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井上尚弥の編集履歴

2023-12-26 01:04:56 バージョン

井上尚弥

いのうえなおや

井上尚弥は、日本の男性プロボクサー。

人物

神奈川県座間市出身。大橋ボクシングジム所属。ホリプロとマネジメント契約。

父・真吾は元アマチュア選手の指導者でアマチュア時代は父が経営していた井上ボクシングジムで練習していた。プロ転向後父も専属トレーナーとして大橋ジムに入る。

弟の元WBC世界バンタム級暫定王者で2023年にWBA世界バンタム級王者獲得した井上拓真、いとこの元日本スーパーライト級及び元WBOアジアパシフィックスーパーライト級王者・井上浩樹も同じ大橋ジム所属のプロボクサーである。

(さらに弟・拓真もホリプロとマネジメント契約している。)

入場曲はWham!の「Freedom」、BIGBANGの「BIGBANG」を経て現在は佐藤直紀の「Departure」

2015年には結婚もしている。(2017年に長男が誕生。)


来歴

アマ時代

小学1年からボクシングを始め、高校1年でインターハイ・国体・選抜の三冠を達成し、国際大会でも3年の時、インドネシア大統領杯で初の国際大会金メダルを獲得。国内ではインターハイに加え、全日本選手権でも優勝するなど高校生初のアマチュア7冠を達成した。

2012年にはロンドンオリンピック予選会を兼ねたアジア選手権に出場し、ライトフライ級で決勝まで進むが判定で敗れ出場を逃す。同年、大橋ボクシングジムに入門。

プロデビュー

プロテストはスーパーバンタム級でB級ライセンスを受験したが、実技試験で当時の日本ライトフライ級王者を圧倒して合格、デビュー戦は2012年10月2日にクリソン・オマヤオ〈フィリピン〉と49キロ契約8回戦で対戦した。(A級でのデビュー1987年の赤城武幸以来25年ぶり7人目で10代は初。)

結果は4回2分4秒KOで勝利、プロ転向からわずか3か月でOPBF東洋太平洋ライトフライ級10位、日本ライトフライ級6位にランクされた。

2013年8月日本ライトフライ級王者の田口良一(ワタナベ)と対戦。試合は3-0(97-94、98-93、98-92)の判定勝ちで、辰𠮷𠀋一郎以来23年ぶりに国内最短タイ記録となる4戦目での日本王座を獲得(後にヘビー級の但馬ミツロがデビュー2戦目で日本王座を獲得し記録更新。)。

2013年12月6日、OPBF東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦で、OPBF東洋太平洋ライトフライ級2位のヘルソン・マンシオに5回2分51秒TKO勝ちで王座獲得

世界へ

2014年4月6日、大田区総合体育館にてWBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス(メキシコ)に挑戦、6回2分54秒TKO勝ちを収め日本人男子最速となるプロ入り6戦目での世界王座獲得に成功した(後に元WBO世界ライトフライ級王者田中恒成がデビュー5戦目で王座獲得し記録更新。世界記録はセンサク・ムアンスリンワシル・ロマチェンコが3戦目で世界王座奪取)

2014年9月、WBC13位のサマートレック・ゴーキャットジム〈タイ〉と対戦。11回1分8秒TKO勝ちを収め初防衛。試合後に王座を返上し、階級を上げることを表明。

スーパーフライ級

2014年12月30日、東京体育館でWBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に挑戦。2回3分1秒KO勝ちを収め8戦目での飛び級での2階級制覇。試合後に右拳が脱臼していたことが判明した為、手術を行った。

2015年12月、ワーリト・パレナス〈フィリピン、日本で『ウォーズ・カツマタ』の名で活動〉に2R1:20でKO勝利。

2016年5月、デビッド・カルモナ〈メキシコ〉に12R3-0で判定勝利。

2016年9月、ペッバーンボーン・ゴーキャットジム〈タイ〉に10R3:03でKO勝利。

(ここまでWBO世界スーパーフライ級1位の選手と対戦。)

2016年12月、元WBA世界スーパーフライ級王者でWBO10位の河野公平(ワタナベ)と対戦し、6回1分1秒TKO勝ち。

2017年5月、WBO2位のリカルド・ロドリゲス〈アメリカ〉と対戦し、3回59秒でTKO勝ち。

2017年9月、カリフォルニア州カーソンでWBO世界スーパーフライ級7位のアントニオ・ニエベス(アメリカ)と対戦し、ニエベスの6回終了時棄権によりTKO勝利。

2017年12月、WBO世界スーパーフライ級6位のヨアン・ボワイヨ〈フランス〉と対戦し、3回1分40秒TKO勝ち。7度防衛に成功した

バンタム級

2018年5月、階級を一階級上げてWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル〈イギリス〉に挑戦することが3月6日に都内で行われた記者会見で発表された。(WBOの王座は2月28日付で返上。)

同年5月25日、東京でマクドネルと対戦、減量苦の王者から初回1分52秒にTKO勝利、WBA世界バンタム級王者獲得により日本人歴代最速となる16戦目での世界3階級制覇を達成

WBSSの死闘

マクドネル戦後「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級トーナメント」のオファーが正式に届いて、出場すると宣言した。

