「君の!力じゃないか!!」
「緑谷、ありがとな」
概要
『僕のヒーローアカデミア』の登場人物、雄英高校ヒーロー科1年A組轟焦凍×緑谷出久のカップリングタグ。
2人の血液型はo型、出身地は『静岡県あたり』と共通しており、身長は10cm差(轟176cm、緑谷166cm)である。
クラスメイトの爆豪勝己からはボンヤリクソ男共、お花畑1号・2号と呼ばれており、オールマイトも轟と緑谷に対して「あの2人は近しいものを感じる」と発言している。
緑谷は轟にとあるきっかけを与え、轟家にも深く関わっていく。
棲み分けのため、タグには「 hrak【腐】 」と「 腐向け 」タグをつけましょう。
原作やアニメの描写*
※コミックス収録および円盤発売したエピソードに関してはネタバレの配慮をしていません。 |
---|
No.22
オールマイトと緑谷について『超絶パワーも似ている』『緑谷はオールマイトに気に入られている』と話すクラスメイトの会話に、轟は反応している。この時から、轟の中で緑谷に対する何かしらの感情が芽生えていることが窺える。
No.23
雄英体育祭の本番直前、突然緑谷に声をかけて宣戦布告をする轟。
「客観的に見ても、実力は俺のほうが上だと思う」
「おまえ、オールマイトに目ぇかけられているよな。別にそこ詮索するつもりはねえが…お前には勝ぞ」
喧嘩腰な轟を止めようとするクラスメイトにも「仲良しごっこじゃねぇんだ。何だっていいだろ」と反抗する轟。緑谷はそんな轟に対して「僕も本気で獲りに行く」と宣言。ここから、お互いを意識した雄英体育祭が始まる。
No.28〜30
二種目の騎馬戦で残り時間を半分切った瞬間、轟の騎馬が緑谷の目の前に現れる。
その時、本気でハチマキを奪おうとする緑谷に気圧されて、轟は戦闘において絶対に使わないと決めていたはずの父エンデヴァーから受け継いだ左の個性を使ってしまう。
No.31〜34
「あの…話って…何…?」
騎馬戦直後の昼休憩、轟に呼び出される緑谷。人気の無い場所で見つめ合う2人。 何も喋らず冷たい威圧感を感じる轟に、早くしないと食堂が混んでしまうからと緑谷が会話を促すもスルー。轟は自分自身の生い立ち・家庭のことを緑谷に語り始める。この時、轟が自ら家庭や自分自身のことを誰かに打ち明けるのは原作内で初めてである。
緑谷は轟の過去について、コミックだったら主人公だという感想を抱き、先ほど受けた宣戦布告に「僕も君に勝つ!」と改めて応えた。
No.32
トーナメント形式の最終種目で、轟と緑谷は2回戦目で当たることになる。トーナメント表を確認してすぐに、
「僕も勝って、轟くんも勝ったらもう…」
「意外と早かったな。来いよ緑谷 この手で倒してやる」
とお互い心の中で思っており、二人はすでに意識し合っていることが分かる。
また、1回戦終了後、自身が凍らせたものを、左(炎による熱)で溶かしていく轟の姿を客席から観ていた緑谷は、唯一「僕にはひどく悲しく見えた」と感じていた。
No.37〜40
偶然遭遇した轟の父・エンデヴァーに話しかけられる緑谷。緑谷の個性をオールマイトに匹敵する力だと評価し、"ウチの焦凍にはオールマイトを超える義務がある" と言われる。立ち去ろうとするエンデヴァーに対して緑谷は、先ほどの轟との会話を思い浮かべながら「僕はオールマイトじゃありません。轟くんも、あなたじゃない」と否定。親の血に囚われている轟焦凍にとっては重要なセリフであり、諸悪の根源である父親とも緑谷はしっかりと向き合っている。
轟vs緑谷
