概要
小説「バトルロワイアル」に登場する架空の全体主義国家。
東洋に浮かぶ島国。
実在の日本に非常に似ており、実際香川県などの日本の地名が出てくる。
極めて厳粛な軍事国家でアメリカを敵性認定しており、言論統制や人権蹂躙などを行う一方で、GDPなどは高く経済大国でもある。
政治の頂点に立つのは「総統」と呼ばれる役職の人間であり、表向きには主人公たちの時代で325代目と言われているが、実際には12代目で、それ以前は政府によって捏造された偽りの歴史である。
「総統」自体は、テレビ放送などで一般市民も姿を見ることができるが、そもそも「総統」という人物さえ存在しないとも言われている。
その厳しい政治体制から、一部の国民からの反発も大きく、本作主要人物の一人・三村信史の叔父も反政府活動の果てに命を落としている。
プログラム
正式名称「戦闘実験第六十八番プログラム」。
軍事シュミレーションという呼び名の中学生のクラス全員の殺し合いをさせる。政府曰く唯一の徴兵制度である。
対象クラスは1年間あたり50クラス。
対象となるクラスは、事前には知らされない。
当事者たちは、当人たちの知らない間(作中では、修学旅行の最中)に拉致(同、バスでそのまま運搬。催眠ガスで眠らせている)され、爆薬と発信機を仕込んだ首輪「ガダルカナル22号」を装着させられた状態で、会場のスタート地点で目覚め、初めて自分たちが「プログラム」に巻き込まれたことを知る。
その後、担当者からプログラムの対象者に説明を行い、終了次第、基本装備を渡して、くじで決まった者から出席番号順に出発させる。
同時の出発ではないため、出発が早いほど有利になる。
最期の1人になるまで戦い続けるのが基本ルール。
殺し合いが始まってから、あるいは誰かが死んでから24時間、誰も死ななかった場合は、全員に戦意なしと判断され、首輪の爆弾が爆発して、その時点の生き残り全員が死亡する。
首輪は、無理に外そうとしても、爆発する。
また、殺し合いの場所となる地域は、時間を経るごとに「禁止エリア」というものが生じていき、そこに立ち入っても首輪が爆発する。よって、最後まで一か所に隠れてやり過ごすこともできない。
支給武器は、銃火器や刃物など実益のあるものから、他の生徒の居場所を知ることができる装置と言った補助的なもの、更には鍋の蓋や双眼鏡など戦いにはまったく役に立たないものまである。
支給された生徒が死ねば武器もそのまま残るため、いかに有効な武器を集めるかも生き残りの鍵となる。
プログラムの会場となる場所は毎回異なり、開催中は国民に一切知らされない。
作中では香川県の孤島が舞台となり、住民らは強制的に退去させられている。
ライフラインは止まっているが、車やパソコンなどはほとんどそのまま残っていることが多い。
ただし、逃亡を防ぐために船は撤去されている。
対象となった生徒たちの家族は、生徒たちがスタート地点へ拉致された時点で、政府関係者からそのことを知らされる。
多くの者は嘆き悲しみながらも受け入れるが、中には反抗の意志を示す家族もおり、そういった場合は逮捕、最悪の場合はその場で殺されてしまう。
漫画版では、主人公が暮らす孤児院の女性職員が反発の意志を示したため、担当官に乱暴された。
表向きは「陸軍が行う戦闘シミュレーションで、所要時間などの各種統計を重ねることによる防衛上の理由から」とされているが、真の目的は国民に相互不信を植え付け、反政府活動のための結託を阻害することである。
映画版
実写映画版では架空の国ではなく、現代日本が舞台となっている。
プログラムの成立目的も、校内暴力・少年犯罪の激化をきっかけに、「死」を利用して、大人の威厳を取り戻すことが目標である。
また原作のプログラムがランダムで選ばれるが、映画版では教師キタノの推薦から城岩学園中学校3年B組が選ばれた。