異世界メイドがやってきた
いせかいめいどがやってきた
概要
正式なタイトルは
「異世界メイドがやってきた〜異邦人だった頃のメイドが現代の我が家でエッチなメイドさんに〜」
作者は「立石立飲」氏。2020年12月30日より原則週一回ないしは隔週ペースで投稿されている。
一二三書房オルギスノベルより書籍版1巻が2021年12月22日発売。挿絵は「わかるティッシュ」氏(pixivでの名義は「kanabunわかるティッシュ」)。2023年1月に2巻が刊行。
ヒロインとのイチャラブ(もちろんR-18)要素を多分に含んでいるので注意。また、話が進むにつれサブヒロインとのハーレム展開も出てきている。
主人公が異世界に召喚されて勇者になるいわゆる異世界召喚ものだが、物語は全3章構成となっており、異世界での冒険と魔王軍との戦いを描いた第1章と、使命を果たしヒロインのメイドと共に現代日本に戻った後の日常と合間に起こるトラブルを描いた第2章に分かれている。第2章終了後、主人公たちが去った後の異世界での事件を描く閑話を挟んで、現代日本を舞台としたある大事件が起こる予定の第3章が最終章として展開中。
タイトル通り(普通なら本編に当たるはずの)第1章が序章的扱いで第2章以降が本編のため、第1章連載時点では半ばタイトル詐欺となってしまい、作者自身も気にしていた。
書籍版1巻も第1章の途中までの掲載のため同様にタイトル詐欺状態となっており(やっぱり作者は気にしている)、その代わりなのか、書下ろしのプロローグで日本に戻って間もない主人公とヒロインの日常の一幕(もちろんエロあり)を描き、そこから過去を回想するという形で本編が始まる。
そのため、2巻刊行決定時には、ようやくタイトル回収できることに安堵していた。
なお、まだそこまで書籍化されていないため詳細なネタバレは避けるが、第2章はただのイチャラブ展開ばかりではなく、この手の逆異世界転移ものではスルーされがちな「戸籍をどうするか」などの異世界人が現代日本で暮らす際に起こるであろう問題を主軸に据えている。
主な登場人物(若干のネタバレあり)
主要人物
- ナカヤマタカヒロ(メインイラスト右)
異世界「ワーゲン」に勇者召喚された大学生。
しかし、召喚時の特典でもらったスキルが『スティール』という第三者から物やスキルを盗むもの(要するに、スキルも盗める《窃盗(スティール)》)だったため、王から浅ましいスキルと卑下され、無一文のまま街に放り出されてしまう。
しばらくはスティールで日銭やスキルを手に入れていたが、それだけではやっていけず、冒険者奴隷としてレンを購入。こういった経緯のため当初は若干ヤサグレていたが、彼女に鍛えられながら冒険者として頭角を現していく。
自分を更生させてくれたレンのことを真剣に愛しており、エルザとミオが奴隷になる時には性的な行為に関しては断ろうとしたが、「覚悟決めて隷属したのに、かえって失礼だ」とレンにたしなめられて最終的には受け入れる。
現代日本では学生をしながら人気同人サークル「激辛たんたんめん」の絵師もしており、すでにOBが作った会社への就職も内定している。サークルの友人たちからは「タカミー」と呼ばれている。
2年間のワーゲンでの冒険の末に魔王を倒すものの、今わの際に魔王の放った転移魔法にレンと共に巻き込まれるが、運よく2年前の召喚直後の日本に戻ることができ、彼女と共に生活することになる。
本作は基本的に彼の視点による一人称形式で進んでいる。
第1巻のあとがきによれば、夭折した作者の幼馴染の名前をとって命名したとのこと。
- レン(メインイラスト左)
タカヒロに奴隷として買われたメイド。