左(炎)の個性を使わずに一番になることで父親を完全否定しようとしている轟は、予想通り氷結で攻める。轟は緑谷に勝ち目がないと判断し、観客席で観ている父親の顔が曇ったことにも満足していた。
「どこ見てるんだ…!」
「全力でかかってこい!!」
ボロボロになりながらも全力で戦う緑谷は、左の個性は父親のものだと恨み憎んでいる轟に向かって、叫んだ。
「君の!力じゃないか!!」
元無個性の緑谷だからこその言葉の重み。この言葉をきっかけに、轟は彼自身が忘れていた幼少期の母親の大事な言葉・エピソードを思い出して、炎を使いはじめる。 轟は緑谷と全力で向き合い、最後に「緑谷、ありがとな」というセリフを残す。
その後緑谷は出張保健所で治癒をしてもらうのだが、轟との戦いで負傷した右手は戒めとして残されている。
アニメでの轟は、この戦いを機に、瞳に光が描かれるようになる。
No.42〜44
控え室で、緑谷の言葉を思い出す轟。間違えて入って来た緑谷の幼馴染である爆豪に「あいつ、無茶苦茶やって他人が抱えてたもんブッ壊してきやがった」「昔からあんななのか?緑谷は…」と緑谷のことが気になっているかのような質問をしている。
決勝戦では、炎の個性を使うことをためらっている轟に対して「負けるな!頑張れ!!!!」と緑谷が客席から応援を送った直後、再び炎を発動。
アニメでは 「轟くん!負けるな!頑張れ!!!!」「緑谷…!!」 と互いに呼び合うシーンが追加された。
体育祭をきっかけに、轟は母親に会う決意をして、「たとえ望まれてなくたって救け出す。それが俺のスタートラインだと そう思ったからだ」 と誓う。
一方緑谷も、体育祭を振り返り 「誰も心配することのない僕なりのやり方が要る。それが〈僕が来た〉って言えるようになるスタートラインだ!」と、ふたりはそれぞれのスタートラインへと踏み出したのであった。
なお、体育祭の轟vs緑谷戦は轟焦凍のオリジンであり、この回が収録されている轟表紙の5巻の帯は【少年よ、彼の心を解き放て!!】というキャッチコピーが書かれていた。
言わずもがな少年は緑谷、彼は轟であり、緑谷は轟の心を解き放ったのである。
No.52〜53
保須市でヒーロー殺しステインが現れ、戦闘不能な飯田天哉とプロヒーローのネイティブ、緑谷に絶体絶命の危機が訪れた瞬間、轟が登場。
「緑谷…こういうのはもっと詳しく書くべきだ。遅くなっちまっただろ」
緑谷が一括送信で送った位置情報の意味を数秒で汲み取り、唯一助けに来た轟は「意味もなくそういうことする奴じゃねえからな、お前は」「ピンチだから応援呼べってことだろ」と、緑谷の理解者であるような発言をしている。
轟と緑谷は一緒に作戦を立てて、「2人で守るぞ」とステインに挑む。
No.55
緑谷から位置情報が送られて轟が向かうまでの回想シーン有り。職場体験中であるにもかかわらず、緑谷から連絡が来た瞬間、エンデヴァーの言葉をシャットアウト。どこへ行くのかという問いに「友だちがピンチかもしれねえ」と緑谷の元へ駆け出す轟。
前回の発言同様、体育祭以降急速に2人の仲が深まっている様子だが、体育祭後〜ステイン戦までの期間、轟と緑谷の交流は詳しく描かれていない。なにがあったのかを是非具体的に詳しく知りたいところである。
また、緑谷が脳無に攫われた時、轟は緑谷の師であるグラントリノに次いで動きが早く、自然と左側の個性も発動している。
No.56「決着」(原作7巻)
ヒーロー殺しから一夜明け、場面は保須総合病院。
「寝られたか、緑谷」
「ううん、あんまり…」
「だろうな…俺もだ」
「冷静に考えると…すごいことをしちゃったね」
「そうだな…」
