「お手並み拝見といこうか 垂氷の雪哉」
概要
奈月彦とは、【八咫烏シリーズ】の烏は主を選ばない及び烏に単は似合わないの登場人物。
以降も登場し、本シリーズの主人公のひとり。
通称若宮、「日嗣の御子」で彼こそが「真の金烏」。
金烏代の捺美彦と側室であった十六夜の息子。同母妹に藤波の宮、異母兄に長束がいる。
後ろ盾の祖父と母が亡くなってからは継承者争いで度々命を狙われる。
幼少期より毒を盛られる事が頻繁にあったため、体が弱く療養生活が常であった。そんななので様々な毒の味を舌が覚えているという妙技をもつ。
容姿
ほっそりとした体型をしており、ひどく華奢。髪は浜木綿よりは短く、美しい長髪。
「艶やかな紫を帯びるほどに濃く美しい漆黒」や「癖のない錦糸のような黒髪をうなじでひとまとめにしている」などの記述がある。
紫水晶ように輝いてみえる切長の瞳に、白く透き通った肌で、女顔。
眼光は鋭く、抜き身の刀身のようにどこまでも鋭く凛と冴え渡った冷やかさがあり凄みをもっている。
一挙手一投足に黄金の粉がこぼれ落ちるような気品があり、怜悧な美貌を持つ青年。
美男美女が多く生まれている西家の母親似で貴公子然とした容姿であり、父似の藤波とは似ていない。
人物
大事な儀式をすっぽかしたり、花街へ遊びまわっている事から朝廷からうつけと呼ばれている。
おまけにかなりの朴念仁で女心には疎い。
……が、実際にはうつけなどではなく、政治策略に長けた人物である。
性格は飄々としており、合理的なものの考えで一般的な感情を理解し得なく冷淡で我儘とされる。
これら全て“真の金烏”の性質によるものという部分が強いので若宮本人の本来の性格であるのかは謎。
……尚、コミカライズ版にあるセルフパロディの現代では、「一応王子様的な役どころだったはずが、初登場が最終話で、いざ演じてみたら女子校にいきなり乗り込んで来て上から目線でヒロインを糾弾するクソナルシスト」という烙印を押され、ドロドロしていながら爽やかな女同士の友情がいいと言われていたドラマを最後の最後でぶち壊しにした戦犯としてネットニュースの槍玉にあげられていた。
本編での活躍を鑑みるとあながち間違いでもない。
「真の金烏」とは
この地を司る「宗家」の長は実は本当の「金烏」ではなく、実際は真の金烏が生まれなかった際の“代理”である。なので正しくは「金烏代」。
「真の金烏」とは、八咫烏とは全く違った生き物。
何十年かに一度の割合で山内に生まれる、八咫烏を統べるための全てを兼ね備えた存在で、通常の八咫烏には出来ない不思議な力を持ち、奇跡を起こす。
真の金烏が生まれると禍(わざわい)を呼ぶと言われており、ある時代、本物の金烏が生まれた時は反乱や政変、水害、飢饉などの天災までもが降りかかった。
道理から外れた践祚をしたので山神さまがお怒りになったためではないか、とまでと言われている。
しかし実際は、そのような事態に対処するために真の金烏が生まれるのである。つまり、実際は逆なのである。
【真の金烏の性質】
夜間でも転身ができ、昼間のように空を飛ぶ事ができ、鳥形になればどんな八咫烏よりも大きく立派。
通常の八咫烏は外界に出れば正しい手順を踏まなければ戻ってこれないが、真の金烏は自由に外界と行き来が可能。また、絶対に山内に住む八咫烏を殺せない。禁門の鍵を開けることができる。
【過去に真の金烏が起こした奇跡】
奇跡を起こした過去の金烏の逸話として枯れ木に花を咲かせたり、杖を突いた地面から水が湧き出たと言う話まである。
【若宮の起こした奇跡】
手を触れずに紫宸殿の鈴を一斉に鳴らした。山内の結界の綻びを不思議な弓で繕う事ができる。
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※ネタバレ注意
追憶の烏にて、とある人物に刺され、重傷を負い……