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アトラントローパ計画の編集履歴

2022-06-05 07:29:00 バージョン

アトラントローパ計画

あとらんとろーぱけいかく

アトラントローパ計画とは ヘルマン・セイゲルの提案した計画である。

概要

簡単に言うと「地中海堰き止めてアフリカとヨーロッパ繋げようぜ!」というもの。また、地中海を堰き止める際、同時にサハラ砂漠の緑化やアフリカ中部の河川も堰き止めて湖を作る模様。


具体的には

ジブラルタル海峡とダーダネルス海峡とシチリア海峡にダムを建設して地中海を淡水化しよう!

地中海の水を大西洋に排水して東地中海の水位を200m、西地中海を100m下げて地中海を東西に分割しよう!そして出来た干拓地で農業しよう!!ついでにダムで水力発電して欧州各国に供給しようぜ!!!

淡水化した地中海の水でサハラ砂漠を灌漑しよう。あとコンゴ川を堰き止めてコンゴ盆地とチャドに巨大なダム湖を作ろう!あとザンベジ川にも!!

そうすれば欧州からアフリカに移民する人がすごしやすくなるだろう!


とあまりに壮大過ぎる計画である。

なお、ドイツの地理学者フリードリヒ・ラッツェルの提唱した生存圏を根拠にゼイゲルが提案したアフリカ先住民族および環境事情を一切無視したヨーロッパの為の計画ではあるが、ナチス・ドイツが推進した計画ではない。

しかし、この当時は欧州国家のアフリカの扱いはこの程度であったため、1928年からゼイゲルが亡くなる1952年ごろまでは割と大真面目に議論されていたのである。


結末

ドイツの敗戦と莫大な建造費、技術的な問題、そして各国の協力が得られなかったことから無事に夢物語に終わりました。

そもそも電力と農地(生存圏)と交通が主目的の計画であり、ゾイデル海(オランダが干拓事業をした内海。現アイセル湖)と桁が二つ以上違う規模の地中海を河川の水で淡水化するには何十年かかるのか、水位を100m下げると現状の港湾が軒並み使用不可となること、地中海が担っていた気候が激変する可能性などの様々なリスクへの対策がどこまでされていたのか不明である。

得られるメリットに対して想定しうるデメリットが大きすぎることから計画倒れで終わってよかったねと言わざるを得ない。


余談

「Hearts of Iron IV」のMODである「The new Order」ではアトラントローパを本当にやった世界が描かれている。

この世界では環境破壊を引き起こし地中海諸国に自然災害が多発する大惨事となっている。

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