その後飯田の腕に深い傷が残ることを聞いた緑谷がは飯田に「一緒に強くなろうね」と右手を前に出すのだが、緑谷の傷が残っている右手に気付き、轟は「すまねぇ…」と一言。随分責任を感じているようだ。
No.73「グッドイブニング」(原作9巻)
林間合宿先で出会った、超人社会を嫌う洸汰くんのことで悩んでいる緑谷にそっと声を掛ける轟。見事な天然っぷりをかましながらも的確なアドバイスをする。
2人は厚く固い信頼関係に結ばれている、ということがよくわかるシーンである。
「言葉には行動が伴う」
まさしく轟を変えたのは全力で立ち向かう緑谷から繰り出された一言だったことを思うと、この言葉の重みを考えざるを得ない。
また、アニメ三期一話目のオリジナル回(第39話:ゲーム・スタート)において、
上鳴峰田が水着姿を目的に夏休みにプールを開放し、
結果的にクラス全員が集合して体力づくりをすることになるのだが、その際登場した轟焦凍の第一声は「……緑谷」である。ブレない。
No.87
ヴィランに攫われた爆豪を連れ戻そうとする雄英生徒5名。緑谷・飯田・轟・切島・八百万の順で一列に並んで狭い通路に入り、ヴィランのアジトを窓から覗き見する作戦へ。
「緑谷と切島が見ろ、俺と飯田で担ごう」と指示を出した轟はその後、狭い通路をウゾウゾと歩きながら飯田とポジションを変えて、緑谷を担ぐ。何故。
ちなみに緑谷の身長は166cm・切島は170cm。担ぐ側の飯田は179cm・轟176cm。何故。変わらなくても良かったのではと思う。
No.111
エンデヴァーを嫌う士傑高校の夜嵐に、過去や父親のことを刺激されて我を忘れる轟。仮免最終試験の救助演習そっちのけで衝突する二人の前に「何をしてんだよ」と、飛び出して被害を防ぐ緑谷。その叫びで轟は正気に返るも再びピンチが訪れ、またもや緑谷に救われる。この時「緑谷…!おまえは…どこまでも…!!」という轟の心の声が描かれている。
なお、合否のシーンで緑谷は轟のことを常に心配そうに見つめており、轟に挽回するチャンスがあると知ると「やったね轟くん!!」と片足を上げて嬉しそうに駆け寄っている。そんな緑谷に轟は「すぐ…追いつく」と宣言した。
No.137
轟、緑谷、飯田の3人で昼食を食べている最中、誰にも話せない悩みと不安を抱え込み、心がギリギリの状況になっている緑谷の変化に気付いた轟は「インターンに入ってから浮かねえ顔が続いている」と声をかける。
「ヒーローは泣かない!」
「いや…ヒーローも泣くときゃ泣くだろ…多分」
涙を流している緑谷に対して、轟は好物の蕎麦(半玉)とネギ・わさびを分け与えている。
今回だけに限らず、轟が最初に緑谷の変化に自ら気付いている場面はいくつかある。
No.73 その場にいなかったにもかかわらず相澤先生と緑谷の会話を把握しており、会話に関する内容を質問している。
No.176 文化祭前に緑谷が不在であることに気付き、「緑谷いねェな。こんな時間まで何をしてんだあいつ」と気にかける。
No.272 危機を感知して立ち止まっている緑谷に気付き、「どうした緑谷」と声をかける。
その他 No.327 など、轟は緑谷のことをよく気にかけている存在であることが分かる。
No.205「遠回り」(原作22巻)
A組VSB組対抗戦、三戦目。
轟は耐冷・耐熱に優れた鉄哲とぶつかることになる。
格闘戦に持ち込まれた轟は、重い拳を何発も食らう中で、父の言葉が脳裏をよぎる。
そして、彼を変えた切っ掛けも。
『君の力じゃないか!!』
緑谷の言葉を思い出しながら、轟は体の熱を上げていく。
己を燃やせ
なりたい俺になる為に────!
