概要
ジュラ紀前期のアフリカ南部に生息していた小型の恐竜で、三畳紀に栄えたコエロフィシスの仲間。名前は「巨大な死んだトカゲ」という意味だが、実際のところは大きさ2.2メートル、体重13㎏程であった。
ちなみにコエロフィシスの仲間は新獣脚類というグループに含まれ、他にはディロフォサウルスなどが属す。いかにも最新鋭っぽい響きだが、彼らは三畳紀~ジュラ紀前半の恐竜なのでむしろかなり原始的であった。
発掘地
化石はジンバブエの「フォレストサンドストーン」及び南アフリカにある「エリオット層」というところから出ている。
しかし遠く離れたアメリカのカイエンタ層からもこの仲間(“Syntarsus” kayentakatae)が産出しており、議論の的となった。メガプノサウルス属・コエロフィシス属のどちらなのか、あるいは独立属(つまり新種)とするべきなのか……。
ちなみに2021年のサルコサウルスに関する論文ではこの「kayentakatae」がメガプノサウルス、コエロフィシスの両方と密接に関係していないことが報告され、クラドグラム(系統樹)ではコエロフィシス科の最基盤に配置されている。
特徴
肉食恐竜だと考えられているが、アゴが華奢なので生きた獲物を狩るには向いてないという見方もあり、行き倒れの死肉や食べ残しなどを食らうスカベンジャーだという説もあった。
だがジンバブエでは一箇所から30個体以上の化石が発掘されているため、群れで行動していた可能性が高い。トカゲや昆虫のような小さな獲物だけでなく、時には大物狙いで古竜脚類を襲うこともあったのだろう(当時この地域にいたのはマッソスポンディルスやブルカノドンなど)。
しかし強膜輪(目を支える骨のリング)を爬虫類や鳥類と比較しながら調べたところ、メガプノサウルスは夜行性の動物であった可能性を示唆している。ライオンのように夜に狩りをするスタイルだったのだろうか。
ちなみにコイツは骨の成長輪から寿命の推定が行われており、寿命約7年という数値が得られている。成長は個体差が激しく、完全に成熟した小型個体より大きく育っている未成熟個体も確認されている。
発掘地
化石はジンバブエの「フォレストサンドストーン」及び南アフリカにある「エリオット層」というところから出ている。
しかし遠く離れたアメリカのカイエンタ層からもこの仲間(“Syntarsus” kayentakatae)が産出しており、議論の的となった。メガプノサウルス属・コエロフィシス属のどちらなのか、あるいは独立属(つまり新種)とするべきなのか……。
ちなみに2021年のサルコサウルスに関する論文ではこの「kayentakatae」がメガプノサウルス、コエロフィシスの両方と密接に関係していないことが報告され、クラドグラム(系統樹)ではコエロフィシス科の最基盤に配置されている。
イギリスからの産出報告もあったが、これは別の恐竜であるとしてペンドライグと名付けられた(コイツもコエロフィシスの仲間)。
名称
実はこの恐竜、一昔前の図鑑では「Syntarsus(シンタルスス。「癒合した足首」の意)」と呼ばれていたやつである。
だがこの名前はすでに「ホソカタムシ」という昆虫の仲間に使用されていたため改名せざるを得なくなり、現在の名前になった。「Megapnosaurus」はmegas(巨大)、apnoos(息をしていない)、sauros(トカゲ)の合成。
関連タグ
コエロフィシス科
セギサウルス、カンポサウルス、ルキアノヴェナトル
彼らと共にもっとも派生的なコエロフィシス亜科とされる。