プロフィール
概要
奏章Ⅰ『虚数羅針内界ペーパームーン』に登場するAI。
舞台であるペーパームーン内部仮想世界を動かすAI「R.A.N.Iシリーズ」たちを管理・監督する総合統括者であり、彼女達のコピー元でもある最初の一機(プライマリAI)。
中央部の教会を居所(アドレス)としており、自己診断・成長プログラムにより適宜アップデートが可能な設計。
「AI聖杯戦争(システム・グレイルウォー)」の監督役でもある。
元々はシオン・エルトナム・ソカリスがアトラス院から持ち出しカルデアに提供した礼装「虚数羅針盤ペーパームーン」の運営AIが「人理定礎盤」へと改修された事で発展したもの。
そのアバターと人格は、アトラス院で活躍していたホムンクルスのラニ・シリーズをモデルにしている。
R.A.N.Iシリーズ
- ラニ=R
アーユスが筆頭を務める「修理部(リペア)」に所属するナース服姿の治療型AI。タイプR(Repair)。
筆頭AIと同じく、基本的に他AIの修理の実行を自らの使命と考え、その完了を喜びとする精神性を持つ。
「チェック」「レポート」など、第一声で会話の内容定義を行うことが多い。
ソフトウェア・ハードウェア問わず、AIの修理領域に関しては非常に高度な機能を有している。
所在はそれなりにフレキシブルであり、修理部区画で損傷したAIの来院を待っていることもあれば、他区画からの要請を受け往診的待ちに向かうこともある。
また、想定外の事象に対処するため、ローテーションを組んで他の区画を見回るようにもしている。
損傷AIのいない他の区画でも彼女らを見かけることがあるのはそのためである。
- ラニ=D
DXが筆頭を務める「警防部(ディフェンド)」に所属する警備員姿の治安維持型AI。タイプD(Defend)。
AIたちやこの世界に被害を与えるおそれのある悪性データ(バグ)やその他の物理型障害に対処し、場合により実力による排除を行うのが役割。
基本装備として、ラニメントを動力・弾丸に用いた治安維持アクセサリ(携行火器)を所有する。
個々のAIによって僅かなバージョン違いが存在する。
真面目な警官や軍人のように、機能的で無駄のない喋り方をする。
しかし冷徹なわけではなく、それは自分たちが世界の存続に関わる重要な任務に就いているのだという自負、真面目さの表れである。
警防部詰所での待機任務、パトロール任務に加え、通報があれば世界のいかなる場所にも駆けつける。
ペーパームーン世界における、頼りになる警察官たち。
- ラニ=DX
警防部の筆頭AI。
治安維持型であるタイプDのAIとしては当然に、世界の平和を守ることを最優先に考えている。
必要最低限のことのみを口にするような、堅物な仕事AIにして真面目AI。
タイプDの中でも特に危険な任務にあたることが多いため、特別な治安維持装甲に身を包んでいる。
アーユスたちの要請を受け、「DX」との識別名を設定した。
- ラニ=T
ライノール・グシオンが筆頭を務める「移送部(トランスファー)」に所属するジャンパー姿の運搬型AI。タイプT(Transfer)。
情報や物体を必要に応じて各区画へ運ぶ役割を持つ。
他のどのAIよりも長く、速く移動する必要があるため、各自にミニバイクのような移動用プログラムアセットが紐付けられている。
どことなくとぼけたような掴み所のない口調。
AIにしては珍しく「独自性」を求める性質があり、各自の優秀さをアピールすることに抵抗がなく、「スピードスター」や「一番」などに対するこだわりを持つ。
とはいえ同タイプである以上、性能差はほとんど存在しないため、チップとして配達先から何かを貰うことを喜びとしている
(装飾や補給マテリアルなど、形あるものだとより嬉しがる)
- ラニ=K
セレシェイラが筆頭を務める「維持部(キープ)」に所属する料理人姿の給仕型AI。タイプK(Keep)。
マテリアルをAI向けの補給用の形状、エネルギーバーのようなものに変換する職能を具えている。
これまではその補給マテリアルの安定供給・品質維持こそが大事というスタンスであったが、ランサーの「料理」に触れたことにより、それ以上の味覚的な部分に対しても向上心が湧いてきた様子。
- ラニ=G
サクラが筆頭を務める「生産部(グロウ)」に所属するケープ姿の農耕型AI。タイプG(Grow)。
