「君の!力じゃないか!!」
「緑谷、ありがとな」
概要
僕のヒーローアカデミアの登場人物、轟焦凍×緑谷出久のカップリングタグ。
棲み分けのため、タグには「 [hrak【腐】] 」と「 [腐向け] 」タグをつけましょう。
原作やアニメにおける轟出を匂わせる描写*
※コミックス収録および円盤発売したエピソードに関してはネタバレの配慮をしていません。 |
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アニメ・原作における描写
ヒロアカアニメでは原作にはなかったオリジナル描写がいくつか描かれている。
No.31「全てを持って生まれた男の子」(原作4巻)
騎馬戦直後、昼食も食べずに一方的に緑谷に自分の過去を語りだす轟。
だがそんな轟の過去はとても悲しいものであった…父親、母親、そして個性に囚われた轟を見て緑谷は何を思ったのだろうか…
ここでのポイントは会話という会話はまだ1度しかしたことがないのに、というところだ。なぜ緑谷には聞いてもいないのに辛い過去を簡単に話し出したのだろうか。
No.32「笑え!ナンセンス回のプリンス」(原作4巻)
体育祭はいよいよ最終種目の一対一ガチバトル。
トーナメント形式であり轟と緑谷は2回戦で当たることに。
表を見た緑谷→「僕が勝って轟くんも勝ったらもう…」
そして安定の轟→「来いよ緑谷この手で倒してやる」
No.34「勝ち負け」(原作4巻)
1回戦の相手に勝利した緑谷。
その後にアニメにおいて
「緑谷が勝ったか。」という轟の台詞が追加されている。
しっかりチェックしている…スタッフ様ありがとうございます。
試合前に酷く嫌悪する父親に会った轟は対戦相手の瀬呂に氷の個性を最大威力でぶつける。
大事なのはその後。氷を自身の熱の個性で溶かす轟の背中を見た緑谷の言葉
「僕にはひどく悲しく見えた」
轟だけじゃない、緑谷も轟を意識しているのが明確である
No.39「轟焦凍:オリジン」(原作5巻)
この頃の轟はまだ心を閉ざしており、緑谷に対してあまりいいとは言えない態度で接している。
緑谷VS轟編では二人が個性をぶつけ戦い、勝った側が準決勝戦進出となる。
父親の個性を使わずに一番になって父親を完全否定すると言う轟に、緑谷は
「君の!力じゃないか!!」
ここから全てが始まった。
轟が絶対に使わないと言っていた炎の個性を使わせた緑谷に、オールマイトも
「緑谷少年、まさか轟少年を救おうと…!?」
と緑谷の行動や言動の意味に気付いた。
元無個性だった緑谷だからこそ言葉に重みを感じる。
しかも轟に個性を使わせただけでなく、彼自身が忘れていた母親との思い出も思い出させた。
緑谷の自己犠牲の精神は轟の凍った心を溶かしたのであった。
しかし結果として緑谷は轟との戦いに敗れ(正確にはミッドナイトの個性により)、右手に一生残る傷を残すことになる。
因みにオリジンまで轟の目には光が描かれていなかったのだが、緑谷との戦い後目に光が入っている、轟の心に変化が現れたかのような細かい変化が描かれている。
No.43「轟VS爆豪」(原作5巻)
決勝戦で轟が炎の個性を使うことを迷っている際、観戦していた緑谷は
「負けるな!頑張れ!!!!」と応援を送った直後轟は炎を発動。
そしてこのシーン、アニメでは
「轟くん!負けるな!頑張れ!!!!」「緑谷…!!」
と互いに呼びかけあうシーンが追加された。
No.44「休め振替休日」(原作5巻)
体育祭を経て轟は久しく会っていなかった母親に会うことを決意した。
「たくさん話をしないと たとえ望まれてなくたって救け出す」「それが俺のスタートラインだとそう思ったからだ」
一方緑谷は自宅にて母親と体育祭を振り返る。
「誰もい心配することのない僕なりのやり方が要る」「それが〈僕が来た〉って言えるようになるスタートラインだ!」
体育祭での戦いを経てふたりはそれぞれのスタートラインへと踏み出したのであった。
No.52「ヒーロー殺しステインVS雄英生徒」(原作6巻)
「遅くなっちまっただろ」
と言いながら登場。緑谷から送られてきた位置情報だけで、意味を理解し駆け付けた。
割と久々に登場したというのにこの男は一瞬で持っていく。
