「私ね…なんだかそういう『家族』ってもの、いいなぁ、って思うの。」
プロフィール
概要
奏章Ⅰ『虚数羅針内界ペーパームーン』に登場するキャラクター。
ペーパームーンの内部に発生した仮想世界にて繰り広げられる「AI聖杯戦争（システム・グレイルウォー）」に参加する上級AIで、『修理部（リペア）』の筆頭AIを務めている。
バーサーカー・ドゥリーヨダナのマスターであり、キャスターと交戦中のところを主人公たちに助けられ、以降共同戦線を張ることになる。
人物
褐色の肌に、紫色の髪と水色のインナーカラーが特徴的な少女で、医療部のAIらしく白衣を身に付けている。
マスター化する際の乱数器(ランダマイザ)補正によって、元気で活発な少女の方向性を得ており、バーサーカーには割と舐められており、兄妹のような関係性を築いている。
治療タイプの筆頭としては当然に「誰かを治療(修理)する」ことを自らの役割だと考えており、その実行と完了に喜びを感じており、目の前で命が失われることを何よりも恐れている。その意識は敵であるはずの者にまで及んでおり、本編では故障で苦しむサクラを助けようとするなど、その本質は優しさで満ちている。
元々他のAI同様に名前は無かったが、ドゥリーヨダナによりサンスクリット語で『生命』を意味する「アーユス」という名を付けてもらい、彼女自身もそれを気に入ってそう名乗っている。
彼女はAlながら「家族｣という概念を「温かくてほっとする」と興味を抱いており、聖杯戦争の勝利にかける願いは「家族が欲しい」という願いであり、ラニシリーズたちを家族のように思っている。
関連タグ
聖杯戦争の終盤、ラニ=Ⅻの口からこの戦争の参加者は『ある人物から抜き出した一側面であるアルターエゴ』という事実が語られ、彼女はその中でも実験的な存在であることを明かされる。
その正体
ラニ=Ⅻを裏切り、夫であるシヴァの降臨を目論むカーリーを止めるためにドゥリーヨダナはカーマやビーマと共に立ち向かうが、歯が立たずに瀕死の重症を負うことになる。
それを助けようと奮闘するアーユスであったが、損傷が激しすぎて治療は不可能に思われた。
そこで彼女は自分とドゥリーヨダナを繋げ、無理矢理治療を施そうとする。
本来はAIとしての規格や構成の違いから不可能であるはずのこの行為だったが、何故か成功した。
ドゥリーヨダナは予想外の事態に困惑しながらも、そこでアーユスの正体に辿り着く。
ドゥリーヨダナ「まさか……お前なのか？」
その正体は、マハーバーラタにて語られる百王子、その末妹であり唯一の女子であるドゥフシャラー。彼女は孤立(アイソレート)の実験方向性によって作り出された仮想人格、すなわちAlterego Isolated型のマスターである。
ドゥリーヨダナには兄弟である百王子の霊基を潜在的に内包するという特性があり、そこから分離された末妹の要素がアルターエゴ・マスターとして人格を与えられたのがアーユスという存在であった。
それ故に厳密にはドゥフシャラー本人ではない（容姿も生前のそれとは当然異なるため、ドゥリーヨダナは判別できなかった）が、生前の人格・記憶は内包されており、ドゥリーヨダナと霊子的に接続したことでそれが顕在化し、自身の正体に気付いた。
そして彼女の願望であった「家族が欲しい」という欲求。
その正体は夫であった王も、自分の兄弟たちも全員が自分の知らないところで死んでしまった
という経験に基づくものだった。
ドゥリーヨダナの治療後、彼女は限界を迎え消滅寸前に至ってしまうが、
残しておいた令呪に思いを乗せて主人公たちと共に聖杯戦争の結末を見届ける。
その結果はビーマとドゥリーヨダナの相打ち。
勝者のいないイレギュラーな終わり方となったものの、彼女は今度こそ家族を看取るという最大の願望を叶え、兄と共に笑顔のまま消滅した。
以上のことから、カルデアで召喚されるドゥリーヨダナにもドゥフシャラーの霊基情報が混ざっていると推測するマスターは多く、奏章Ⅰクリア後は絵師も共通する彼のように陰ながら実装を望まれている。
