本稿では同人誌即売会などによる同人活動を例に挙げて解説する。
利益の種類
粗利益
商品の売り上げから原価を差し引いた金額のこと。ビジネスについての理解が無いと、こちらが「利益」であると勘違いしてしまいやすい。
A4サイズ20p程度のコピー誌を200円で売った場合で例えると、A3サイズ2pの両面コピー代の100円を差し引いた残りの100円が粗利益となる。(原価率は50%)
印刷所で同じサイズ、ページ数の同人誌を400円で売った場合は「印刷料金 ÷ 印刷部数 = 1冊の印刷料金」が原価となり、400円から原価を差し引いた金額となる。
純利益
粗利益から経費や人件費を差し引いた金額のこと。ビジネスにおいてはこちらが「利益・儲け」とされており、大体の場合は次年度の予算にされることが多い。
A4サイズ20p程度のコピー誌を200円で売ったといの粗利益が100円の場合で例えると、同人誌を売るために必要な1冊あたりの経費が75円だったと仮定した場合、粗利益の100円から経費の75円を引いた25円が純利益となる。
企業の場合は純利益が多いほど健全な経営をしているということになる。
個人や企業の作品の2次創作物を主体とした同人活動は、本来ならば非営利活動であるべきであり、代金は製作に掛かる負担を分散するという名目で徴収しているため、純利益は0に近いほうが望ましいとされている。
損益分岐点
損益分岐点は経済活動に「必要な経費・原価」と「売り上げ」との差をグラフ化したときに、経費と売り上げの差が+-0になる点のこと。