概要
主人公リオンの出身国。
アルトリーベ1、3作目の舞台。
その昔、6人の冒険者によって建国された王国で、貴族でも冒険者としての功績が求められるが故に領地貴族の強い力を持つ。
何故か他国と違い歪んだ形で女尊男卑文化があり、男性は20歳までに結婚しないと白眼視され出世の道はほぼ閉ざされ冷遇される。
しかも主に役人か軍人しか職種が認められないためモンスターや紛争・戦争・凶悪犯罪が多いため実質的に「戦闘で死ぬ」。
なので20歳を超えた男性の死亡率はかなり高く、寡婦が非常に多い。
なのだが、何故か女性優位で結婚出来るという歪な状態。(本来なら少ない男性側が選べる立場である)
更に悪辣なのが、女性優遇制度が多くまた王都に住まう事をステータスとしている為、まともに領地経営に協力しない当主妻が非常に多い。
さらに亜人種と人間で生殖が不可なので専属使用人という愛人を連れ歩いている上に贅沢三昧で、費用だけを男性に求めるという酷さ(シンプルに不倫、托卵も多い)
特に学園という貴族のほぼ義務の教育機関でそれらが刷り込まれ、男性というだけで奴隷のような扱いを受ける。地方貴族なら王都への縁が薄くさらに悪化する。
王国政府としては地方領主の力を削ぎ、王都に財を集めるのにこの流れは好都合である為、完全放置どころか助長してる始末。
例えば災害等で財政悪化などの理由であっても王都への在住の女性への仕送りが滞る、減るなどとしたら罰金を貸すなどである。
更に、家格に合わない領主を無理やり爵位を上げて税金等の負担を増大させてわざと財政難にするなど、
この為迫害を受け続けた地方領主貴族の王家への忠誠心は無いどころか敵意が持たれているので国家としては「軍事力で辛うじて纏まっているだけ」で不信と不義に敵意の蔓延により僅かなきっかけで国家として瓦解する危険を孕んでいた。
しかも地方領主はまともなインフラ、装備も整えられないくらい疲弊してる為、外国に滅ぼされる危険まで高まっている。
ファンオース公国との戦争を経て、数々の弊害が一気に表面化した為女性優遇は改められるが、それまでの反動から自分たちを虐げ続けていた女性達への恨みを溜め込み続けていた地方領主貴族の子息を始めとした一部の男達が増長する様になり始める等、根本に根付いた不信と怨恨により新しい問題が次から次へと発生して平穏には程遠い状態が続いている。
学園
男性の婚活の為に騎士家の多い普通クラスと爵位持ちの多い上級クラスがある。
普通クラスの女性は性格がいい者も多いが、上級クラスの候爵以下の貴族まともな女性が少なく、屑貴族の方が多い。
学園設立には国家の強さを貴族や他国に宣伝する理由の他に隠された目的がある。
その目的とはファンホース公爵の反乱、独立戦争により中央集権化を求めた過去の王政が「地方貴族の衰退」と「反乱抑止」の為に設立した機関。
貴族男性の職種が軍人と役人が主なのもこの為である。(要は人質を兼ねている)
また、平民の入学制度はいずれ「貴族制を廃止した国」を構築する為の人材の入れ替えを最終目的としている。
が、内乱を自ら招いているも同然の政策でありしかも地方貴族からの搾取を放置した結果、国としての発展性は失われファンホース公国とは技術格差が生じ、搾取され続けた地方貴族の装備水準は低く、戦意も脆弱。しかも淑女の森などの蠢動により若くして死亡する為「滅亡までのカウントダウンが始まっている」状態
そして、それはリオンがルクシオンという超武力を手に入れた事で一気に加速する。
ファンオース公国との戦争後、外患誘致を招いた為、専属使用人制度の廃止と屑貴族の大半が追放された上、虐げられた男子とまともな女子の学園婚活状況は改善された。
しかし、今までのツケにより婚約破棄騒動が巻き起こり今まで男子を虐げてきた女生徒の多くは「酷い世代」として全く嫁の貰い手がない状態で卒業している(特技でもあれば未だマシなのだが、何も出来ない)
