ジョン・フォン・ノイマンとは、ハンガリー出身でアメリカ合衆国で活躍した数学者。物理学、経済学、コンピュータ科学、そして原爆開発と、科学者として多彩な才能をいかんなく発揮している。人間離れした記憶力と計算能力で、人間の姿をした悪魔と言われた。
生い立ち
1903年ブダペスト生まれ。6歳で8桁の割り算を行い、父親とギリシャ語でジョークを話せた。8歳で微分積分をものにした。好きな本、たとえば世界史やゲーテの小説などに関しては一字一句間違えず暗唱できたという。
主な研究業績
- 数学では、純粋数学からモンテカルロ法などの応用数学まで幅広く足跡を残している。ポーカーだけは予想通りに勝てなかったのでゲーム理論を考案。
- 物理では量子力学の数学的基礎付けを行っている。第二不完全性原理を発見。
- 経済学にゲーム理論を持ち込んだ
計算機科学への貢献
- コンピュータの動作原理を理論的に基礎付け、論文として発表。のちに内蔵プログラム方式のデジタルコンピュータ(=現代のコンピュータ)はノイマン型コンピュータと呼ばれるようになった。
核兵器開発への加担
核兵器の起爆に不可欠な爆縮レンズの原理を発明し、原子爆弾の実用化につながった。政治的には先制攻撃が最大の防御と考えるタカ派で、第二次世界大戦時には京都への原爆投下を、冷戦が始まるとソ連への原爆投下を進言した。原爆開発中に放射線を浴びたことがおそらく原因となってガンを発症し、激しい痛みに苦しみ抜いた末1957年に亡くなった。