アニメ(5期:96話「第3試合決着」)では、セリフだけではなく体育祭緑谷戦の回想が挿入され、轟の左目アップが光る演出が加わっている。
また、対抗戦序盤では順番待ちの間に緑谷たちと一緒にいる轟のカットが挟まれるのだが、第五試合に向けて緑谷が席を外した後は一人ぽつんと離れた場所にいる。
更に付け加えておくと、アニメ5期1クール目のOP。
対抗戦に向けて数人ずつ映し出されていくのだが、なぜか轟と緑谷だけ二人で仲よく話している。
なぜ彼らだけ二人の世界を構築しているのだろうか。疑問は尽きない。
EDはEDで、部屋でスマホを確認した緑谷が扉を開けると、同じくスマホを持った轟が向かいから出てきたような演出になっており、「待ち合わせか?」と轟出民をざわつかせた。
No.217「新しい力とオール・フォー・ワン」(原作23巻)
黒鞭を暴走させた緑谷。
第五試合終了後、「おまえも〝個性〟2つ持ちだったのか?」と轟に声を掛けられる。
体育祭で、全力でかかってこいと言った緑谷に力を隠されていたとしたら…
「俺は多少ショックなんだが」
と言う轟だが、緑谷の弁解を信じてすぐさま労わる。素直だ。
そして炎の扱いを褒められ、微苦笑を浮かべた轟は改めて、自分の決意を宣言する。
「俺はもっと上へ行くよ」
轟にとっての緑谷を改めてうかがい知ることができる一幕だ。
No.241「受け応えろ!インタビュー」(原作25巻)
インタビューの練習で、まだエンデヴァーには及ばないと自分を評する轟。
轟の「もっと上へ行く」宣言を思い出す緑谷の表情には笑顔がある。
そしてガチガチに緊張する緑谷がインタビューを終えた後。
緑谷に話しかけられ、穏やかな表情で迎える轟を拝むことができる。
No.249「地獄の轟くん家」(原作26巻)
轟にエンデヴァー事務所でのインターンに誘われた緑谷と爆豪。
冬美に轟の友人として、夕食に誘われた夜。
緑谷たちに片づけを手伝わせることを悪いと思う冬美に対し、轟の返事が「手伝わせないほうが緑谷にわるい」である。
そして轟が複雑な胸の内を吐露した後、話を聞いてしまった緑谷は覚悟を決めた表情で思ったことを告げる。
「え」と虚を突かれた顔を見せる轟に、緑谷が言うのである。
「君はとても優しい人だから」
とてもと当たり前のように言うだけのなにが今までの二人の間にあったのか。
少し前のシーンで轟も緑谷に対する理解度を示しているだけに、この言葉がどれほど轟に響いたのか、子供のように無防備な表情からうかがい知れる。
No.250「エンディング」(原作26巻)
お見送りの際、冬美は緑谷の手を握り「焦凍と友達になってくれてありがとう」と笑みを浮かべる。それに対して緑谷は、こちらこそと返し、轟は照れた様子で頬をかいている。
送りの車中では、後部座席に三人座っているのだが、
爆豪が真ん中の緑谷との距離を空けただけ、どうみても緑谷は轟の側に寄っている。
そして緑谷はさらっと「轟くん英語今度教えて」と一緒に勉強する約束をしている。当たり前のように仲良く勉強しているようである。
ちなみにそのあとの251話では、ヒーロースーツのケースを投げ渡すときに「ショートくん!」と呼ぶ貴重な緑谷のシーンもあったりする。
No.285「爆豪勝己:ライジング」(原作29巻)
死柄木との死闘を空中で繰り広げる緑谷。
エンデヴァーがとどめの一撃を繰り出すため、爆豪の指示でサポートする轟は
上空へ向かいながら祈るように「緑谷…頑張れ…!」と呟いている。
No.286「僕らの中の人」(原作30巻)
青空を見上げながら落下する轟。
死柄木の手が緑谷に届いた瞬間、見たこともないほど大きく口を開けて叫んでいる。
!マーク五つの大声が、彼の心境を物語っている。
No.291「元気でいてくれてありがとう」(原作30巻)
ここから轟家の地獄っぷりが煮詰まっていき、物語も終章へ向けて急加速していく。
荼毘に真実を暴露され、呆然とするエンデヴァー。