そもそも、専属使用人と性的関係だった彼女らは酷く嫌煙されている。
また、男子側も立場が逆転したことで女生徒の本心は「自分が元いた立場」故に理解しておりかなり消極的。
それ故に、普通クラスの生徒が名家ゆかりの家に養子入りしてから結婚するという江戸時代の武家のような結婚も出てきている。(リオン曰く家名ロンダリング)
ギルド
冒険者組織。冒険者が手に入れたロストアイテムで建国したホルファート王国では男の権利を守れる実力主義の貴重な組織。王国の数少ない長所であった。リオンの身分が低いうちはこの組織が淑女の森やゾラからリオンの財産を守っていた。
地方領主貴族
浮島を持つ領主だが、女尊男卑社会で側室家族が屑な正妻に農奴のように搾取され続け、領地の発展は阻害され
さらには側室家族を死に追いやる上に、不倫は当たり前、托卵による乗っ取りが横行しており、それを組織的に行っている淑女の森などを放置する王国への不満が高まっている為、ホルファート王国への忠誠心は低い、というか無い。
機会があれば独立、もしくは「王家は滅べ」とさえ腹の中に憎悪を煮えたぎらせている。
エルフ
魔法を使う亜人種族の1つ。寿命が長い。ホルファート王国では専属使用人(奴隷)の愛人として人気がある。寿命の長いエルフにとって専属使用人は出稼ぎと同じである。
亜人は人と生殖不可能だが、稀に複数の魔力属性が融合した「混ざり物」と呼ばれる特殊個体が生まれる。
そういった突然変異のような個体は稀に人と生殖出来、生まれた者はハーフエルフと呼ばれている。なお、ハーフエルフの寿命は人間と同じで魔力を持たない。
その正体は、旧人類が作り出した魔素に適応した戦闘員。彼らの寿命が長いのも長期戦を戦い続けられるように遺伝子操作され開発された個体が野生化し、世代交代を重ねた存在。
退化適用か、遺伝分化によるものか能力はかなり劣化している。
専属使用人
人間の使用人は普通の身分だが、亜人の使用人は例外なく奴隷。ホルファート王国では愛人(性的な)を連れ回す特殊文化がある。奴隷といっても女性の持ち物なので学園男子より待遇がいい。
奴隷にあるのは契約のみで主人に忠誠を誓っているわけでもなく、魔法の力で行動を縛るわけでもないので主人を裏切ろうと思えばいつでも裏切れる。ただ、それをやってしまえば、食い扶持を失うどころか重罪人として処刑されるのはほぼ確実で、仮に処刑を逃れても同業の使用人達から恨まれて命を狙われるといった形で破滅するだけな為、専属使用人達は誰も裏切ろうとしなかっただけなのである。
しかし、ファンオース公国との戦争の際、バルトファルト家の使用人だったミオルがリオンを逆恨みした事を機に公国側と内通した外患誘致の一件が大きな問題となり、学園の専属使用人は正式に廃止となった。
淑女の森
ホルファート王国にあるゾラが所属する貴族女性の組織。男性を男娼や軍人として使い捨て、遺族年金で利益を得る犯罪組織。
成人男性は武装勢力、モンスターとの戦闘さらには他国との戦争で死亡率が高く、絶対数が不足している為に結婚が難しい。
そのため、立場的に低い立場の地方貴族の若物を婚姻関係のある構成員が縁組して無理やり婚姻関係を結ばせ、前線に未熟なまま送り出し戦死させていた。
ゾラがこの組織に所属しておりその為、組織に売られかけそうになったのがきっかけで、リオンは冒険者になる事を決意した。
(リオンの婚姻相手など50過ぎのバツ7、全て戦死という焼け太りで事故物件の方がマシなくらいであった。)
尚、流石に王国にバレるのは不味いと思っており、それ故に学園入学前の子供を狙って行う悪辣さ。
ホルファート王国がファンオース公国を滅ぼした後は外患誘致・犯罪組織として国外追放・逃亡した為、金が目的だった専属使用人らは去って行った。