No.53「轟から飯田へ」(原作6巻)
因みに轟が緑谷からのメールを見てから、その意味に気づいて駆け出すまでの時間約2秒。
それから助けに走って、緑谷達のもとに到着するまでの(TV)時間が約2分。
驚異的な早さである。それで「遅くなっちまっただろ」と言っているのだから轟にとっての遅くない時間はどれくらいなのか。
「意味もなく、そういうことはやらないからな。お前は」と緑谷のことを知ってる位には連絡をとり合っていることが窺える。
それにしても体育祭編から急速に仲が良くなってはないだろうか。
そしてヒーロー殺しにやられてしまったプロヒーローネイティブさん、クラスメイトの飯田くんがいる状況での2人の共闘が始まるのだがその時放った轟の一言。
「二人で守るぞ」
二人で、と強調しすぎではないだろうか。この人共闘に浮かれる気持ちが抑えきれていない。
そしてお互い「轟くん!」「緑谷!」と名前を呼びすぎである。
兄がヒーロー殺しに襲われ何も見えなくなってしまっていた飯田くんとオリジン前の自分を重ね合わせ轟は飯田にこんな一言を送る。
「なりてえもんちゃんと見ろ!!」
体育祭での緑谷の想いが轟に届き、それが今度は飯田へと。なんて美しいバトンなのだろうか…
そしてこの場面で緑谷の「君の力じゃないか!!」というたった一言が轟にどれだけ響いたのかを私達に再確認させてくれた。ありがとう先生。
No.55「決着!?」(原作7巻)
轟と共に保須市に来ていたエンデヴァーの場面へ移り変わる。
その時に緑谷から連絡が来た時の轟が描かれているのだが
①緑谷から連絡が来た瞬間父の言葉をシャットアウト。
②職場体験中にも関わらず秒で方向転換し緑谷の元へ駆け出す。
③友だちがピンチかもしれねえおそらく今まで友達という友達がいなかったであろう轟。友達できてよかったね…(ほっこり)
アニメでは惜しくもカットされたが原作では、緑谷が脳無に攫われた時誰よりも早く動き助けようと個性を発動する轟がみられる。
が、安心してほしい。アニメでよくよく見ると攫われた瞬間、画面に緑谷轟グラントリノ飯田が出てくるのだが、緑谷本人の次に轟が表示される。つまり轟が一番早く反応したということ…流石抜かりない。
No.56「決着」(原作7巻)
ヒーロー殺しから一夜明け、場面は保須総合病院。
「寝られたか、緑谷」
「ううん、あんまり…」
「だろうな…俺もだ」
「冷静に考えると…すごいことをしちゃったね」
「そうだな…」
その後飯田の腕に深い傷が残ることを聞いた緑谷がは飯田に「一緒に強くなろうね」と右手を前に出すのだが、緑谷の傷が残っている右手に気付き、轟は「すまねぇ…」と一言。随分責任を感じているようだ。
No.68「エンカウンター」(原作8巻)
期末試験も明け、A組みんなで買い物に行くことに。その際
「轟くんも行かない?」「休日は見舞いだ」
とサラっと会話を交わしている。あまりにも自然すぎてこれはごく日常的な会話でいつも遊びに行ったりしているのだろうか…と勘繰ってしまう。
No.73「グッドイブニング」(原作9巻)
林間合宿先で出会った、超人社会を嫌う洸汰くんのことで悩んでいる緑谷にそっと声を掛ける轟。見事な天然っぷりをかましながらも的確なアドバイスをする。
2人は厚く固い信頼関係に結ばれている、ということがよくわかるシーンである。
「言葉には行動が伴う」
まさしく轟を変えたのは全力で立ち向かう緑谷から繰り出された一言だったことを思うと、この言葉の重みを考えざるを得ない。
また、アニメ三期一話目のオリジナル回(第39話:ゲーム・スタート)において、
上鳴峰田が水着姿を目的に夏休みにプールを開放し、
結果的にクラス全員が集合して体力づくりをすることになるのだが、
その際登場した轟焦凍の第一声は「……緑谷」である。ブレない。
No.112「何をしてんだよ」(原作13巻)
仮免最終試験にて、エンデヴァーを嫌う夜嵐に過去を刺激され我を忘れる轟。
救助演習にも関わらず衝突しピンチを招く二人の前に、緑谷が飛び出す。
「何をしてんだよ!」
その叫びに正気に返り過去の負債を痛感する轟の姿に、体育祭での出来事が如何に彼を変えたのか、実感する一場面である。