自身も衝撃に涙を流しながら、轟は父親へ発破をかける。
頼むとさえ口にしながら、自分が戦うからと、守ってくれと叫ぶその姿に、
轟の強さと優しさを見ることができる。
また、この極限状態に出てくる言葉が「緑谷たちを守ってくれ!!」であることが、何よりも雄弁に彼の内心を語っているのではないだろうか。
また、続くNo.292では、満身創痍の緑谷が「一番辛い轟くんが戦ってるんだぞ」と
ままならない自分の体を叱咤している。
どこまでもお互いを思いやる二人である。
No.293「ヒーロー飽和社会」(原作30巻)
荼毘と戦う轟に、ただ一人緑谷が加勢する。
他所の家に首を突っ込むなという荼毘に、緑谷は「轟くんは大事な友だちだ」と返した。
過去は消えない、だからこそ今のエンデヴァーを〝見てる〟────。
体育祭での轟だけではなく、食事会における冬美と夏雄、そして今回のエンデヴァーまで、緑谷の言葉は轟家に影響を与えすぎではないだろうか。
No.302「火の不始末 後編」(原作31巻)
轟家の過去が明かされる回。
「焦凍が轟家(ウチ)のヒーローになってくれたのよ」
このシーンで轟の背景に浮かぶのが、体育祭での二人である事実─────それが全てである。
荼毘を「あの日までの俺」と称した轟からも窺い知れるように、
緑谷戦とそれによるきっかけが、轟自身だけではなく轟家にとっても大きいものだったと実感する。
ところでNo.303「トップ3」において、ホークスとの距離を(近い)と思う轟が確認できる。
パーソナルスペースが極端に狭いわけでも、気にしていない訳でもなく、
人との距離感をきちんと認識しているという事実を踏まえたうえで、
先生の描きおろしイラストなどを含めた轟と緑谷の距離感について今一度振り返ってみたい。
……とても、近くないだろうか?
No.318「ヤミクモ」(原作32巻)
ぼろぼろのまま、一人AFOを探して彷徨う緑谷。
極限状態の中『みんなとまた笑って過ごせるように─』と緑谷自身の記憶に基づくA組の笑顔の回想シーンがあるのだが、轟はネクタイを緩めながら穏やかに目を伏せて微笑む表情
であった。一体全体どういうシチュエーションなのだろうか。動揺を隠せない。
No.319「友だち」(原作33巻)
一人飛び出した緑谷を追いかけるため、A組は直談判を決行する。
OFA悩みを打ち明けてくれなかったこと、手紙一つで納得すると思われたこともショックだと語る轟。
それだけの関係性を築いてきた自負がなければ決して出てこない一言である。
特に複数個性について感づいていたふしのある轟は、緑谷が言うことを呑みこみ納得していただけに、彼の口から聞きたかったという思いが強いのだろう。
ちなみに、数ページ前の貴重な轟の「デク」呼びシーンも必見である。
No.320「デク VS A組」(原作33巻)
緑谷を捕獲するため、総力戦で挑むA組。
振り切ろうとした緑谷を氷壁でとらえた轟は、静かな口調で告げる。
「その責任、俺たちにも分けてくれよ」
ただでさえ荼毘とエンデヴァーという家族の責任も負った轟が、
OFAという重たすぎる責任を分けてほしいと言うことの重さが染みる回である。
続くNo.321では、普段あまり口数の多くない轟が大声を張り上げて説得しようとしている。
「離れず側にいるっていう選択肢もある」
「俺たちも一緒に戦わせろ!!!」
この言葉選び…もはや何かを語ることさえ野暮ではないだろうか。
No.325「つながるOFA」(原作33巻)
麗日の説得により、集団ヒステリーは沈静化した。
緑谷が一時的にでも受け入れられた/反発が収まったことを受けて、エンデヴァーと轟も中に入るよう促される。
No.323「一歩」では、エンデヴァーの不祥事により自らも外で待機しながら
歯を食いしばり悔しげな表情を浮かべていた轟が、握っていた拳を解き
走って中の状況を確かめようとするシーンが見られる。