種族は鬼族(オーガ)だが、ワーゲンの鬼族は頭に小さな角があるぐらいで人間と見た目は変わらない。お酒好きだが悪酔いしやすい。メイドだけあり家事は得意だが、料理はややおおざっぱ。
優秀な戦士でもあったが、出会った当初は左目と左手を焼失するほどの火傷を負っており、価格が安かったので駆け出しのタカヒロでも購入できた。タカヒロが勇者と知ると彼を鍛え上げ、一人前の冒険者に仕立て上げた。
タカヒロとは冒険中のある一件が切っ掛けで性的な関係を持つようになるが、体のことがコンプレックスになっており、彼への想いになかなか向き合えなかった。後に魔王軍幹部の『エリクシルドラゴン』の持っていた秘薬エリクサーで火傷や欠損は治療され、メインイラストのような巨乳美少女に戻れたことでそれも解消される。
真面目で意識高い系なのだが、火傷が治ったこともあり(性的な意味も含めて)色々と積極的になった。
タカヒロのことは「ご主人様」と呼ぶ。
- エルザ
魔導協会所属の魔導士で『紅蓮』の二つ名を持つ。
人間の貴族出身だが、実はサキュバスの先祖返りで、触れた相手を無意識にエナジードレインしてしまうという欠点を持つ(スティールでドレインの耐性を手に入れていたタカヒロは問題ない)。
タカヒロへの隷属契約を報酬として家族の仇でもあるエリクシルドラゴン討伐を依頼する。その後、タカヒロのスティールでエナジードレインの能力を奪ってもらったことで、他人と触れ合えるようになった。
マイペースなミオの手綱を引く常識人枠。
タカヒロのことは「お兄様」と呼ぶ。
魔王の転移魔法で姿を消したタカヒロとレンを追いかけるべく、エイロスに転移魔法をかけてもらい、ミオと共にワーゲンから旅立った。
異世界転移後は、ネットの扱いをマスターしている。
- ミオ
やたら間延びする口調で話すマイペースな性格で、長身、爆乳、天然キャラと三拍子揃った銀髪の褐色美女。
『白銀』の二つ名を持つ凄腕モンク。
エルザと同様の経緯でタカヒロと隷属契約を結ぶ。
一見するとダークエルフだが、正確にはエルフとダークエルフのハーフ。
エルザと共に行動することが多い。
タカヒロのことは「旦那様」と呼ぶ。
エルザと共にタカヒロたちを追いかけるために転移した。
異世界「ワーゲン」
- メルビン
レンと共にある貴族に使えていた元執事。その息子を守り切れず重傷を負わせたことで奴隷に落とされた。剣の達人であり、レンの師匠的存在。仲間として奴隷を買おうとしたタカヒロに彼女を推薦した。
後に、資金を貯めたタカヒロに買われ、一行の中核的存在となる。
- ディード
『月光の弓弦(ゆみづる)』の異名を持つエルフの弓兵。
昔、執事になる前のメルビンとパーティーを組んでいた。
メルビンに思いを寄せているらしく、彼がタカヒロに身請けされたことで、自らパーティー入りを志願した。一行の中で、唯一タカヒロの奴隷ではない。
なお、タカヒロたちのパーティーは、彼女の二つ名にあやかり、『キャロ・ディ・ルーナ(月光)』を名乗っており、名目上は彼女がリーダーとなっている。
- エイロス・アルハザール
魔王の娘にして、魔王軍の実質No.2である魔軍大元帥。
しかし、民を顧みない父の暴政と、過去に母をその父に殺されたことの恨みから父親である現魔王を見限っており、魔界の統治を自分を任せることを条件にタカヒロに協力を申し出る。
タカヒロは人間側の軍師であるリズに紹介するのが精一杯で、人間側が反故にして捕らわれる可能性もあることを告げるが、それでも構わないと答え、タカヒロたちと共に魔王を倒す。
その直後、強制転移させられたタカヒロとレンを追いかけるために、エルザとミオに転移魔法をかけて送り出した。