CV.寿美菜子
概要
かつてアルザーノ帝国宮廷魔導師団特務分室の執行者ナンバー3”女帝”の席にいた女性。
長く美しい銀髪と羽根の髪飾り、赤い紋様を顔料で刻み、緑色の民族衣装を思わせる服装を身にまとう。
戦争で土地を追われた北方の異民族の姫君であり、風の魔法を得意とした通称”風使い”。
祖国の地を奪還することを夢見て軍に入り、以後ひたむきに努力していたが、それは隣国との関係等を考えるともはや叶わぬも同然の夢。同じく”叶わぬ夢を追う者”だったグレン=レーダスの掲げる”正義の魔法使いになる”という夢を全力で肯定してくれた唯一の人物であり、過酷な現実の前に荒みつつあったグレンを献身的に支え続けた。
しかし、同僚の一人だったジャティス=ロウファンとの戦闘において、グレンを庇って死亡してしまう。
人間関係
報告書をほったらかしにするグレンを追いかけたり、お説教したり、おいしい手料理を振舞ったりと年上のお姉さんぶることも多く、そのお節介で世話焼きな性格は年頃の男として素直になれないグレンからは鬱陶しがられたことも多かった。
折れそうになるグレンに寄り添うセラの存在はグレンにとってもかけがえのない存在となり、本人たちがお互いに口にすることはなかったようだが、実質的に相思相愛。
グレン曰く、「たとえ"みんなを救うことができる正義の魔法使い"になれなくても、"セラを守れる魔法使い"になれればそれでもいい」と思うほど、セラの存在はグレンが軍を続ける唯一の理由にすらなっていた。
彼女との日々は辛かったことも楽しかったことも今もなお色褪せることはなくグレンの心に刻み込まれており、セラとの思い出が誰一人気付けなかった敵の策略を破る鍵となるなど、二人の絆は今もなお強い。
グレンだけでなく、イヴにとっても唯一の親友であり、理解者であった人物である。考え方の違いから何かとグレンと対立していた彼女の間に入ってくれただけでなく、家名の重みに押しつぶされそうな彼女のことも精神的に支えてくれていた。
しかし、ジャティスによる天使の塵事件において窮地に陥ったセラを救うことができず、死なせてしまったことで、イヴはグレンとの関係に決定的な亀裂が入り、さらにイグナイト家の重責から完全に逃れられなくなり、手柄や結果を追求する性格が悪化してしまった。
イヴ自身もグレンとセラが相思相愛であることを知っていたこと、セラの天真爛漫さに幾度も救われた事実、そしてそんな大切な親友を死なせた自身の無力さ・悔しさを、イヴは決して忘れることはない
グレンを奸計に陥れ、その目の前でセラの命を奪った裏切り者。
セラの風の魔術の使い手としての技量を味方だった頃から最高峰と評価すると共に、自身の得意とする魔術との相性の悪さから警戒もしていた。
最愛の女性を奪われたグレン、唯一の親友を奪われたイヴの両者から向けられる身を焦がすような憎悪は未だ凄まじいものがあり、セラが二人にとってどれだけ大切な人物であったかか窺える。
作中最初の敵として登場するも、噛ませ犬のごとく退場してしまったズドンさんだが、話が進むごとに下衆ではあるが凄まじい実力者であったことが判明。
そんなジンは過去にセラと戦ったことがあることがやがて判明。
しかしその結果は、文字通り一方的な惨敗。己の得意とする魔術・戦法をことごとく封殺された挙げ句、命からがら必死に逃げ惑うしかなかったと、プライドが高いはずのこの男が心からの完敗を認めるほどの戦いだったらしい。
戦闘スタイル
風の魔術師として、あらゆる人物から最高峰の存在として語られることのあるセラ。
作中ではオカリナを用いた支援魔法でグレンを援護する、魔術的な加護を得る部族のダンスをグレンに教える等、その性格通りサポート役的な一面が描かれている。
しかし支援特化型かと言えばどうも違うらしい。
特に自身や仲間を高速移動させることができる魔術・疾風脚の技量は尋常ではなく、最高速、加速、急制動、持久力全てにおいて隔絶した実力を持つ高機動戦闘のプロフェッショナルだったとジンが回想している。
一度本気を出した彼女からは、誰も逃れることはできず、誰も追いつけない…そんな彼女の戦闘スタイルは、やがて自身が愛した最愛の男の手により、その教え子へと継承されることとなる。
”白犬"と"白猫"に隠された真意
かつてグレンはセラのことを白犬と呼んでからかっていた一方、教え子のシスティーナ=フィーベルを白猫と呼んでからかっている。
これはお節介で世話焼きな性格、夢にまっすぐな姿勢など、長い銀髪も相成ってシスティーナの本質がセラによく似ていたがゆえに、”システィーナはセラじゃない”と必死に自分に言い聞かせていたため。
本質がセラとシスティーナは似ている、という件についてはアルベルト、ジャティス、イヴも同じように評している。