概要
プラットホームをプレイステーション2に移したシリーズ第三作。
シリーズで初めて女性の主人公を起用したのが特徴。
テーマは「想い出」。
基本的なシステムは前作を踏襲しているが、ミーディアム関連のシステムが全面的に見直され、キャラクターのアビリティを個別にカスタマイズ出来るようになっている。
戦闘では「クロスファイアーシーケンス」システムを採用し、敵味方共に特定のポジションで棒立ちで戦うのではなく、戦闘フィールドを縦横無尽に駆け回る演出が成されている。
また、乗り物に乗った状態で戦闘が発生し、一部の乗り物は特殊な戦闘システムでバトルが進行する。
ハード変更による解像度の向上によって、漢字にルビがふられるようになっている他、ラスボスの形態(実質11形態)の多さも語り草の一つとなっている。
ストーリー
舞台は、海が全て砂漠と化し荒野が広がる「ファルガイア」。
そんな世界でも「渡り鳥」と呼ばれる、危険と浪漫を求める冒険者達がいた。
そして、新しく渡り鳥が誕生した。
彼女の名はヴァージニア・マックスウェル。裕福な家庭に育つも、10年前に失踪した父を追うように、渡り鳥となる道を選んだのだった。
荒野は強き者のみが生き残れる世界、その現実に戸惑いながらも、理想と信念を貫くことを彼女は誓う。
登場人物
四人の主人公たち
プロローグネーム【一等客室の少女】
出身地:ブーツヒル
18歳、幼い頃から父親に銃(ARM)の使い方を教え込まれる。
しかし、その父親が消息不明となるも何処かで生きているのではないかと思い「渡り鳥」になることを決意する。
旅立った矢先、たまたま機密物を運搬する列車に乗り合わせてしまったところから物語は始まる。
プロローグネーム【車窓を蹴破ってきた少年】
出身地:不明
年齢は不明(見た目的に15歳)で過去の記憶など一切ない。
ウェルナーという男から銃(ARM)や戦い方を教え込まれ、一人になってからは「渡り鳥」として世界を彷徨い歩く。
偶然に入手した情報により機密物運搬の車両へと忍び込む。
プロローグネーム【機密物警護の渡り鳥】
出身地:ハンフリーピーク
31歳の男。不精髭を生やし爽やかな笑顔と丁寧な口調で話す青年。
危険と隣り合わせの仕事をこなす「渡り鳥」であり、一度請け負った依頼を最後までこなすのがポリシーでもある。
そんなとき、機密物の警護を依頼され運命の交差点(ヴァージニアたちとの出会い)に遭う。
プロローグネーム【貨物室に隠れていた不審人物】
出身地:バスカーコロニー
24歳、ガタイの良いバスカー民族を着崩した男。
新聞に載っていた機密物「アークセプター」が護送されることを知り驚く。なぜなら自身が持っているのもまた「アークセプター」だったからだ。
これが本物なのか、それとも護送されるのが本物なのかを確かめるべく、機密貨物車両へと侵入しようと試みる。
サブキャラクター
渡り鳥チームの一角【カスケード興産】のリーダー。
裏切り、殺しなど悪い方で有名。
アークセプターの強奪を依頼され、ロメロとダリオを引き連れ機密物車両にやってくるもヴァージニア一行と出遭い、相容れないとお互いに判断し敵対する。
元々、四人チームだったがルチオという人物が既に亡くなっている。
渡り鳥チームの一角【シュレディンガー一家】
煌めく宝石を主に探し出す女渡り鳥。
常に考えていることは宝石やお宝のことで、世界の命運などは『正義の味方』に任せれば良いという達観した考えの持ち主。
腕は一流で、情報収集能力、戦闘での判断分析に加え強靭な精神力を併せ持つ。
しかし、その一方では『思い込み』が激しく懐に持ち歩いている本の登場人物に成りきってしまうほど。
チームに弟のアルフレッド、護衛のトッド、ペット(?)のシェイディを引き連れている。
ロンバルディア
異界からやってきた半生体半機械構造体をしたドラゴンの生き残り。
ドラゴンズ・レアの山頂に住み、目の前に現れた人間に試練のように問いかける。
しかし、自らの意にそぐわない者は忽ち命を獲られるということで怖れられている。
仲間になると空を自由に飛べるようになる。
敵対勢力
リヒャルト・アルカエスト(画像真ん中の下)
色白で常に口元を隠している怪人。
三人の預言者たちの実質、中心人物でもある。
その正体は【七人委員会】の一人でファルガイア環境再生の研究に携わっていたが、とある実験の果てに身体を【秘学(ロストテクノロジー)】によって造り変えた。
魔族を「カミ」と信奉し、その知識を集めた情報ライブラリィ【ヒアデス】を使って魔族を蘇らせようと企む。
マリク・ベンディック(画像左の長身の男)
リヒャルト、ミレディと共に魔族を「カミ」として信奉する預言者の一人。
常に嫌味な笑みを浮かべ、口も軽くミレディがヒステリーを起こしているなどヴァージニアたちに漏らしていた。
そして、大の母親好き(マザコン)であるが、すでに故人のため、生体研究のクローンとして蘇らせようとするが肝心の「想い出」(魂とも捉えるもの)が無いので完全に復活出来ずに実験は停滞していた。
ミレディ・ヴァレンティ(画像右の女性)
リヒャルトとマリクと共に魔族を「カミ」として信奉する預言者の一人。
誰が見ても美女と思われるが、実は過去の実験事故により身体を造り変える際に顔も変えていたがクライヴに諭されたせいか「美」という言葉やもの(世界)に更に執着を持つようになる。
アースガルズ(真ん中上の大男)
ライブラリィ【ヒアデス】の智慧により造られたゴーレム。
主を守るためにプログラミングされ、腕に装着された絶対防御【対消滅バリアー】を扱う。
最初は無口だったが、次第に言語を覚え人並に喋れるようになると戦いの中で『感情』が芽生える。
通称【蒼の脅威】
ギャロウズの弟シェーンが夢視で予言していた凶悪な魔族。
三人の預言者たちの降魔儀式(ダウンロード)により蘇る。ファルガイアを魔族の世界にした後、新たなる闘争の世界へと侵攻しようと企てる。
魔槍【グラムザンバー】を持ち、脅威的な技「ネガティブレインボウ」を放つ。
電界25次元(人の夢の中)でしか活動が出来ない夢魔。
本作のラスボスでもあり、物語の根幹から暗躍する黒幕でもある。
情報ライブラリィ【ヒアデス】の智慧を七人委員会よりも早く読み解き、それを利用して世界環境再生計画『ユグドラシルシステム』へと介入を謀り暴走させ世界を荒野と砂の海にした張本人でもある。
目的は『自分が存在出来る現実の世界』を造ることであり、ファルガイアに生きる人間たちの『想い出』を奪おうとしていた。
ゲームでは単なる悪役として退場したが、小説版ではラストバトルの後にヴァージニアと和解するシーンが追加された。