No.137「阻止せよ!!」(原作15巻)
オールマイトの未来、そしてインターンでの事件。誰にも話せない2つの悩みと不安を抱え込み、
緑谷の心はギリギリの均衡を保っていた。
「食わねえのか?」
「インターン入ってから浮かねえ顔が続いている」
父しか見えていなかった彼が、周りの機微に気付けるようになった成長と
そのきっかけが体育祭の緑谷との戦いであること、
そして何より誰よりも先に緑谷の様子に気付き声をかけた轟の姿に、
轟出のこれまでの日々が鮮やかに脳裏に駆け巡るのである。
轟出のレコードを振り返させるワンシーンに、心に過るのはこの一言である。
「先生、ありがとな。」
その後飯田に心配され涙を流す緑谷に、好物であるソバを半玉を分け与える姿もまた微笑ましい。
なお、No.163「燻る炎」(原作18巻)において、寮に戻ってきたインターン組を出迎える級友たちが描かれている。
仮免の講習を明日に控えた轟が、インターン組一人ひとりの名前を呼んで早々に辞すると断りを入れるのだが、
真っ先に緑谷の名前を呼ぶのはもはやお約束と言っていいだろう。
No.165「掴めガキ心」(原作18巻)
仮免補講で手の付けられない小学生たちと交流することになった轟。
自分がどういう人間なのか知ってもらわないと、何を言っても届かない…
そして語り出した轟の半生は残念ながら途中で詰まらないとさえぎられてしまったが、
エンデヴァーを憎んでいたくだりから「同級生との交流を」に繋がる〝同級生〟とは
言わずもがな緑谷出久のことである。
No.166「ホッコれ仮免講習」(原作18巻)
仲間と力を合わせ、小学生の心を掴もうとする仮免補講メンバー。
回想シーンで「視野を広げてやることくらいは俺たちもできるハズだ」と言う轟焦凍は明らかに微笑んでいる。
轟が淡い微笑みを浮かべて思い出すような「視野を広げてもらった」相手とは誰なのか、
そもそも彼がそんな表情を浮かべられるようになったのは何がきっかけなのか、
轟出民としては深読みをせざるを得ない。
No.169「文化祭」(原作19巻)
文化祭を控え、出し物を相談する1-A。
発言した順に左上から記載されたと思しき黒板に、誰の発案か丸わかりな
「ヒーロークイズ」と「手打ちそば屋」が順に並んでいる。
残念ながらそのシーンは描かれていないのだが、緑谷の後に続いて轟が発言したのかと思うと仲がいいな…とほっこりしてしまう。
ちなみにNo.175「文化祭」の前夜、夜更かし組で気合を入れるシーン。
さりげなく円陣で隣位置にいる二人を拝むことができる。
No.177「建設現場にて」(原作19巻)
おつかいに出てジェントル・ラブラバと遭遇した緑谷。
死闘を繰り広げる中、刻々と文化祭の開始時間が迫る。
ステージ直前のA組にスポットが当たるシーンで、真っ先に
「緑谷いねェな」
と緑谷の不在に気づき、「こんな時間まで何してんだあいつ」と気に掛ける轟がいる。
No.190「始まりの」(原作21巻)
ハイエンド脳無との死闘の末、エンデヴァーは満身創痍になりながらも脳無を破る。
スタンディングを見て、思わずといったようにしゃがみ込む轟。
心配そうなクラスメイトが駆け寄るなか、それまでテレビ側のソファに座っていたはずの緑谷が一番近くにいる事実に着目したい。
No.188「父はNo.1ヒーロー」(原作20巻)でも、緑谷は切島と並んで真っ先に轟の名前を呼んでいる。
No.192「轟家」(原作21巻)
炎司と夏雄がぶつかる中、マイペースにそばをすすり続ける轟。
轟はヒーローとしての父親を認めつつも、定まらない内心を告げる。
ところで「ちょっとした切っ掛けが人を変えることもあるって、俺は知ってるから」という発言、どう考えても体育祭が切っ掛けで変わった彼自身のことである。
No.205「遠回り」(原作22巻)
A組VSB組対抗戦、三戦目。
轟は耐冷・耐熱に優れた鉄哲とぶつかることになる。
格闘戦に持ち込まれた轟は、重い拳を何発も食らう中で、父の言葉が脳裏をよぎる。
そして、彼を変えた切っ掛けも。
『君の力じゃないか!!』
緑谷の言葉を思い出しながら、轟は体の熱を上げていく。
己を燃やせ
なりたい俺になる為に────!
