概要
COVID-19 の病原体ウイルスSARS-CoV-2の変異型の一つ。
インドを中心に広がったことから「インド株」と呼ばれていたが、2021年6月よりこの呼称となった。ただしNHKは従来通り「インド型変異ウイルス」と称している。
特徴
基本的な性質は大元のウイルスと変わりがないが、特筆すべきはその感染力の強さである。
従来、若年層には感染しにくく高齢者で悪化しやすいとされていたCOVID-19であるが本変異株は若年層にも強力に感染し重症化すると言う大きな違いがある。
このため、従来株が主流だった時期の「ここまでなら大丈夫だった」という経験が油断を招き感染する事例が多くなっている。
これにより世界各国でもコロナワクチンにより一旦は収まりかけていた感染者数が再度爆発すると言う事態が頻発している。
日本でもワクチン接種の医療職・高齢者への接種が大方進みつつあった時期に広まり、丁度学生の夏休みや帰省シーズン、部活の大会時期と重なったこともあり30代以下を中心に爆発的な増加を招いており、「陽キャ殲滅ウイルス」という呼び名すら出てきている。
特に人口密度が高く夏に接種が遅れていた東京23区では大半以上がこのデルタ株に置き換わり、若年層の遊び人が多い世田谷区と新宿区を中心に2021年夏爆発的な感染者増加を招いた。
また、世界各国でも反ワクチン運動家が罹患する事例が増えている。
このような運動家はワクチン拒否のみならずマスクなどの対策も拒んで同類と三密な集会やデモを開くことが多いためともみられ、日本でも反ワクチン運動家の思想に同調し集会にも参加していた落語家の三遊亭多歌介が感染し10日たらずで亡くなっている。
ワクチンを2回打っていても感染する「ブレイクスルー感染」も報告されており、各製薬会社でもデルタ型対応のブースター開発を急ピッチで進めており「3回目接種」についてもイスラエルで先行、日本でも2021年末に医療職を対象に行われる。
詳細は不明だが、従来株よりも接種率を上げないとデルタ株対応の集団免疫の壁が作れないのではとも言われている。
なお、日本国内限定ではあるものの、2021年9月下旬ころから急激に感染者数が減少し、同年10月には全国での感染者数が3桁に抑えられるレベルにまで鎮静化した。ただし、理由は不明である。
とはいえ、世界では11月頃から再びデルタ株による感染再拡大が起きているうえに、デルタ株以上の脅威ではないかと警戒されているオミクロン株までも登場するといった事態になっているため、引き続き基本的な感染症対策を徹底してほしい。
なお、2021年の年末から徐々に感染者数が増加しつつあり、2022年1月には感染者数が激増したことで、オミクロン株を中心とした感染第6波が本格的に始まった。
感染第6波の主流な変異体とされているのはオミクロン株であるが、その陰でデルタ株の感染者数も着実に増加しており、2022年2月5日時点では第6波感染者の約10%がデルタ株に感染しているという報告もあるので、油断は禁物である。しかし、オミクロン株は感染力こそ桁違いに高いもののデルタ株と比べると重症化率が低いことや、国民の大半がワクチン2回接種済みであること、オミクロン株がデルタ株を駆逐したと錯覚されかねないような報道がされてしまっていたことなどの理由から、つい油断して感染症対策が疎かになりがちなので注意してほしい。
改めてになるが、オミクロン株感染拡大の陰でデルタ株の感染者数も着実に増加しているので、くれぐれも油断せず、引き続き基本的な感染症対策を徹底してほしい。
ただ、2022年春以降は感染の主流がオミクロン株に置き換わったことに伴い、かつて我々を苦しめたデルタ株自体はほぼ駆逐されたと見られている(もっとも、オミクロン株は感染力が異常に高いのでコロナ禍が終わったわけではないことには注意してほしい)。
予防法
基本的なコロナ対策の遵守をまず再度徹底することである。
コロナ禍の長引きにより気分のたるみで手洗いがちゃんとできていなかったり暑さからつい顎マスクをしてしまうものも少なくないが、再度基本の感染症対策を徹底しよう。
マスクはウレタンではなく不織布マスクを推奨。
上記の通り、「これまでかからなかった若者が次々とやられる」のが最大の特徴である。
大人数の飲食はお酒の有無や屋内外に関わらず、感染拡大地域では絶対にしないこと。
2021年の夏は各所で友人同士や親戚でのBBQ感染が頻発している。
少人数のお茶会や飲み会でも危ないと思っていい。
ライブやイベントも、感染対策がなっていないと見られるところには参加しないようにしよう。
また、ライブや同人誌即売会ついでの打ち上げやお茶会もしないこと。
コミックマーケット99では準備会からコミケ終了後会食の自粛が呼びかけられている。
外食はできるだけテイクアウトを利用してオンライン飲み会への転換をし、忘年会もなるべく大人数は避け、状況を見て中止やオンラインへの転換をすること、
バーベキューや流しそうめんなどの屋外飲食は同居している家族のみか、お一人様で行うこと。
12歳未満対応の日本国内承認済みワクチンは現在なく、小学生以下の感染も増えているため、子連れの帰省や感染拡大地域から出入りするレジャーも延期すること。
また、ワクチンも決して無駄ではなく「未接種の者よりも重症化リスクははるかに低くなる」という報告も多い。
体質的に受けられない場合を除き、可能であれば早くワクチンを受けた方が望ましい。
各自治体でキャンセル待ち登録などもやっているので、情報のアンテナを張り巡らしておこう。