概要*
そもそもコバチ自体が全体的に小型であり、ホソハネコバチは大体が綿棒の先に毛を生やしたような羽を持つ(羽の形状は種によって様々であり、中には羽を持たないものもいる)。羽をちゃんとした幕状にせずともこれだけで飛行が可能なほどに小さいということである。基本的に体長は平均1mm以下、最大のものでも5mmしかない。科名MymaridaeのMymarもギリシャ語で「点」を意味する言葉から来る。あまりに小さいので普遍的に存在してもその姿をほとんど確認できない。そのことからホソハネコバチは英語ではfairy wasp、つまり妖精のような蜂と呼ばれる。
今のところ全種が他の昆虫の卵に寄生する寄生蜂である。かなり原始的な存在であり1億年前の前期白亜紀から化石で存在している。多くが熱帯雨林に生息するが、中には砂漠や水中に生息するものもいる。
触角が長く、オスは細い糸状でありメスは先端にコブのようなものがある。メスはこの触角で宿主の卵を探し出す。現在知られる中ではツノゼミやカイガラムシの卵に寄生しているのが知られているが、大体は特に決まった種に寄生するわけでは無いらしく、研究不足もあってどれがどれに寄生するとかはよくわかっていない。完全完全変態であり、宿主の卵の中で幼虫期と蛹期を過ごす。成虫は宿主の卵から出るとすぐに交尾相手を探し、数日で死んでしまう。一応、口はあるので食事は可能。
現在知られる中でも最小の飛行昆虫とされるキキキ(Kikiki huna)の体長は0.15mmと、驚くべきサイズになっている。ハワイに生息する種であり、Kikikiもhunaもハワイの言葉で極小であることを指す。
また、羽がなく飛行能力は持たないが、Dicopomorpha echmepterygisという種のオスは体長が0.139mmのものも確認されている。もはや単細胞生物のゾウリムシの方が大きい。
宿主となる昆虫の卵を探す力が優れていることと、決まった特定の宿主に依存しないことから、害虫駆除に役立っている。人為的な導入によりサトウキビ畑やブドウ畑の害虫を大きく抑制できたケースもある。