アニメ(5期:96話「第3試合決着」)では、セリフだけではなく体育祭緑谷戦の回想が挿入され、轟の左目アップが光る演出が加わっている。
また、対抗戦序盤では順番待ちの間に緑谷たちと一緒にいる轟のカットが挟まれるのだが、
第五試合に向けて緑谷が席を外した後は一人ぽつんと離れた場所にいる。君、本当にぶれないな…。
更に付け加えておくと、アニメ5期1クール目のOP。
対抗戦に向けて数人ずつ映し出されていくのだが、なぜか轟と緑谷だけ二人で仲よく話している。
楽し気に話しかける緑谷に、真面目な顔で何事か返す轟。
なぜ彼らだけ二人の世界を構築しているのだろうか。疑問は尽きない。
EDはEDで、部屋でスマホを確認した緑谷が扉を開けると、同じくスマホを持った轟が向かいから出てきたような演出になっており、「待ち合わせか?」と轟出民をざわつかせた。
No.217「新しい力とオール・フォー・ワン」(原作23巻)
黒鞭を暴走させた緑谷。
第五試合終了後、「おまえも〝個性〟2つ持ちだったのか?」と轟に声を掛けられる。
体育祭で、全力でかかってこいと言った緑谷に力を隠されていたとしたら…
「俺は多少ショックなんだが」
と言う轟だが、緑谷の弁解を信じてすぐさま労わる。素直だ。
そして炎の扱いを褒められ、微苦笑を浮かべた轟は改めて、自分の決意を宣言する。
「俺はもっと上へ行くよ」
轟にとっての緑谷を改めてうかがい知ることができる一幕だ。
No.241「受け応えろ!インタビュー」(原作25巻)
インタビューの練習で、まだエンデヴァーには及ばないと自分を評する轟。
轟の「もっと上へ行く」宣言を思い出す緑谷の表情には笑顔がある。
そしてガチガチに緊張する緑谷がインタビューを終えた後。
緑谷に話しかけられ、穏やかな表情で迎える轟を拝むことができる。
No.249「地獄の轟くん家」(原作26巻)
轟にエンデヴァー事務所でのインターンに誘われた緑谷と爆豪。
細かい描写としてはまず「緑谷」から名前を呼んで誘いをかけるシーンや、
ホークスの配っている本について天然を発揮した轟に突っ込みを入れる緑谷、
黒鞭についての高速ブツブツをちゃんと聞き取っている轟など、
仲の良さを伺わせるエピソードには事欠かない。
また屋上で昼食をとるシーンでの体格差はじっくり見ておきたいところだ。
────が、インターン編での最大の轟出ポイントはこの後にある。
冬美に轟の友人として、夕食に誘われた夜。
緑谷たちに片づけを手伝わせることを悪いと思う冬美に対し、轟の返事が「手伝わせないほうが緑谷にわるい」である。
どれだけ相手のことを理解しているのか。このシーン、アニメではなぜか「二人に悪い」に改変されていることだけが残念だ。
そして轟が複雑な胸の内を吐露した後、話を聞いてしまった緑谷は覚悟を決めた表情で思ったことを告げる。
「え」と虚を突かれた顔を見せる轟に、緑谷が言うのである。
「君はとても優しい人だから」
とてもと当たり前のように言うだけのなにが今までの二人の間にあったのか。
少し前のシーンで轟も緑谷に対する理解度を示しているだけに、この言葉がどれほど轟に響いたのか、子供のように無防備な表情から伺い知ることができる。
原作掲載時、そしてアニメ放映時は祭りでしたね…。
No.250「エンディング」(原作26巻)
食事会が終わり、送り出す冬美は緑谷の手を握って笑みを浮かべる。
弟と友達になってくれてありがとう、と言う彼女に対し、こちらこそと返す緑谷。
頬をかく、珍しく照れた轟の横顔を拝むことができる。
送りの車中では、後部座席に三人座っているのだが、
爆豪が真ん中の緑谷との距離を空けただけ、どうみても緑谷は轟の側に寄っている。
そしてさらっと「轟くん英語今度教えて」と言っている緑谷の言を見る限り、
当たり前のように仲良く勉強しているようである。
物理的にも精神的にも距離が近いようにしか見えない。
ちなみにそのあとの251話では、ヒーロースーツのケースを投げ渡すときに
「ショートくん!」と呼ぶ貴重な緑谷のシーンもあったりする。
