概要
『別冊フレンド』(講談社)で2002年~2009年の間に連載されていた作品。
単行本は全20巻。
主人公の椎葉歩(しいば あゆむ)がいじめに立ち向かい、友情などに助けられながら、
大きく成長していく様を描く。
平成18年度(第30回)講談社漫画賞少女部門受賞。
TVドラマ
2007年にフジテレビ系(他局とのクロスネット局である大分と宮崎は除く(土曜ドラマ(現在東海テレビとの共同制作による「オトナの土ドラ」の前々身)枠として放送されたが、ディープな内容という事もあり23時台という深夜枠での放送となったが、平均視聴率が12.4%(関東地区という驚異的な視聴率を記録した。
ただいじめという重い内容と言う事もあり、フジテレビには30代以上の視聴者から「いじめを助長する」「子供が見るのは不適切」等のクレームが殺到したものの、主人公に近い世代の10代からは「主人公に勇気をもらった」「(番組を見ていて)自分のまちがいに気付き、反省した」等と好意的な意見も寄せられた。
ネット上ではみどりの「おめーの席ねぇから!」というセリフが有名。
登場人物
- 佐古克己
金持ちの息子で愛海の彼氏。女子にかなりモテたり、羽鳥とともに美男美女と評価されたりと公式でかなりの美男子だが、真性のサディストでド変態(ドラマ版では原作以上に強調されている)。学年トップの優等生で、一見善良で優しいが、実際は父親からの虐待のストレスが溜まっており、たまたま家にやってきた歩を標的に傷つけた。
- 薗田優樹
クラス委員。過去にいじめられたクラスメートを庇ったことでいじめの標的にされ、1年間不登校になっていた。
- 羽鳥未来
歩のクラスメート。一見するときつい性格だが、病気で入院している父の入院費を稼ぐためにアルバイトを、勉強と両立させて頑張っている健気な人物で、歩の良き理解者。歩も見惚れる美人設定。
- エイコ
いじめに否定的なクラスメート。
- 平岡正子
いじめを突き止めようとする副担任の教師。
- 深沢エミ
愛海の元・取り巻き。愛海を慕っている。
ドラマ版で彼女に相当する岩本みどりは、愛海が新たないじめの標的になってからも一人彼女のそばに残って庇い続けていたが、愛海が自分を道具程度にしか思っていないことに激しく傷つき、愛海をいじめる側になる。
- チカ
愛海の元・取り巻き。日和見的にグループをやめる。
- 廣瀬和華
愛海の元・取り巻き。歩が佐古の家に入っていった際に「歩が佐古を奪おうとしている」と誤解し愛海に密告したことで歩がいじめられる原因を作った。しかしとある事件がきっかけで愛海の本性を知ってしまいグループを抜けようとするが、今度は自分までが再びいじめられるようになってしまう。
- 岩本咲
愛海の元・取り巻き。転校してしまう。
ドラマ版では彼女に相当する信川美紗は、当初こそは廣瀬と里絵とみどりたちと一緒に積極的に歩をいじめていたが、父親を利用してまで歩や未来を追い詰めたり、廣瀬を自殺未遂にまで追い込む等と、次第にエスカレートしていく愛海の卑劣な行動についていけなくなり、彼女に恐怖心を抱き、次は自分が愛海のいじめの標的になると察し、原作と同じように逃げるように転校した。最終話では転校先の高校で新しい友達とうまくやっている様子を見せているが、新しい友達とは自身がいじめに関わっていた過去を抹消するかのように、いじめに関して否定的な会話をしていた。
- 戸田和佳絵
歩のクラス担任。過去にいじめを受けていた生徒を助けられなかったために「事なかれ主義」となっている。佐古から父親による暴力の事について相談を受け、それがきっかけに彼と付き合い始めるが、その事を知った愛海に脅されて利用されてしまう。
- 篠塚夕子
歩のかつての親友。勉強が苦手な歩に勉強を教え、一緒に西館高校に行こうと頑張るが、歩の成績が良くなるに連れて自分の成績が落ちていき、最終的に歩だけが合格したことが原因で歩を激しく罵った上に絶交してしまう。
歩のリストカット癖(ドラマ版ではその設定はカットされている)とネガティブな性格の張本人で、以後の生活は明らかになっていなかったが、ドラマ版では公立高校に入学し、第10話で偶然歩とバスの中で再会するが、初めこそは知らないふりをしていた。しかし最終話のラストで再びバスで歩と再会した際は「今度は希望の大学、絶対に合格するから」と歩にメールして仲直りの兆しを見せた。