オバケのQ太郎
おばけのきゅーたろう
『オバケのQ太郎』とは、藤子不二雄による日本のギャグ漫画作品、及びそれを原作としたテレビ・劇場アニメ作品。
ごく普通の家庭に住み着いた、1匹の間の抜けたオバケが引き起こす騒動を面白おかしく描く。藤子流生活ギャグ漫画の原点にして、初の大ヒット作で代表作。スタジオ・ゼロのメンバーである石ノ森章太郎らが手伝った。『オバQ』と省略されて呼ぶことも多い。3度にわたってアニメ化され、40年以上経った現在も根強い人気がある。また藤子漫画は、それまでシリアス志向の強い作品が多かったが、これを機に『ギャグ漫画の藤子不二雄』として広く認知されるようになっていく。
『オバケのQ太郎』の5年後に主に藤子・F・不二雄(藤子F)が描いた『新オバケのQ太郎』や、オバケのQ太郎の後日談的な話の『劇画・オバQ』(藤子Fの単独作)という作品もある。
2人の藤子は、オバQ以前から合作をする一方で、いずれかの単独作も藤子不二雄名義で発表してきたが、両人の作風や絵のタッチの違いが次第に明確になってきたため、『オバケのQ太郎』が藤子不二雄の最後の合作作品となった。
著作権問題
1988年に正式に解散するまでの間は、小学館の学年雑誌での掲載というハードスケジュールもあって、どちらが主体になって描いている作品であっても、明らかにもう一方が代筆していると思われる話が何本かある(特に『ドラえもん』。このため、1988年以前の『ドラえもん』では「作者の自画コマ」は必ずFAセットで描かれていた)。しかし、そうした作品も1988年の解散時に元タイトル毎にどちらかに著作権が帰属するか配分されたのだが、本作だけはそれがなされなかった。
さらに1988年解散の時点で本作は版権が2人の作者のみならず、出版社が小学館と中央公論社、アニメ関係が東京ムービー・日本テレビ(モノクロアニメ)とシンエイ動画・テレビ朝日(カラーアニメ・劇場版3Dムービー)と、四分五裂の状態にあった。
このねじれた現象が解消されないまま1996年にF氏が急逝。
このため、本作は復刊・再映像化が極度に困難になり、実際、藤子ファンの強い熱望にもかかわらず1988年以降一度もそれらが実現していない。