ちなみに元々国家としては社会保障と人材を食い潰すだけの害虫であり、中央集権化の進行に伴いやがては処分する予定だった。
その後、ラーシェル神王国の支援を得てクーデターを起こすが、ローランドの掌で転がされた末に呆気なく瓦解する。
神殿
聖女の杖、腕輪、首飾りを鑑定できる組織。
ちなみ条件は初代聖女の血を引いており、一定以上の回復魔法を収めている事。
聖女を守る神殿騎士は、身分の高い王国貴族でない限り婚活から逃れられる。
マリエに利用されるが、ファンオース公国との戦争で神殿戦力の9割が壊滅してしまう。マリエの自白で聖女が偽物だった事が判明し、恨みをかった上に命を狙われたマリエは神殿を追われる事になった。
ちなみにキチンと聖具はマリエに反応しており、聖女の条件は満たしている。単に聖女の中にも「格」があるというだけである。
聖女
乙女ゲー1作目に神殿が認定する存在。
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ネタバレ注意
本編では学園だけでなく王宮、地方領主貴族といった組織でさえそれぞれの都合を優先して裏切り、敵国との戦争やクーデターでも纏まれなかった為、裏切者が出る援軍より最初からいない方がマシと考えたリオンは最早王国に期待しなかったが、一部の守りたい人たちの為に戦った。
神聖魔法帝国との戦争終結後はアンジェの奇策とローランドの利害の一致により、リオンが王位を継ぐことでバルトファルト王朝へ交代し、国名は変わらないが実質的に新しい国となる。
しかし、エリカから前世世界でアルトリーベシリーズが最低でも第6作まで発表されていたという情報を得たリオンはまたも対応に動かざるを得なくなる。
既にアンジェ達や五馬鹿には転生者やアルトリーベに関する秘密を明かしていたため、彼らからの助力を受けつつ活動するが、事情を知らない者達からは真意を深読みされる事が多く、政治的にも色々と問題を抱える羽目になっている。
マリエルートにて判明した事実
王国を建国した6人は、五馬鹿とリビアの先祖である冒険者達と聖女だったが、彼らとパーティを組んでいたリーダー格の冒険者が存在していた。
その人物こそ、リオン達バルトファルト家の先祖リーア・バルトファルト。
「リーアは仲間の裏切りが原因で冒険者稼業に嫌気が差し、スローライフを過ごす為に田舎に引っ込んだ」というのがバルトファルト家の基盤となったとされているが、実は五馬鹿の先祖に功績の全てまでも奪われていたのである。
そして、聖女が行方不明となり血筋が解らなくなってしまった理由は、リーアへの仕打ちに激怒した彼女が王国を見限って去った為であった。
結果的に上記のバルトファルト王朝への交代はホルファート王家が権威と権力を始め本来あるべき功績をリーアの子孫の元へと返還した形となっていたのである。
尚、この建国の経緯が転生者の影響によって改変されたものなのか、それとも元々のゲーム通りなのかは不明。相応の年月が経ったであろう「ゲーム6作目の時期でも健在」という設定を考えると、本編ほど歪で複雑な問題を抱えてはいなかったか、或いは聖女となったオリヴィアのチート能力のゴリ押し(初代聖女の各道具に宿った怨念)で何とか存続しているかのいずれかだと思われる。
また、本来のゲームシナリオの一部をオリヴィアが悪夢で見る事もあり、逆ハーレムルートで国家運営は軌道に乗っていたが、ルクシオンに裏切られて国ごと亡ぼされるという夢を見ており、転生リオンやクレアーレが存在しない世界でもあったのでゲームシナリオの中でも比較的平和的に終わっていた逆ハーレムルートが、実は鋼の魔王ルクシオンに破滅させられるルートだった可能性が高い。この時のルクシオンは「国の破滅をオリヴィア自身が望んだ事だ」と発言しており、オリヴィアを操っていた初代聖女の怨念と実質利害の一致で協力関係にあった模様。