概要
定期開催としては99回目となるコミケの事。
2021年12月30-31日に、東京ビッグサイトで開催された。
参加者は各日55,000人、合計110,000人。厳格な入場管理を行った為、過去例を見ない正確な数字である。
COVID-19感染対策に鑑み特殊な体制で開催され、特に政府のワクチン検査パッケージを導入した。開催時点で導入した最大のイベントである。
東地区と西南地区の2箇所に分けて入場し(ベルリンの壁と表現する参加者も)、当初は両地区の往来は出来ないが状況を見て可能とし、結果として両日とも往来可能となった(ベルリンの壁崩壊とも)。
ただし再入場はリストバンドを持っている地区の入場口からのみ可能。
閉会後の撤収作業時には東地区のリストバンドでも西南地区の入口(エントランス)から入場可能で、撤収のみ参加の場合は検温後撤収用のリストバンドが渡された。
下記の通り開催の見合わせや延期が行われてきたが、COVID-19感染が拡大し、緊急事態宣言地域の拡大ならびに期間の延長が発表された2021年8月2日に、12月30-31日の日程での開催が告知された。
また、コミックマーケット100の日程は終了時点で未定となっており、各状況を勘案しながら1月ごろに決定予定。
開催告知まで
当初は2020年12月29日～31日と3日間開催予定に戻る予定で、かつ東京ビッグサイトの全ホール（閉鎖される予定である青海展示棟を除く16ホール）が使用される予定であった。しかし、コロナウイルス(COVID-19)の世界的蔓延の影響で、東京オリンピックが2021年夏に延期となったため、東ホールが今後も当面使用できない状況であった。
7月12日、2020年冬の開催はしない事が発表され、コミケ45周年記念の代替オンラインイベントとして「エアコミケ2」が開催される。
2021年のゴールデンウィーク開催を目指しており、11月17日に開催告知が行われた（ただし、前述の通り、さらに延期されている）。
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99/C99EventDate1.html
当初は5月2日から5月5日までの4日間開催予定（西館と南館のみ）だったのだが、2020年12月20日に4日までの3日間に日程の短縮が発表された後、2021年3月8日に冬への延期が発表された。なお、前回と異なり、当落発表が行われておらず、カタログも発行されていないため、欠番となっていない。
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99/C99info.html
- 開催日程の短縮について
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99/C99Notice1.html
- コミックマーケット99の開催延期について
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99/C99Notice2.html
延期に伴い、共同代表の一人市川孝一が主催する『COMIC1』が4日に『COMIC1 BS祭 スペシャル』を開催する予定だった。しかし3度めの緊急事態宣言によってこれも延期となった。
ちなみに、5月開催予定だったコミケは#C99と表記し、12月に開催されるコミケは#C99Aと差別化している。
特にCOVID-19の状況に応じて絶えず変化の可能性があるため下記の開催概要を参照されたい。
https://www.comiket.co.jp/info-a/C99A/C99ANotice1.html
本来であれば東京オリンピック・パラリンピック閉会後、東館が再度使用可能となり、西館・南館と合わせて盛大なコミケとなる予定だったが、実際どの程度ビッグサイトを使用可能なのかは予断を許さない。
また、2021年夏にデルタ株蔓延で都内の感染者が急増したことやごく一部の夏フェスが無軌道な運営をしたとばっちりで、各地で大規模イベントへの医師会や自治体からの風当たりが強くなり様々なジャンルの大型イベントが中止になっている状況である。
また秋冬には諸外国でオミクロン株の蔓延もあり11月末に鎖国が実施されるなど社会の状況も先が読めない事態が続いており、これに備えてコミケ御用達の一部ホテルが冬の感染再拡大を見据え自治体借り上げになり宿泊先振替になる遠征予定組も相次いだ。
これらの事情からギリギリまで開催が可能かどうかも予断を許さず、直前に規定などが変更になる可能性も高かった。
規定