No.256「空、高く群青」(原作26巻)
顔はセリフで隠れてしまっているが、オールマイトお手製綿あめを頬張る
1-Aメンツの隅で、しれっと二人並んでいるのが見える。
そしてNo.258「仲間」ではラストの全面戦争編に向けてのカットでは、
緑谷に次いで轟が大きく、隣に並ぶような位置で描かれている。
No.272「おはよう!」(原作28巻)
危機を感知して立ち止まった緑谷。
すぐさま気づいた轟が「どうした」と声を掛けている。
この男、本当に緑谷のことをよく見ている。
No.282「破滅の足音」(原作29巻)
絶体絶命のイレイザーヘッドを救う氷壁とともに、その場にはいないはずの轟が現れた。
そもそもNo.274「サーチ」(原作28巻)で方向転換した緑谷と爆豪に、轟は「どこ行くんだ」と声を掛けていた。
緑谷は忘れ物だとごまかしてその場を離れたのだが、サーチによって実は轟が後から追いかけてきていたことが明かされている。
ステイン戦の飯田、映画第三弾のロディなど、緑谷の手が届かない/救けられないという場面ですかさず駆けつけてくれる男である。
ところでNo.279の扉絵だが、一人一人の反応を見る限り
カメラを持って駆けまわる緑谷に対しての表情やリアクションであるようにうかがえる。
するとケーキを一切れ差し出す轟は、つまり…としか想像できないのだがいかがだろうか。
No.285「爆豪勝己:ライジング」(原作29巻)
死柄木との死闘を空中で繰り広げる緑谷。
エンデヴァーがとどめの一撃を繰り出すため、爆豪の指示でサポートする轟は
上空へ向かいながら祈るように「緑谷…頑張れ…!」と呟いている。
No.286「僕らの中の人」(原作30巻)
青空を見上げながら落下する轟。
死柄木の手が緑谷に届いた瞬間、見たこともないほど大きく口を開けて叫んでいる。
!マーク五つの大声が、彼の心境を物語っている。
No.291「元気でいてくれてありがとう」(原作30巻)
ここから轟家の地獄っぷりが煮詰まっていき、物語も終章へ向けて急加速していく。
荼毘に真実を暴露され、呆然とするエンデヴァー。
自身も衝撃に涙を流しながら、轟は父親へ発破をかける。
頼むとさえ口にしながら、自分が戦うからと、守ってくれと叫ぶその姿に、
轟の強さと優しさを見ることができる。
また、この極限状態に出てくる言葉が「みんな」ではなく「緑谷たちを守ってくれ!!」であることが、何よりも雄弁に彼の内心を語っているのではないだろうか。
また、続くNo.292では、満身創痍の緑谷が「一番辛い轟くんが戦ってるんだぞ」と
ままならない自分の体を叱咤している。
どこまでもお互いを思いやる二人である。
No.293「ヒーロー飽和社会」(原作30巻)
荼毘と戦う轟に、ただ一人緑谷が加勢する。
他所の家に首を突っ込むなという荼毘に、緑谷は「轟くんは大事な友だちだ」と返した。
過去は消えない、だからこそ今のエンデヴァーを〝見てる〟────。
体育祭での轟だけではなく、食事会における冬美と夏雄、そして今回のエンデヴァーまで、緑谷の言葉は轟家に影響を与えすぎではないだろうか。
No.302「火の不始末 後編」(原作31巻)
轟家の過去が明かされる回。
「焦凍が轟家(ウチ)のヒーローになってくれたのよ」
このシーンで轟の背景に浮かぶのが、体育祭での二人である事実─────それが全てである。
荼毘を「あの日までの俺」と称した轟からも窺い知れるように、
緑谷戦とそれによるきっかけが、轟自身だけではなく轟家にとってもどれほど大きいものだったのか、改めて示されたように思う。
ところでNo.303「トップ3」において、ホークスとの距離を(近い)と思う轟が確認できる。
パーソナルスペースが極端に狭いわけでも、気にしていない訳でもなく、
人との距離感をきちんと認識しているという事実を踏まえたうえで、
先生の描きおろしイラストなどを含めた轟と緑谷の距離感について今一度振り返ってみたい。
……とても、近くないだろうか?