No.327「REST!!!」(原作33巻)
風呂に運び込まれた緑谷と、わいわい過ごすA組。久しぶりに穏やかな夜が訪れる。
一人後から風呂に入っていた轟が、開口一番「緑谷が一番眠ィだろ。寝かせてやれよ」と気遣いの言葉をかける。
ソファに一人かけていた緑谷の隣に当たり前のように座るところもだが、
「なんで」という聞き方にまたも縮まった距離を感じるのは気のせいではないだろう。
そしてオールマイトとの話を終え、安心した緑谷が寝落ちたシーン。
直前のコマで毛布を持って降りてきた轟が、そっと転寝する緑谷にかけている。
緑谷が普段の文字Tではなく無地のTシャツに足元がダボついている体操服の長ズボンを履いており、轟は体操服の長袖と珍しく短パンをはいていることから、一部の間では〝緑谷が着ている服は、轟のものではないか〟と囁かれている。
No.339「皆がヒーローになるまでの物語②」(原作34巻)
決戦前、青山を信じると口にする緑谷。
爆豪のまぜっかえしに、現れた轟が大丈夫だと語る。
ところで当たり前のように隣に並んだ上、自然に肩へと置かれた手について詳しく説明してほしいものである。
原作14巻特典DVD
舞台はある日のヒーロー実習。他校と合同で実習を行うようだ。
その際森の中に謎のガスが蔓延する。
逃げる緑谷チームと轟チームが合流。
その際ガスを浴びた生徒たちが現れるのだが、ガスは他校の生徒の個性によるもので浴びたものはゾンビ化してしまう事態に。
一時洞窟に避難することになるのだがなんとここで2人の共闘が見られるのだ。
「轟くん!炎を出す準備をお願い!」
「強行突破か」
「うん!」
「行くぞ緑谷!」
ここでの2人の様子から、お互いかなり信頼のおける相棒的存在であることが窺える。
映画での描写
一作目「2人の英雄」
オールマイトと緑谷師弟を軸に、まだ仮免も取っていないヒーローの卵が奮闘する一作目。
前述の理由で轟は緑谷を先に行かせるためのサポートに徹するので、二人の絡みそのものは
少ないといっていい。
ただこの話、舞台である島に偶然1年A組が集合したというシチュエーションなのだが。
アトラクションであっさり高得点を出され、真正面から噛みつく爆豪をスルーして
「緑谷たちは来てるのか?」
と真っ先に緑谷がいるかどうかを気にする轟を拝むことができる。
二作目「ヒーローズ:ライジング」
幼馴染と1年A組の活躍がメインの映画であり、基本的に緑谷と轟との絡みは少ない。
ただしラスボスとの会敵で幼馴染が敗れ、絶望的な状況下での話し合いが行われたシーン。
他の誰かの発言には冷静な視点でダメ出しを行い実力者としての風格を見せる轟だが、
緑谷が現れたとたんにオールウェイズイエスともいうべき肯定っぷりを披露してくれる。
その後の作戦会議はなぜかひたすら緑谷と轟だけが喋り、ふたりの世界を見せつけてくれた。
三作目「WORLD HEROES' MISSION」
【本編内での描写】
100分ほどの映画において轟が「緑谷」の名前を口にした回数、
なんと驚異の14回という事実である。
以下、見所を一部箇条書きにして記していく。
・強盗犯を追う場面や事故現場での阿吽の呼吸「轟くんは犯人を!」「任せろ!」「あっちは俺に任せろ!」「お願い!」
・警察に追われている状況で、まず轟へ電話する緑谷(緊急事態の連絡先が引率のエンデヴァーではなく轟である事実)
・スマホのGPSについて詳しく緑谷に指示する轟
・轟に暗号を送る緑谷。そのメッセージに気づかず「あいつ、俺たちにイチゴを…?」とそのまま受け止める轟。
・緑谷とロディにピンチが訪れた瞬間、「保須のときといい、おまえの通信は分かりづらい」と言いながら登場する。なお救出後は緑谷に駆け寄り、その時やっとロディを認識していた模様。
・仲良くパズルに挑む二人の距離感をご覧ください