感染対策のため、会場内の移動や行動に関して細かい規定が設けられる。
逐次発表されるため公式サイトはマメにチェックしておこう。
もちろん会場内ではマスク着用が必須となっている。
終了後の打ち上げなどの会食は自粛するよう準備会から呼びかけられている。
入場券
一般参加者も事前に参加証の購入が必要となり、当日券販売は一切行われない。
チケットごとに入場可能時間枠が割り当てられており、それより前に来場しても入場できない。
通常よりも割増の料金で優先して入場可能な『アーリー』が導入された。
事前申込者のみの入場はおそらく晴海会場で最後に行われたコミケ(スペシャル)である『さよなら晴海』以来である。
入場者全員に身分証明書と後述のワクチンパッケージ関係証明書とチケットのチェックが行われるため、書類不備や転売チケット発覚の場合も追い返されたりドナドナされる。
サークル参加
見本誌にはビニールカバーをかけてこまめな消毒、声をあげての呼び込みは禁止。
食事は指定場所で行うことが推奨される。
サークルスペースも通常よりも間隔を空けて配置された。そのため平時のコミケとはナンバーと配置の感覚がズレた。
コスプレ参加
更衣室のソーシャルディスタンスを確保するため、利用時間は抽選の上指定される。
防災公園は本回では使用しないこととなった。また、エントランス前のコスプレ広場も設置されない。
東地区から入場すると必ず通ることになる東7ホールのワクチン検査パッケージを抜けてからの半分ほどがコスプレエリアとして使用されたため晴海時代を思い出す古参もいたとか。
(晴海ではC館に入場待機列を形成し、待機列解消後はコスプレエリアとして使用していた)
会場内の移動規制
混雑を避けるために、会場は東西２地区に分割して管理され、移動が制限される。
サークル参加者は東西の移動はできない。
一般参加者は東西それぞれの地区ごとに入場チケットが必要となり、東西の移動は混雑状況により可否が判定される。
ワクチンパッケージ
今回は経済と感染対策の両立を目指して行われている政府の技術実証に参加するイベントの一つともなる。
よって、「ワクチン・検査パッケージ」が導入されている。
参加者は一般、サークルとも「コロナワクチン２回接種の証明書」か、PCR検査結果証明の確認が必須となる。
体質などの都合でどうしてもワクチンが打てない人や１回目でアナフィラキシーを起こすなどして2回目を断念した人、予約が取れず間に合わなかった人は、PCR検査を受けるしかない。
手順などは公式で告知されているので見ておくこと。
ただしPCR検査の費用は自腹であるため、体質に特段の事情がないならばやはりワクチンを受けた方が早い。
コロナワクチン接種は一般向けの１〜2回目の接種が各自治体とも11月前後でいったんお開きになるところが多いため、コミケ参加予定者は極力11月中に一回めを受けること。
特にモデルナ希望者は「１回目を11月18日までに受ける」ことが必要である。
ファイザーワクチン希望者も12月2日までに１回目を受けなければ間に合わない。
コロナワクチンナビで空いている会場を探すか、自治体の告知をチェックしたり、キャンセル待ちなどを探して早く１回目を受けることを強くおすすめする。
ワクチン接種証明の書類提示は東京都のLINEアプリ「TOKYOワクション」でも可能。
ちなみに検温は『てのひらをかざす』→『額にかざす』→『腋の下に挟む』3段階で行い、どれか1つをクリアした時点で問題なしと判定される。何しろ真冬なのでてのひらなどは低温エラーが出るのである。
その後急激な感染拡大によりワクチン検査パッケージは一時停止された。コミケはうまく走り抜けたのかもしれない。
なお、若干名の感染者は確認されたが、コミケ会場での感染はなかったと考えられている。
その他
恒例のビッグサイトサービス発売のコミケグッズも今回は制作されなかった。
ヴィーナスフォートが2022年に閉館するためヴィーナスフォート営業中最後のコミケとなった。
有明ガーデン開業後初のコミケである。
懸案となっている徹夜組は見られなかった。
また、カタログ印刷で関わってきた印刷会社の撤退や中止となったC98で冊子カタログの大量不良在庫を生み出した影響もあってか、今回はカタログで冊子版やDVD版が存在しないコミックマーケットとなった。
開催日当時はCOVID-19の水際対策として入国規制を行っていたため、海外からの取材は皆無だった。
関連項目
コミックマーケット97→コミックマーケット98(開催中止)→エアコミケ→エアコミケ2→コミックマーケット99→コミックマーケット100