No.318「ヤミクモ」(原作32巻)
ぼろぼろのまま、一人AFOを探して彷徨う緑谷。
極限状態の中、みんなとまた笑って過ごせるように────。
思い浮かべる笑顔は、爆豪が真正面からではなく横から盗み見たような角度であることから、緑谷自身の記憶に基づく回想であることは間違いないだろう。
それを前提にしたうえで、日常の思い出と思しき笑顔たちのなか、轟のそれが
ネクタイを緩めながら、見たこともないほど穏やかに、目を伏せて微笑む表情
であるのはいったいどういうことなのか、轟出民の混乱は尽きない。
どうみてもプライベートな空間でただ一人に向けられた笑顔にしか見えないのだが…一体全体どういうシチュエーションなのだろうか…。
あまりのダダ洩れっぷりにコミックスでの修正さえ危惧されたが、なんと31巻での人物紹介にも使われている。
つまりこの笑顔はれっきとした現実であり事実なのだ。
どういうことなの。
No.319「友だち」(原作33巻)
一人飛び出した緑谷を追いかけるため、A組は直談判を決行する。
OFA悩みを打ち明けてくれなかったこと、手紙一つで納得すると思われたこともショックだと語る轟。
それだけの関係性を築いてきた自負がなければ決して出てこない一言である。
特に複数個性について感づいていたふしのある轟は、緑谷が言うことを呑みこみ納得していただけに、彼の口から聞きたかったという思いが強いのだろう。
ちなみに、数ページ前の貴重な轟の「デク」呼びシーンも必見である。
No.320「デク VS A組」(原作33巻)
緑谷を捕獲するため、総力戦で挑むA組。
振り切ろうとした緑谷を氷壁でとらえた轟は、静かな口調で告げる。
「その責任、俺たちにも分けてくれよ」
ただでさえ荼毘とエンデヴァーという家族の責任も負った轟が、
OFAという重たすぎる責任を分けてほしいと言うことの重さが染みる回である。
続くNo.321では、普段あまり口数の多くない轟が大声を張り上げて説得しようとしている。
「離れず側にいるっていう選択肢もある」
「俺たちも一緒に戦わせろ!!!」
この言葉選び…もはや何かを語ることさえ野暮ではないだろうか。
No.325「つながるOFA」(原作33巻)
麗日の説得により、集団ヒステリーは沈静化した。
緑谷が一時的にでも受け入れられた/反発が収まったことを受けて、エンデヴァーと轟も中に入るよう促される。
No.323「一歩」では、エンデヴァーの不祥事により自らも外で待機しながら
歯を食いしばり悔しげな表情を浮かべていた轟が、握っていた拳を解き
走って中の状況を確かめようとするシーンが見られる。
No.327「REST!!!」(原作33巻)
風呂に運び込まれた緑谷と、わいわい過ごすA組。久しぶりに穏やかな夜が訪れる。
一人後から風呂に入っていた轟が、開口一番「緑谷が一番眠ィだろ。寝かせてやれよ」と気遣いの言葉をかける。
ソファに一人かけていた緑谷の隣に当たり前のように座るところもだが、
「なんで」という聞き方にまたも縮まった距離を感じるのは気のせいではないだろう。
そしてオールマイトとの話を終え、安心した緑谷が寝落ちたシーン。
直前のコマで毛布を持って降りてきた轟が、そっと転寝する緑谷にかけてやっている。
さてここで改めて考えてみたい。
・普段の文字Tではなく無地のTシャツに、足元がかなりダボついている体操服の長ズボンを着た緑谷