・ドンピシャのタイミングで落下してきた緑谷を受け止め、前方を薙ぎ払う緑谷と、それを背後から支える轟の連携。左側に居る緑谷を配慮して、顔の左に灯った炎を髪ごと手でかき上げて消す轟の仕草。
・水中で気絶しかかりながらも反撃に転じた瞬間叫んだ第一声が「緑谷の邪魔はさせねぇ!!」。そして、力を使い果たして落ちていくときのモノローグ「緑谷……止めろ……必ず……!」
・空港でロディの見送りを受ける緑谷を穏やかな微笑みで眺める表情
最初から最後まで緑谷たっぷりな轟だったように思う。
入場特典第一弾では、声優さんのインタビューも記載されているのだが、轟役の方が、「緑谷への信頼度が伝わってくる(過保護は遺伝?)」と仰っている。
つまり……中の人から見て轟は緑谷に過保護なのだ。
その後に続く、轟を演じるときは声の温度を意識しているという発言を鑑みつつ、序盤のオセオン市内を散策するシーンでのやりとりを再度確認してもらいたい。
小説『雄英白書』
僕のヒーローアカデミアの小説版雄英白書著者 誉司アンリ。
堀越先生は雄英白書について「漫画では話を進めることに注力しすぎて描けなかったキャラクター達の普段の様子です」「キャラクターを理解し動かしてくれています」などとコメントしている。
轟出界隈の間では轟出の同人誌かと疑われるほど、轟出の要素があらゆる場面に散りばめられている。ここには選びきれないほどのエピソードが沢山あるので一部抜粋。堀越先生の挿絵も魅力の一つだ。
雄英白書Ⅰ
お母さんのお見舞いへ行き「緑谷っていうヤツがいるんだ」と、緑谷について話し始める轟。緑谷はこのシーンを含むと轟家全員に認知されている唯一の登場人物となる。また、緑谷が微妙な顔でため息をついた時にも「なんだ」と乏しい表情でじっと見つめるなど、緑谷を気にかけている様子もある。
雄英白書Ⅱ
林間合宿のバスでの出来事が書かれており、バスの中で轟と緑谷は隣同士である。難易度の高いクイズを出題する緑谷と真剣に答える轟のボンヤリクソ男共ぶりを楽しめる回。枕投げでは、同じチームである緑谷に投げつけられた枕をキャッチして守る轟。布団の位置も隣同士だったりと、とても仲良しである。
雄英白書Ⅲ
大惨事になることが間違いない状況で焦りを隠せなくなり、苛立つ轟がその瞬間思い浮かべた人物とは─。その他、お化けの回、飯田天哉の誕生日回なども2人の仲良しぶりが窺える。
雄英白書祭
文化祭のお話。別行動中の緑谷をふと思い出して「緑谷たちも楽しんでるだろうな」と発言する轟。すぐどこにでも飛び出してしまう緑谷に対して「位置情報を付けた方がいいんじゃねぇか」と飯田に提案している。その後は一緒にリンゴ飴を作る。
雄英白書祝
轟が緑谷の部屋へ訪れ、自分の部屋に落ちていた緑谷のペンを渡しに行くシーンから始まる。もちろん轟出界隈の妄想ではない。オールマイトのおそろいのフィギュアを轟に渡そうとする緑谷や、それに対する轟のイケメンなセリフにも注目だ。
他、氷を使用して緑谷の陰嚢を冷やそうとしたり、蕎麦が売り切れていて緑谷の好物であるカツ丼を代わりに購入するシーンなども書かれている。
雄英白書桜
節分とバレンタインについてのお話。節分では授業中、鬼役の轟に狙われる緑谷という微笑ましい場面が書かれている。バレンタインでは轟が飯田と緑谷の2人に友チョコを渡している。(最終的に2人も轟に渡している)
原作者 堀越先生のイラスト
・轟が月、緑谷が太陽として描かれている。作者公式Twitterより
・轟が右手で「3」緑谷が左手で「0」を作っている。30巻特典ポストカードより
・緑谷の頭の上に左腕を乗せ、カメラに向かって微笑む轟と緑谷。映画WHM特典色紙より
・カメラ目線でカッコよくキメる緑谷と、撮影者の轟。作者公式Twitterより
上記イラスト以外でも、隣同士で仲良さそうに描かれることが多い。原作の描写含めて、最近では心の距離だけでなく物理的距離も近くなっており、界隈からは喜びと戸惑いの声があがっている。