの娘。超人的な怪力とスピードと俊敏さを持っている。
- ユーコン・ジャック
「Yukotujakzurjimozoata」の名でも知られる、原始的部族出身のミステリアスな男。彼の父親に金を渡し、サスカッチが雇った。サスカッチ同様に、超人的な強さと耐久力を備えたビッグフットに変身する事ができる。
※オリジナルメンバーは、サスカッチの他、6号よりガーディアン、ヴィンディケイター、パック、シャーマンが帰還している。
オメガフライト時メンバー
「ニューアベンジャーズ」#16号で、七人のアルファ・フライトのメンバー(サスカッチ、ガーディアン、ヴィンディケイター、シャーマン、メジャー・メイプルリーフ二世及び二人のパック)は、ヴィラン、「コレクティブ」の攻撃を受ける。
コレクティブは、人間に宿る能力を持ち、当初は米国の郵便局員マイケル・ポインターに宿っていた。コレクティブは続いてアメリカに渡り、ユーコンテリトリーで彼等の身体から離れた。この事件の後、アルファフライトは全滅。確認された生存者はサスカッチだけだった。
2007年四月に、アルファフライトは短期シリーズ『オメガフライト』としてリランチする。
シビルウォーの登録法施行の結果、ヴィランや登録反対派が国境を越えてカナダへ逃亡するケースが増加。
そしてアルファフライトも全滅しており、カナダ政府には対応が難しくなった。
ここからアイアンマンが、アメリカからヒーローを送り、アメリカとカナダ合同チームとして編成している。
以下、メンバー。
:カナダ組
- サスカッチ
グループの勧誘者及びリーダーとして登場。
- タリスマン
本名エリザベス・トゥーヤングメン。シャーマンの娘。父親同様に魔術を用いる。
- ガーディアン
本名マイケル・ポインター。ジェームズ・ハドソンこと初代ガーディアンのそれに似たスーツを身にまとう。
:アメリカ組
当該記事参照。
- アラクネ
本名ジュリア・カーペンター。元は二代目のスパイダーウーマン。政府組織の実験で能力を得た。後にマダム・ウェブ二代目になる。
- ベータ・レイ・ビル
本名同じ。異星人(コルビナイト人)であり、肉食獣のバイオサイボーグボディを持つ。ソーのハンマーを持ち上げられる高潔な人物。ロキから魔術を賜った小悪党グループ「レッキングクルー」を追って共闘。そのため、正式メンバーでなく名誉メンバーである。
なお、この後にアベンジャーズ対X-メンの事件を受けて、再結成された。
以下、メンバー。
- ヴァリデーター
- ボックス
- キングダム
- ウェンディゴ
※なお、「オメガフライト」の名称は、84年及び92年にアルファフライトを倒そうとするヴィランが結成した、ヴィランチームにも用いられている。
余談
相対するヴィランは、その多くがカナダに拠点を置く者たちである。