後に参戦が正式発表され、初戦は元WBA 世界同級スーパー王者の同級4位フアン・カルロス・パヤノ〈ドミニカ共和国〉と10月に対戦、初回1分10秒でKO勝利する

2019年11月7日、さいたまスーパーアリーナでWBAスーパー王者のノニト・ドネアとのWBSS決勝戦(WBAスーパー・IBF世界バンタム級統一戦)が行われた。

試合は12回3-0(116-111、117-109、114-113)の判定勝ち。WBSSバンタム級初代王者に就いた

試合後、会見で、米プロモート大手のトップランク社と複数年契約を結んだ事、自身のwitterで右目眼窩底と鼻を骨折したこと、手術はせずに保存治療をすることを発表した。

コロナ禍での活躍

2020年4月25日にWBO王者のジョンリル・カシメロ(フィリピン)とラスベガスで3団体統一戦を行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期、後に中止が発表された。

2020年10月31日(日本時間11月1日)、米ラスベガスのMGMグラウンドにてWBA世界バンタム級3位、WBC・IBF4位、WBO1位のジェイソン・モロニーと無観客試合で対戦。終始井上が試合のペースを握り、6回に左フックのカウンターでダウンを奪うと、続く7回終盤に右ストレートのカウンターで再びダウンを奪い、7回2分59秒でKO勝利を収めた。WBA王座4度目、IBF王座2度目の防衛に成功した。

2021年5月、IBF1位(WBA8位)の指名挑戦者マイケル・ダスマリナス(フィリピン)とラスベガスで対戦することが発表され6月19日に行われた。2回にダウンを、3回にボディブローで2度ダウンを奪って3回2分45秒TKO勝ち。その後も同年12月に両国国技館でIBF5位、WBA8位のアラン・ディパエンと対戦。結果は8R2分34秒でTKO勝ちを収めた。

ドネアとの再戦

2022年3月30日、WBSS決勝で対戦したWBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)と6月7日に、さいたまスーパーアリーナで再戦することが発表された。

この試合に勝てばWBO同級王者ポール・バトラーとの王座統一戦に臨むものと思われた。

迎えた試合は、ドネアが開始早々左フックを振り回し、これを軽く被弾。そこでスイッチが入ったと語る井上は、1回終了間際、右ストレートのカウンターでダウンを奪うと、2回も終始有利に進め、最後は左フックで大の字にして、ダメージを重く見たレフェリーは試合を止め、2回1分24秒TKO勝ち。

日本人初の世界3団体統一王者となった。試合後のインタビューで、相手がいなくなった場合スーパーバンタム級に階級を上げる事も示唆した。そして、彼はライトフライ級以来8年振りにWBCのベルトを獲得した。

この試合は日本ではAmazonのプライムビデオが独占配信した。

ドネアの名誉のために言うが、彼は世界5階級制覇(フライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級)を成し遂げている偉大なボクサーである。

また、アメリカのボクシング専門雑誌「ザ・リング」誌の集計した、パウンド・フォー・パウンド(全ボクサーを同体格と仮定したランキング)で日本人初の1位となった。トップ10入りは、彼自身の他に山中慎介(元WBC世界バンタム級王者)などがいるが、1位は初めてである。

怪物、バンタム級を完全統一

そして2022年12月13日、WBO世界バンタム級王者ポール・バトラー(イギリス)と有明アリーナでバンタム級の主要4団体王座を賭けて対戦。

試合では井上が終始圧倒し、手を出さずガードに徹するバトラーをノーガードで煽るなど余裕を見せつつ11回1分4秒TKO勝ち。

世界史上9人目、アジア人・バンタム級では初となる4団体統一王者となった。

スーパーバンタム級への挑戦

2023年1月、「今の階級には戦いたい相手もいない」とし4本のベルトをすべて返上。階級をスーパーバンタム級に上げることを表明した(返上したベルトのうち、WBAバンタム級王座は2023年4月8日に弟・井上拓真が決定戦で勝利し奪取した。)

同年5月7日に横浜アリーナで、21戦21勝(8KO)のWBC・WBO 世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(アメリカ)と対戦予定だったが井上が練習中に拳を痛めたことにより7月25日に延期され、会場も有明アリーナへと変更となった。

試合本番では序盤から押し込む井上に対し、フルトンも要所で勇敢な反撃を見せるなどハイレベルな攻防が続く。5回辺りからフルトンが井上の動きに適応したかのように攻め込む場面が見られたが、8回で井上の右ストレートが炸裂。さらに追撃の左フックでダウンを奪う。

何とか立ち上がるフルトンだったが目に見えてグロッキー。再開直後に井上がラッシュで飲み込みかけたところで審判が試合を止め、8回1分14秒TKO勝ちを収めた。


ファイトスタイル

「打たせずに打つ」という基本を極限まで煮詰めたスタイルで相手を圧倒する。

精密なステップで距離を支配し、ジャブを上下に散らして相手の手足を縫い止め、ガードが空いたところに重い一撃を叩きこむ。


体格的にはバンタム級で見ても決して大きくないが、井上に敗れたモロニーは「井上に勝つには全ラウンドの1秒1秒を全て完璧にこなさねばならないが、井上は1秒だけ完璧であれば良い」と評している。


余談

ライトフライ級の日本王者となった際、キャリアの浅い井上は世界では全く認知されていなかった。そのせいで対戦相手の田口良一が、WBA世界ランク3位→15位圏外まで降格されるという憂き目に遭っている。

なお田口は後にライトフライ級のWBA・IBF統一王者にまで上り詰める本物の実力者であり、2023年7月現在で井上が唯一ダウンを奪えなかった男でもある。


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