概要
2021年11月に南アフリカで確認された新型コロナウイルス変異種、ギリシャ文字のオミクロン(ο)で分類。同月下旬には懸念される変異株(VOC)に認定された。
※これ以降は、2021年11月29日時点で判明していることをもとに執筆した。不明点も多いため、状況に応じて加筆・修正をしていただけるとありがたい。
特性
未だ不明な点が多いものの、2021年11月29日時点では、変異箇所は全部で32カ所と過去最多、そのうえ、そのうちいくつかの箇所では今までの変異株に存在しない新規の変異が確認されている、ということが判明している。また、この変異株はデルタ株以上の感染力を持ち、ワクチンの効果を下げる可能性があるという指摘もある。
こうした特性から、デルタ株以上に厄介な存在ではないかと危惧されており、それゆえ、オミクロン株の登場は、脱コロナ禍に向けて動き出していた世界各国に大きな衝撃を与えた(影響は後述する)。
とはいえ、現時点ではまだ不明点が多いため、今後の報道等を注視していただきたい。
オミクロン株登場の影響
オミクロン株の登場は、脱コロナ禍に向けて動き出していた世界各国にも大きな衝撃を与えた。
ヨーロッパ諸国では、デルタ株の感染再拡大に加えてオミクロン株までも登場したことにより、脱コロナに向けて段階的に撤廃してきたコロナ対策のための規制を再度導入する動きが出ている。
また、オミクロン株流入を警戒した各国は次々と検疫の強化・入国制限といった水際対策強化の動きも見せており、日本もその動きに追従する形で、2021年11月29日に「11月30日から当面の間、外国人の新規入国を原則停止する」という方針を示した。
また、オミクロン株の登場は回復基調にあった世界経済にも多大な影響を与えた。実際に株価は軒並み下落し、前日まで値上がりが続いていた原油価格さえも暴落、2か月半ぶりの最安値を記録するといった現象が見られた。
余談
飛ばされたν(ニュー)とξ(クサイ)
この記事でまとめられているオミクロン株の直前に当たる変異株はミュー株であり、ギリシャ文字のν/Ν(ニュー)とξ/Ξ(クサイ)が飛ばされている。これについてWHOは公式には理由を明かしていないものの、巷ではν(ニュー)は“New”と混同する可能性があるから、ξ(クサイ)は某国国家主席の名前を連想するから使用が避けられたのではないかなどと噂されている。
尾身クローン
オミクロンという名称が決定した際、日本国内では「オミクロン株ならぬ《尾身クローン株》じゃないか」とツッコまれ、若干話題になった。
なお、ここでいう「尾身」とは2021年現在、新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長として知られる尾身茂氏のことであると考えられる。
日本国内では、「ξ(クサイ)が某国国家主席に配慮したために飛ばされたのではとするなら、なぜ尾身氏には配慮しなかったのか?」といったツッコミも見られた。