プロフィール
※ このプロフィールは本百科の推測であり公式によるものではないため注意。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。
奏章Ⅰ『虚数羅針内界 ペーパームーン』にてNPCとして登場しており、マスターと共に殺戮の限りを尽くす。そして中盤では巨大な怪物と化し、全ての陣営が協力して戦うという中ボス枠となる。
真名
ペロー童話の1つに登場する裕福な貴族にして、名もなき猟奇殺人鬼、『青髭』。
物語は、1人の娘が青髭と結婚するところから始まる。青髭には「結婚した妻が行方不明になっている」という不気味な噂があったが、青髭の家は豪勢で彼との暮らしは何一つも不自由がなかった。
しかしある日、青髭が家を留守にする際に青髭は家の鍵全てを娘に預けて「小さな鍵の部屋だけは入ってはいけない」と言って出かけて行った(恐らくこれが犯行の常套手段だったか)。娘は家の中で暮らすが、しばらくして小さな鍵の部屋のことが気になり、好奇心のままに鍵を開けてしまう。
……その部屋は血まみれであり、そこには大量の女性の死体がぶら下げられていた。
その女性は、これまで失踪していたという青髭の過去の妻であった。娘は慌てて鍵についた血を拭おうとするが、この鍵は魔法の鍵で、血が絶対に取れなくなっていた。やがて青髭が帰宅し娘は誤魔化そうとするも、部屋に入ったことに気づかれ娘は青髭に殺されそうになってしまう。しかし、そこに竜騎兵と近衛兵である娘の兄達が現れ(元々尋ねる予定ではあった)、青髭は殺害された。
人物
嘗て登場したイースのライダーやメガロスなどと同様、元となるサーヴァントに召喚段階から改造を施すことで、別の中身に置換した試作実験体。ゆえに姿はセイバーのジルそのものだが、人格・性格・記憶のいずれも全くの別人で、一人称は「私」ではなく「俺」。正体を明かした後は、立ち絵もジルのものではなく「青髭」としての全く別のものに変更される。女性を殺すことに対して快楽を覚えている殺人鬼で、同じ危険人物でも本来のキャスターのジルとは理念や信条の差異が大きい。
このような変質が実現したのは、一説において「青髭のモデルはジル・ド・レェである」とされているためで、その伝承が習合した部分のみを一点抽出した、アルターエゴにも等しい存在である。
そして、ジルとの最大の違いは「ジャンヌ・ダルクに対して何も想っていない事」。青髭の童話自体には関係がないジャンヌの話を振っても、特に関心を示さない様子からそれが窺える。シオンに質問された際は「誰だ、それは?」と答えているので、そもそもジャンヌの知識さえない可能性も。
能力
剣による白兵戦と使い魔による物量戦を併用という、まるでセイバーとキャスターを折衷したようなスタイルであるのだが、剣術・魔術どちらも英霊ジル・ド・レェのものと性質が異なっている。使い魔は、海魔ではなく「蠢魔(しゅんま)」と呼ばれる赤紫のタコに似た怪物を使用している。
またマスターが致命傷を与えられて撤退した際の台詞によると馬車を保有している模様。
キャスタークラスでありながら筋力がAランクという高ステータスを叩き出しており、無限湧きする蠢魔と併せて攻撃性が非常に高い。ただし後述する宝具の性質上燃費が悪い上に、基本戦術が蠢魔の数に任せたゴリ押しな為に、蠢魔より強い敵を相手取るとアドバンテージを崩されやすくなる。
リンボやゴッホのように、英霊本人の意志・衝動を無視した側面抽出は「人間の精神」として欠落が大きくなり易いとされ、このサーヴァントも精神に基づく総合的な能力は本来のものより低下した「実験としては失敗」の扱いになる模様(後述する宝具のようにやばい性能の能力もあるが)。
モーション中では、紫色のエネルギーを纏った剣術と地面から出現した触手による打撃を併用しており、触手を硬化させて槍のように串刺しにすることも可能(その後、剣で串刺しにしている)。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
マキリ | A | D | C | C | B | B |
宝具
魔法の鍵にて開かれる禁忌(フォービドゥン・レッドルーム)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大補足:不明
「我が秘密の部屋より、見てはならぬ禁忌(きんき)が……今、溢れ出す。『魔法の鍵にて開かれる禁忌(フォービドゥン・レッドルーム)』ゥゥ……!!」
青髭が殺した妻達6人の死体を天井に吊るして隠していた、秘密の部屋に由来する宝具。
ジルの宝具『螺湮城教本』と結びついたのか、触手生物の使い魔を召喚する効果である。
演出は、喚び出した触手の濁流で敵陣を押し潰すという、キャスターのジルに酷似した攻撃。
効果はほぼ同じだが、本の形をしていたものが形のないスキルに変質したことにより、
「装備として常に持っている必要があるが、独立した魔力炉があり燃費が良い」
↓
「魔力の消費が多く補給が必要だが、武器を使う時に邪魔にならず接近戦に有利」
……という具合に使い勝手が全く異なる。
消費については大勢のR.A.N.Iシリーズから魔力を奪ってリソースを溜め込むことで補っている。
後にマキリの改造によって無数の蠢魔と融合して超巨大蠢魔となる能力を獲得。
どことなく間桐の蟲(修正前)を思わせる口がそこかしこに開き、頭部と思しき部位には青髭の伝承の通り彼の元妻たちを模したと思しい女性型のナニかが複数体晒されているという、普通にキモイ蛸ないし烏賊止まりだった本家を凌駕しうる、中々に悍ましい(いやらしい)容姿に変貌する。
蠢魔と合体すると魔力を求めて暴れるだけの単純な行動しかとれなくなるのだが、その圧倒的なサイズ差は複数のサーヴァントが協力しても止められないという、災害にも等しい威力を発揮する。巨大化した蠢魔はそのまま青髭を守る肉壁として機能しており、本体が内部を動き回りながら蠢魔を追加召喚し続けることで、核となる青髭だけをピンポイントで倒すのが更に難しくなっていく。
一方で、宝具を常時フル稼働させている関係で燃費がさらに悪化、マスターからの魔力供給が途絶えると青髭の霊基ごと自壊する危険がある。ただしマスターも融合してしまえばこの弱点は突けなくなり、超巨大蠢魔を一撃でまるごと吹き飛ばす規模の攻撃手段でもない限り撃破するのは困難。
余談
セイバーのジルとは立ち絵・服装が同じだが、バトグラのポーズや戦闘モーションが違っていたために「モーション改修が入ったのでは」と、マテリアルを確認しにいったマスターが一定数いた。
劇中では「無辜の民を傷つけ過程を楽しむ」「巨大な怪生物と化して暴走」「監督役に危険視されて残存陣営全てに令呪を報酬とした討伐要請が出される」「先に自身のマスターが不意討ちで倒れる」など、意図的に『Zero』でのジル・ド・レェに似せたポジションを充てられているものと思しい。