・上着は長袖の体操服、下には珍しく短パンをはいている轟
・他メンツはほぼ私服
この状況から導き出される〝緑谷の服は誰のものなのか〟〝轟はどこから毛布を持って降りてきたのか〟という疑問から導かれる解…お判りいただけただろうか。
No.339「皆がヒーローになるまでの物語②」(原作34巻)
決戦前、青山を信じると口にする緑谷。
爆豪のまぜっかえしに、現れた轟が大丈夫だと語る。
ところで当たり前のように隣に並んだ上、自然に肩へと置かれた手について詳しく説明してほしいものである。
原作14巻特典DVD
舞台はある日のヒーロー実習。他校と合同で実習を行うようだ。
その際森の中に謎のガスが蔓延する。
逃げる緑谷チームと轟チームが合流。
その際ガスを浴びた生徒たちが現れるのだが、ガスは他校の生徒の個性によるもので浴びたものはゾンビ化してしまう事態に。
一時洞窟に避難することになるのだがなんとここで2人の共闘が見られるのだ。
「轟くん!炎を出す準備をお願い!」
「強行突破か」
「うん!」
「行くぞ緑谷!」
ここでの2人の様子から、お互いかなり信頼のおける相棒的存在であることが窺える。
映画での描写
一作目「2人の英雄」
オールマイトと緑谷師弟を軸に、まだ仮免も取っていないヒーローの卵が奮闘する一作目。
前述の理由で轟は緑谷を先に行かせるためのサポートに徹するので、二人の絡みそのものは
少ないといっていい。
ただこの話、舞台である島に偶然1年A組が集合したというシチュエーションなのだが。
アトラクションであっさり高得点を出され、真正面から噛みつく爆豪をスルーして
「緑谷たちは来てるのか?」
と真っ先に緑谷がいるかどうかを気にする轟を拝むことができる。
二作目「ヒーローズ:ライジング」
幼馴染と1年A組の活躍がメインの映画であり、基本的に緑谷と轟との絡みは少ない。
ただしラスボスとの会敵で幼馴染が敗れ、絶望的な状況下での話し合いが行われたシーン。
他の誰かの発言には冷静な視点でダメ出しを行い実力者としての風格を見せる轟だが、
緑谷が現れたとたんにオールウェイズイエスともいうべき肯定っぷりを披露してくれる。
その後の作戦会議はなぜかひたすら緑谷と轟だけが喋り、ふたりの世界を見せつけてくれた。
また、映画に関する落書きを原作者である先生がTwitterにあげていらっしゃるのだが、
太陽緑谷、月轟という概念の具現化が存在する。
これ、先生の直筆イラストなんだぜ…?
三作目「WORLD HEROES' MISSION」
詳しくは円盤が発売してから記載する予定だが、びっくりするほど轟出だったことは確かである。
小説での描写
1巻
・お母さんのお見舞いに行くシーンで轟はお母さんに緑谷を紹介していた。
それもすごく詳しく。
2巻
・カラーページでは隣同士。
・行きのバスでは途中で座席を移動し緑谷の隣へ。緑谷から出されたクイズに真剣に解こうとしていた。
・夜、枕投げをしている際、(気付かない)緑谷に向けて投げられた枕を轟が庇うようにキャッチするシーンがある。
・寝るときの布団の位置も隣同士。
ラジオにおいて
ヒロアカラジオ第30回、轟出クラスタには是非聞いていただきたい。軽く轟出回である。
「轟は緑谷のこと大好き」「緑谷で動いちゃってる」発言や轟と緑谷と上鳴のミニドラマも聞ける。