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概要

アルゼル共和国の六大貴族の一つ「フェーヴェル家」の次男。アルトリーベ2作目に登場する悪役であり、ゲームのシナリオ上である重要な役割がある。1作目のオフリー家伯爵令嬢と同じポジションで、こちらは所謂「馬鹿息子」のキャラ。

経歴

ちやほやされる留学生のリオンユリウス達を目の敵にして絡み、聖樹の誓いを強引に利用してアインホルンとアロガンツを強奪して怒りを買うが、実はロストアイテムには聖樹の力が全く通用しておらず、拘束などされていなかった。その状況を利用したリオンとルクシオンの寝返りの芝居による誘導もあり、策略に気付かないまま聖樹の苗木を巡る決闘の申し込みを受け入れてしまう。

本人はリオンを更に貶めようと、決闘に必要な鎧の調達ができない様に根回しの裏工作を行い、カーラを人質にするなど終始卑劣に徹したが、結局は掌の上で踊っているに過ぎず。結果、フェーヴェル家の領内を始めとした共和国はアインホルンの猛威に晒され、共和国艦隊は手も足も出せない屈辱を受けた上に壊滅的打撃を被る事態となる。さらに、ピエール自身も決闘で生身のリオン相手に鎧に搭乗していながらいい様にあしらわれる恥辱を受け、直後にルクシオンの種明かしでまんまと相手の罠に嵌められた事を知るが、時既に遅く惨敗して散々痛めつけられた挙げ句、悪用した聖樹の誓いを守れなかった事で聖樹の加護を剥奪された「加護なし」に落とされてしまう。

その惨めな有様をリオンから嘲笑され、道化呼ばわりまでされるが、最早悪態を吐くことも言い返すこともできず、耐え難い屈辱と絶望に打ち震え泣くことしかできなかった。

上記の出来事に加えて兄に対して下克上を狙っていた事もバレて怒りを買い、表向きには「自害した」とされたが、実際には地下に幽閉されて拷問を受けている模様。その後の去就は不明。

そして、この一件を切っ掛けに共和国の転落劇が始まるのだった。

人物

極めて性格が悪く、聖樹の加護を笠に着て横暴な振る舞いをする人物。

ただし、加護が無ければ地力は雑魚同然で、腐敗した六大貴族の見本と言っても過言では無い男。

上昇志向も強く長男である兄を蹴落として自分が次期当主になる野心を抱いており、あわよくばラウルト家の令嬢であるルイーゼも手に入れようとしていた。

宝珠を商人に横流しして私服を肥やしており、リオン達と対立を切っ掛けにホルファート王国と開戦して手柄を立てる事を目論むなど、性格は歪んでいるが出世への気概は高かった。

人間関係

家族関係としてはフェーヴェル家当主である父親ランベールと次期当主の兄が居るが、上述の通り下克上を狙うなど兄弟仲は悪かったらしく、ランベールの人間性も最低で、お世辞にも良い家庭とは言えない。

加護を持った貴族達は横柄な人物が多いが、それが特に酷かったピエールは学園で平民を相手に暴力沙汰を起こしたり、訪れた酒場で飲み代を踏み倒した挙句、店主が反発した事に腹を立てて店に放火するなど、とにかくやりたい放題していた為、周囲からの心証は最悪であった。それ故にリオンに惨敗して加護無しにされてしまった際には誰からも同情されず、それどころか喜ばれる始末で、陥れたリオンも「ここまでやって心が痛まない相手も珍しい」と評しており、彼がリオンの罠に嵌められた事を察したルイーゼも助けてやろうなどとは思わなかった。

余談

WEB版では当主である父親ランベールはリビアを暴行しかけた為、駆け付けたリオンに殺害され、屋敷ごと爆破されて遺体も燃えてしまった。

さらに、戦後の当主会議では担ぎ上げられる血縁者が居た他家と異なり、フェーヴェル家はプレヴァン家と共に当主不在で事実上の消滅となった事から、長男も戦争中に死亡した可能性が示唆されている。

また、問題を起こしたピエール当人も当主として担ぎ上げられなかった。

書籍版ではイデアルとセルジュに騙されたランベールがクーデターに荷担してしまい、フェーヴェル家の失墜が確実となったばかりか、元領地の一部をクーデター鎮圧に協力してくれたリオンへ割譲することが決定し、更なる屈辱を受ける羽目になった。