概要
魔法ワールドにおける疾患、感染症である。
しかし狼に変身することから「生物」として区分されている。
人狼症の患者は毎月満月の夜、狼の姿に変身する。
狼状態の人狼はほとんど普通の狼と区別できないが、彼らは普通の狼よりやや口吻が短く、人間らしい眼を持ち、尻尾に房飾りが付いている。そして狼より凶暴。
また普通の狼が人間をほとんど襲わないことと対照的に、人狼は人間を襲うことを好んでおり、他の生き物はほとんど攻撃しない。
マグルの民話に登場する凶暴な狼は、実は人狼のことであると魔法界では信じられている。
狼状態で他者を傷つけないようにするためには自分をどこか人のいない場所に隔離するか、「ウルフスベーン・ポーション」(トリカブト系脱狼薬)を飲むしかない。
しかし薬の方は最近になって発明されたものであり、複雑な調合が必要。材料もけっして安価なものではない。
人狼はその特異な体質(狼化だけでなくその直前期の体調不良も)や社会から受ける差別のため定職に就くこともままならないことが大半であり、脱狼薬は彼らにとって手の届きにくい物なのが現状である。
実際、人狼は毎月の食肉衝動や社会から受けた差別への恨みなどから犯罪に走ってしまうことも度々あり、それによってより差別が強化されるという負のサイクルが続いている。
狼状態である人狼の唾液が非人狼の人間の血液に混入し、またその被害者が銀粉とハナハッカの混合物で治療されると、被害者は人狼に変わる。
治療されないと傷からの出血が止まらず被害者は死に至る。
普通の人間が人狼と結ばれても子孫に人狼の症状が遺伝することはないが、満月の夜人狼同士が交尾すると狼が生まれる。これは史上2回しか確認されていない大変稀な事象である。
仔狼たちは普通の狼よりも温厚、非常に知性的であり、人を全く襲わない。
ホグワーツの傍の禁じられたの森に人狼の噂があるのは、校長のアルバス・ダンブルドアの許可の下現在も仔狼の何匹かが森に棲んでいるからである。
映画版、そして後続のフランチャイズシリーズ版
ビジュアル面でかなり大幅に変更が加えられている。
狼というより若干それの要素を認められなくもないようなクリーチャー的な外貌であり、なんと二足で立ち上がる。
監督のアルフォンソ・キュアロンはより大人向けの雰囲気を確立することを望んでいたため、この他にも飛ぶ吸魂鬼や、ヒッピー的なトレローニー教授、マグル生まれでなくてもマグルの服を着こなすホグワーツ生たちなど様々な変更を加えた。
映画版アズカバンの囚人でつくられたこのイメージは今なお後続のフランチャイズに影響を与え続けている。