概要
アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツを操作して、地球連邦軍側とジオン公国軍側にわかれて戦う3Dアクションゲームである。広義では対戦型アクションゲームに分類される。
当時としては画期的な2対2の最大4人で同時プレイが可能で、僚機との連携が重要となっている、
特異なゲーム性がある。
また、演出面も凝っており、モビルスーツが本編で見せた動きをしたり、BGMは原作のもの(何曲かはボーカル付き)流れ、雰囲気を盛り上げている。
システム
機体ごとにコストが設定されており、撃墜されるとコスト分戦力ゲージが減る。
例)ガンダム 375コスト ガンキャノン 250コスト
敵軍の戦力ゲージを0にすれば勝ち、自軍のゲージが0になると負けとなっている。
対戦の場合は両軍共に戦力ゲージ量は600、CPU戦ではステージにより相手のゲージ量が変動する。
1人で遊ぶ場合はCPUが操作する機体が僚機として登場する。
CPU戦の場合はステージごとに決まった機体が登場(一部高難易度ステージでは僚機なしの場合もある)し、対戦の場合はランダムとなる。CPU僚機はコストが通常の半分となっている。
なお、地上戦と宇宙戦があり、2機体を選ばなければならない(宇宙戦では使用できない機体もある)
こちらは続編となる『エゥーゴVSティターンズ』でも同じ方式である。
本ゲームには水中ステージが存在しており、通常の機体は機動力が落ちるというデメリットが発生するが、水陸両用機体(ズゴック、シャア専用ズゴック、アッガイ、ゴック、ゾック)には、そのデメリットの影響を受けにくく、ブーストゲージが無限になるという特性がある。
人間との対戦で連勝した場合、連勝している側の攻撃力・防御力が少しずつ低下していく連勝補正がかかるという仕様がある。
一部のモビルスーツは、耐久力が低下すると攻撃力と防御力が向上する根性補正がかかる。
上昇率は根性値と呼ばれる。高コストの機体ほど根性値が高い傾向にある。
続編「機動戦士ガンダム連邦vs.ジオンDX」
初代連ジ稼働から約半年後の2001年9月14日に稼働開始。通称「連ジDX」
初代連ジからモビルスーツ、ステージの追加と全ての機体にバランス調整が入っている。
主な調整点として
・初代連ジで最強だったシャア専用ゲルググの弱体化。
・永久コンボの削除。
・機体数の少なすぎた連邦軍側に新機体3機を追加。
・鹵獲モードの追加(これにより連邦軍側でジオンの機体を使えたり、またその逆も出来る)。
などがある。
登場モビルスーツ
連邦軍
ガンダム
ガンキャノン
ガンタンク
陸戦型ガンダム
陸戦型ジム
ボール
ジオン軍
旧型ザク
ザク
シャア専用ザク
グフ
ズゴック
シャア専用ズゴック
アッガイ
ゴック
ゾック
ギャン
ドム/リック・ドム
ゲルググ
シャア専用ゲルググ
ジオング
家庭版限定機体
Gファイター
Gスカイ
Gブル
アッザム
ビグ・ザム
グラブロ
ザクレロ
ビグロ
ブラウ・ブロ
エルメス
本作から生まれた単語
ビグ・ザムの大型メガ粒子砲がゲロに見えることから、プレイヤー間でそう呼ばれることになった。
主に、口のような部分から発射するビームまたは、攻撃判定が持続する照射系ビームの総称として使われるが、最近は後者の意味合いの方が強い。
ズンダ
メイン射撃の硬直を着地の硬直に上書きし、メイン射撃を連射するテクニック。
後年では、着地でキャンセルする以外のキャンセルで連射するときにも使用される。
名前の由来は諸説あるが、概ね「ずんだ餅」が由来と言われている。
シャゲダン
自機を左右に激しく振る煽り行為。
シャア専用ゲルググが左右に揺れやすく煽り性能が高いことに由来する。
ガンダムビルドダイバーズRe:RISEのアニメ内で、視聴者コメントの中で登場するなど知名度が高い。
基本的に煽りと受け取られ、リアルファイトに発展しかねないので、身内戦以外ではしないように。
モンキー
特定の体勢でビームを撃つと、通常より少し斜めに発射されること。
これを利用し、ステップした敵機を予測撃ちするテクニック。主にタイマンで使用された。
名前の由来は、有名な物理の思考実験「モンキーハンティング」から。
元々、初代連ジからあった「ビームが通常とは違うところから発射されるバグ」がDX以降の
修正時に意図的にテクニック残されたという。
影響
連ジは、レバー+4ボタンで初心者でも軽快に動かしやすく、操作が複雑化した格ゲーより初心者が参入しやすく、若者から社会人まで幅広い年齢層がプレイしていた。
当時格ゲーブームが終わり、閉店するゲームセンターが後を断たなかったが、連ジのヒットで
再び息を吹き返し、閉店を免れたゲームセンターもあったという。
後述するPS2版は売り上げ81万本とガンダムゲームの中で最も売れたゲームであり、
続編のエウティタや連ザもそれなりの売り上げを誇っている。
家庭版
2001年12月6日にはPlayStation 2にて家庭用版『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオンDX』が発売され、一人用に特化したミッションモードや通信回線を介してアーケード版と同様に4人同時対戦が可能だった(2004年8月2日にサービス終了)。
また、初代連ジとDXをそれぞれGD-ROMに収めた2枚組のドリームキャスト版『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン&DX』も2002年4月11日に発売されている。こちらはオフラインは1人プレイ専用でPS2版でできていた2人対戦ができない(マルチマッチング対応ソフトであったが2004年8月2日にサービス終了)。しかし、ドリームキャストは連ジのNAOMI基板と互換性がある為、移植の精度が高い。
また本作はバンダイのセガ製ハード最後のゲームソフトであった。
続編
連ジがもたらした影響は大きくこのシステムを元にガンダムvsシリーズとして様々な作品が作られた。
余談
開発に際しガンダムの権利を持つバンダイに話を通さず、原作者・富野由悠季氏の了解のみを得たという経緯がある。
その為、ヘタをすればお蔵入りになっていた可能性があった、ということが当時カプコンのAC開発部門のトップでもあった岡本吉起氏が自身のYoutubeチャンネルである「世界の岡本吉起Ch」にて語っている。