概要
正式な製品名は「コミナティ筋注」。
ファイザーとドイツのビオンテックによる共同開発されたCOVID-19対応のワクチン。
mRNAワクチンの一種で、ざっくり言うと抗原を作るための設計図を細胞に渡す仕組みとなっている。
なおこのmRNA自体は数日で分解される。
超低温で冷凍保存する必要があり、接種の際には解凍し、生理食塩水で希釈して使う。
再冷凍はできず、解凍後は6時間以内に使用しなくてはいけない。
二回に分けて筋肉注射の形で接種し、この二回目の接種がブーストをかける効果がある。
期間は20日間開けることが標準とされ、二回目接種完了のの約1週間後から抗体が上昇する。
有効率95%と言うハイスペックぶりが世界を驚かせ、いち早く導入したイスラエルでは1日1万数千人以上の新規感染者を叩き出していたのが激減、その効果を知らしめた。
一方で超低温冷凍が必要かつ振動に弱いという性質から、電力やインフラの不安定な地域、治安の悪い国では扱いが難しい難点がある。
またその高い有効率から各国とも確保に苦心しており、割り当てが政治的な問題ともなっている。
日本では2021年2月に認可され、医療職への先行接種及びかかりつけ医での個別接種に主に使用されている。自治体の大規模接種でも使用するところがある。
現在のところ12歳以上が対象とされているが、11歳以下の接種に関しても諸外国で検証されており、アメリカではいち早く認可され2021年秋より5〜11歳への接種を開始。
日本でも2022年内には認可されるとみられている。
デルタ株などの強力な変異株に対してはやや効果が落ちるようだが、それでも未接種よりはマシである。
またファイザーもデルタ株対応のブースターを開発中である。
抗体がどれほどの期間維持されるかは現在も検証が続けられているが、人によっては半年強で低下しているのではないかという話もあり、3回目接種に関しての研究も行われている。
今後必要とされる接種ペースも検証が行われている。
接種を受ける上での注意
発熱などの副反応が起こることがあり、可能であれば接種予定日の翌日は休みを取っておいた方が良い。
また、アナフィラキシーを起こしたことのある人や重篤なアレルギーを持つ人は事前に医師に相談すること。
特にPGE(ポリエチレングリコール)アレルギー(化粧品アレルギーの一部がこれに該当する場合がある)持ちの場合は打てないこともある。
副反応は比較的若い年齢で出やすいとも言われているが個人差がかなり大きい。
副反応軽減のために電解質を取ることが望ましいと言われているため、スポーツドリンクを用意しておこう。
また、筋肉注射という関係上迷走神経反射を起こして具合が悪くなる場合もある。
失神などをよく起こしたことのある人も、かかりつけ医に相談して対策を仰ごう。
接種の作業を速やかに済ませるため、肩を出しやすい服装が望ましい。
上記の通り、接種してすぐに効果が出るわけではないので「ワクチン打ったから安心」とすぐに飲みに行くのはやめよう。
余談
mRNAは接種後体内で分解されるのだが、一部の陰謀論者が「遺伝子組み換えワクチンだ!」と騒ぎ、「5Gに接続されてしまう」「マイクロチップが仕込まれている」などという珍論をSNSなどで撒き散らす騒動もあった。
あまりのぶっ飛んだ説にギャグとして扱われ、先行接種を受けた医療関係者アカウントには「接種を受けたけど遺伝子組み換えで福山雅治にならないぞ!」「5Gに接続できないぞ!」と言ったジョークが多発した。
なお、この「5G接続」陰謀論がSNSでばら撒かれる際によく添えられていた「マイクロチップの回路図」は「ギター用のエフェクターの回路図」である。
またこのワクチンの接種に使う注射針は細い28G前後のサイズである為にマイクロチップなど入れられる訳もない。
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外部リンク
ファイザー社の新型コロナワクチンについて厚生労働省公式サイト