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冷笑系の編集履歴

2023-10-17 11:08:55 バージョン

冷笑系

れいしょうけい

人の情熱・善意を蔑み笑ったりせせら笑う態度・言説のこと。

概要

「冷笑系」とはなんらかの主張や意識、とりわけ政治的・社会的なものを上から目線でカッコつけて、冷ややかに笑いの種にしたり侮辱したりする人物や、そうした人々に特有の発言・態度を指す。


一般的にはシニシズムと呼ばれるスタンスの現代的な変形種である。


wikipediaでは、冷笑主義の英語版からの翻訳記事で、「他人の動機に対する一般的な不信感を特徴とする態度」であり「野心、欲望、貪欲、満足感、物質主義、目標、意見などの動機を持つ人々に対して一般的な信念や希望を抱かず、それらを虚しく、達成することのできない、究極的には無意味なものであると認識し、嘲笑や非難に値すると考えている」ものだとしている。


冷笑系の人物は、現状改革のための何かに熱心に取り組む人や、真剣に何かの主張をする人、或いは熱意が高じて感情が高ぶっている人などを忌み嫌い標的にする。


そういった人たちに対してなにかと粗捜しをしたり、独りよがりだとあざ笑ったり、内容ではなく感情的になっていることを悪であるかのように形容したり(いわゆるトーン・ポリシング)、「意識高い系(笑)」とレッテル貼りをしたり、相手の主張にいちいち揚げ足を取るのを特徴とする。


夢を達成しようと取り組む人には「馬鹿馬鹿しい」「無駄な努力」、善意の行動をとる人には「偽善」といった具合にシニカルな動機が隠されていると決めつけるなどである。


名称の由来でもあるが、直接的に罵倒するというよりも対象の意欲や動機そのものを嘲って冷水を浴びせかけるかのような悪意を向けるのが特徴である。


特徴

  • 「正義の暴走」という表現を非常に好み、正義を嫌悪している。
  • 自らの立ち位置を対立を俯瞰する場に位置付け、バランス感覚のあるように装う、自分自身の立ち位置を周囲にわからないようにしている。
  • 社会的熱意に対して突き放したような言動を取る。現実主義者のように見せかけている。
  • 現状改革の努力を無意味だと嘲る。
  • 何故そういう態度を取るかといえば、格好付けたいだけか、やる気に満ちた人間が心から嫌いな陰キャだからである。

冷笑主義と2ちゃんねるとの関係

冷笑主義の一大増殖地となったのは2ちゃんねるである。


もともと2ちゃんねるではレスバトルに夢中になって口調がヒートアップしきたり相手への返答として投稿が短時間に連続すると、その人物を「必死になっている」「顔真っ赤」と嘲笑したり相手の怒りを誇張することで、相手の意欲そのものを侮蔑してマウントをとることが一般化していた。


2ちゃんねるでは「賢い奴はどんな時でも感情的にならずクールである」「怒っている奴は低次元で馬鹿」という思想が充満しており、とにかく他者の意志や熱意を毛嫌いして馬鹿にするカルチャーがある。


加えて、2ちゃんねるは建前上「書き込んでいる中の人はいない」ことになっている設定の匿名空間であるが、こうした匿名状況は「発言者自身の属性を一切覆い隠す」という効果をもたらす。

このことが、顕名の通常議論では起こりえないような「(この世のすべてを「ネタ」として消費することすら厭わない)無責任なまでの傍観者目線」「自己への批判を回避しながら一方的に相手を批評する権利」を2chユーザーに与えることになった。


2chでレスバに負けない方法は、自己の主張を一切持たず、「あくまでもネタ」という不誠実なスタンスを装い、ボロを出さないようにしながらひたすら相手がミスをするのを待つか、誰でも腹を立てるような不必要で失礼な発言によって冷静さを失わせてミスを誘い、僅かでも語調が荒くなれば「勝利宣言」を行うことである。このような議論とも言えない独特な中傷合戦は、やがてネット作法として定着していった。


冷笑主義それ自体はイデオロギー性がないが、これが当時流行の新自由主義や自己責任論、架空戦記的なミリオタ趣味と結びつくことでヘイトイデオロギーを持った冷笑系が台頭。現在の某国への悪口で24時間消費するインターネットに繋がっている。


2ちゃんねる衰退後も続く冷笑主義

こうしたアングラ空間のネットマナーが日本語圏のネットユーザーの基本的態度に影響してしまったために、後に発展したニコニコ動画などのコミュニティやTwitterなどのソーシャルメディアにもそのノリをそのまま持ち出す人が少なくなかった。


2ちゃんねる管理人の西村博之自身も冷笑主義の達人であり、西村を代表する「それってあなたの感想ですよね?」という発言は、まさに冷笑系を象徴する言葉である。2ちゃんねる衰退後も西村の影響で2ちゃんねるを知らない若年層にも広まりつつある。


関連タグ

冷笑 ニヒリズム


トーン・ポリシング:社会的課題について声を上げた相手に対し、主張内容ではなく、相手の話し方、態度、付随する感情を批判することで、論点をずらすこと。「話し方警察」とも呼ばれる。冷静な議論は必要だが、「自分は冷静である」「相手は感情論に走っている」というレッテル貼りを行うのは議論の内容ではなく印象操作で有利な地位に立とうとする口達者な人間の手法であるから注意しなければならない。

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