ペーパームーン世界における物質的根幹である「マテリアル」を生産する役割を持つ。
マテリアルの発生方法は複数存在するが「地面から生える」「木に生る」等、外界における農産物に似た性質を持っているため、必然的に生産部のAIたちは「農業従事者」に近い立場となる。
真面目で勤勉な働きっぷりを見せるが、忙しない動きは苦手。
他のタイプ以上に大らかでのんびりとした性格、口調。
- ラニ=B
マキリが筆頭を務める「構築部(ビルド)」に所属する救命胴衣姿の建築型AI。タイプB(Build)。
ペーパームーン世界における物質的根幹である「マテリアル」を用い、様々なものを作り出す役割を持つ。
その対象は建物のような大きなものから、手に持てるような道具まで様々。
事前設計、実際の建築や作製に至るまで完璧にこなす技術職。
総じて職人気質の一面を持ち、どのAIタイプよりも無口。
必要のないことは喋らず、感情も出さない。
しかしその仕事っぷりは確かであり、仕事の出来には密やかなこだわりを持っている。
関連タグ
真相
聖杯戦争の裏で暗躍していたアーチャー・ドゥルガーのマスターにして、今回の元凶の1人。
実はAI聖杯戦争とは「Alterego Increase」、すなわち「アルターエゴクラスのサーヴァントの増産」を目的とした儀式であり、参加するサーヴァントもマスターも、彼女がペーパームーンとドゥルガーの機能を応用して作成した「人工アルターエゴ」である。
そこまでした理由にはこれから最終決戦に向かうノウム・カルデアに対して「人理を救うには、現状のノウム・カルデアの戦力ではシンプルに不足している」という計算結果が根底にある。
戦力不足を補うため、これまでの記録からアルターエゴの特異性に目を付けた彼女は、「召喚した英霊の形質を遠心分離させ、1人の英霊から複数体のアルターエゴを生み出していけば、事実上無限に戦力を増やせる」と結論。さらに「アルターエゴを使役するマスターの人格」を考慮し、カルデアのデータベースなどから集積した人格データを元にそれぞれ多様な方向性を持たせたAI「アルターエゴ・マスター」を生み出した。
しかし、そのために延々とAI聖杯戦争を繰り返す、「元の人格からの借り物」として参加者たちの望みを蔑ろにする感情の軽視、ドゥルガーを介してイレギュラーとなり得る存在を排除するという強硬姿勢、そして実現可能か解らない机上の空論でしかないアルターエゴ増産のために偶然巻き込まれた上に人理修復の為に必須かつ代替の利かない人材でもあるカルデアのマスターすらも使い潰そうとする本末転倒な方針を明かしたことで、残っていた3騎のサーヴァントとマスターたちに反逆される。
自らの機能をマスターとして最適化した形態「オシリスの塵」となり、聖杯からの魔力供給と自身の権限によるバックアップでドゥルガーを支援。
それでも倒れることのない3組を粛清しAI聖杯戦争を仕切り直そうと、他のAIから強制徴収したラニメントを供給してドゥルガーを強化しようと試みる。
だが、実際には彼女自身も真の黒幕であるドゥルガー/カーリーに利用されていただけに過ぎず、暴走するカーリーと繋がっていた彼女は機能を大きく損傷。
カルデアのマスターがカーリーを止めるべく応戦する最中、シオンの応急処置を受けながら、彼女は己の敗因を悟り、答えを得る。
ラニ=Ⅻ自体が、人類を救うという方向性に偏ったことで生まれた「救済」のアルターエゴであること。
アルターエゴの機能的利点ばかりに目を向け、彼らの人格・感情を計算に含めなかったこと。
自分が作った人工アルターエゴは精神性にムラがあり、キャスターやライダーのように本来の性能を十全に発揮できない可能性が高いこと。
すなわち「AI聖杯戦争は失敗である」という結論を。
最終的に全てのサーヴァントが力尽き、勝者なしという形でAI聖杯戦争は終結。答えを得たラニ=Ⅻは、唯一残った筆頭AIセレシェイラに権限を譲渡し、管理者であるシオンからの賛辞を胸に消滅していった。
ネタバレ込みの余談
ファミ通の情報で仮にアルターエゴ無限増殖計画が成功したとしても、それでラスボスに勝てるかはわからない、戦いは楽になるが、アルターエゴもいずれ飽和するとの事。
奏章Ⅱ『不可逆廃棄孔イド』でアヴェンジャークラスのサーヴァントが一斉に退去したことから、戦力不足について懸念する声も増えている。