プロフィール
概要
夜神月の大学時代のガールフレンド。月が付き合った女性の中では知性ある美人だが気位は高い。月にとってはミサ同様道具でしかなく、特別な感情を抱くことは無かった。作中後半では国営放送のアナウンサーという立場を利用され、キラの暗躍に加担させられていく。
第一部
18~19歳
第4巻page31「簡単」、page32 「賭」(原作)
第15話「賭け」(アニメ)
夜神月と同学年の東大生。愛称は「清楚高田」。
周囲から「ミス東大」と呼ばれる程の美貌を誇る。それと同時にかなりプライドの高い性格で、表にこそ出さないものの熱心なキラ信者でもある。周囲に褒めそやされる現状に満更でもなく、ミス東大の呼び声も口では軽く否定しつつも嬉しさを誤魔化しきれていなかった。
月は第二のキラ、弥海砂との接触をごまかすためのカモフラージュとして多くの女性と付き合ったが、彼女もそのうちの一人だった。ちなみに高田の方から告白した模様。
第二部
24歳
第10巻page85 「当選」~ 第12巻page99 「二人」(原作)
第32話「選択」~第35話「殺意」(アニメ)
国営テレビ局NHNに勤める『ニュース6(シックス)』『ニュース9(ナイン)』のアナウンサー。
愛称は「タッキィ」、「高田様(高様)」など。
月とは大学を卒業して以来疎遠だったが、未だに月を忘れられずにいた。しかしキラ事件を通して月と再会し、想いが再燃。キラ信者であることを月に利用され、月に心酔していく。
私利私欲に走りすぎて粛清された出目川仁に変わってXキラ(魅上照)に新たなキラの代弁者に任命され、それ以降これまでの人気や美貌もあって「新世界の女神」として多くの崇拝を受ける事になる。
(代弁者になる前に魅上と会っているが、高田は彼がXキラである事を知らない。)
後に月がキラである事を知り、魅上の代わりに裁きをさせられるなど彼に上手く利用されるようになった。
女性ということもあってか移動の際には大勢のSPを侍らせ、学生時代からの女王様気質にも拍車がかかり、キラにも自分の意見を述べ出すなど言動も増長していく。ニア曰く「優秀なのは成績だけでただの馬鹿」、「馬鹿まる出しのキラ崇拝ぶり」。
一方で増長していたのは紛れもない事実である一方で、キラの代行者として激務をこなしながらも時折月からデスノートの切れ端を渡され裁きの代行を任されていた(つまりデスノートの殺害条件を満たした相手に月がデスノートを託す≒自身の生殺与奪権を握らせても『問題ない』と判断した)事から能力や忠誠心に関してはキラの代行者に相応しいものを持っている。
そもそも彼女がキラの代行者になったのはXキラになる前の魅上と社会悪、社会問題に関して討論し合う仲であったのがきっかけであり、キラに肯定的という部分も踏まえて『社会悪を許さず、解決に向かって建設的な方向性を見出して歩む』という側面も然りと存在する事になる(キラへの意見もキラによる社会悪が無くなった世界を望む気持ちの裏返しとも取れる)。
海砂とは仕事を通して面識があり、彼女の態度の悪さに対して「不愉快です」と発言しており、彼女に対しては「月には相応しくない」と考え、殺害を持ちかけたことまであった。海砂が第二のキラと知らされ、自分自身と立ち位置が同じと知らされても「自分は選ばれたから」と都合よく解釈していた。
ディレクターズカット版では死神の目を持っており、Xキラの正体が魅上だと知っている。
最期
※ネタバレ有り
2010年(アニメでは2013年)1月26日、NHN前でマットの催涙弾攻撃を受け、護衛(として潜入していたSPK)のハル・リドナーの誘導によりメロに誘拐される。
その後、隠し持っていたデスノートの切れ端でメロを殺害し、月に助けを求めるが、月に証拠隠滅のため名前を書かれ、長野の教会でトラックごと放火し焼死した。
(アニメ版では月に助けを求める場面で、自分の身を案じるでもなく裁きを念押しされた事により、月にとっての自分の価値の薄さを悟らされる、より悲痛な描写が加わっている)
総じて、自己顕示欲と自己陶酔が強い側面こそあったものの社会問題などに対して毅然とした解決意欲を持つ彼女にとっての最大の不幸とは、学生時代の恋人で今でも好意を持っていた夜神月と自身の社会問題に対する解決アプローチの理想の体現であるキラが同一人物という『浪漫』……に見えるだけの『袋小路』に嵌ってしまった事だろう。
しかし、この際に魅上も月の意図せぬ隠蔽工作を行っていたことが、月の完全敗北の一助となってしまう。
実写映画版
演:片瀬那奈。
後編にのみ登場。本作では出目川と同じさくらTVに所属しているジャーナリストで、月とは一切の面識や関係もなく、髪が長いなど容姿も原作とは全く異なる。
キラについて「自分の考える正義の基準に一番近い」と評する、原作と同じく熱狂的なキラ信者で、彼女が意欲的にキラ関連の取材に取り組んだ結果、さくらTVはキラ関連の報道について一定の支持を集め、それ故に海砂も自身のメッセージの放送先にさくらTVを選んだ。一方で、原作とは違ってかなり堅物で、出目川らの死者も視聴率の為に利用するスタンスには明確に異を唱えているが、そう言った言動もあって局内では干されている(おそらくはキラを肯定する個人的な思想を隠そうともしない言動も干された理由だと思われる)。
そういった自身の立場について、同僚には局の看板キャスターの西山冴子を引き合いに出して「あんな風に媚びてまでキャスターをやりたいとは思わない」と発言していたが、裏では西山の入館証を燃やしたりと陰湿な嫌がらせをしながら、彼女への鬱屈した嫉妬やキャスターの座への未練を募らせていた。
そんな時、海砂と月が拘束されてノートの所有権を放棄して記憶を失った事で、予め月に指示されていたレムに「キラに忠実な信者でキラの犯罪パターンをよく知り、犯罪者の情報にも触れやすい立場で、かつデスノートを躊躇なく使える人物」として見出だされ、月達が記憶を取り戻すまでの間、彼等に変わって裁きを行うキラの代理人、ないし“第三のキラ”として海砂が使っていたジェラスのノートをレムから渡される。
要は、原作のヨツバキラこと火口卿介の役割を担う存在であり、ヨツバキラの命名ルールに則るなら「サクラキラ」とでも言うべき存在である(その為、本作では火口を初めヨツバ関連のキャラクターは一切登場しない)。
デスノートを手にしてからは、キラの代理人兼パートナーとレムに煽てられて犯罪者を裁き始めるが、以前の月とは違って女性の犯罪者を意欲的に裁くようになった上、やがてわざと取材予定の犯罪者を自分の目の前で殺して、その死を番組の盛り上げや自身の売名に利用するという、以前批判していた出目川達より酷いマッチポンプに手を染めるようになる。
犯罪者を裁く自分の事を表面上は“罪深い”と自称しつつも、月や海砂や原作の高田とは違って、自身の売名という完全なる私利私欲の為にデスノートを利用しており、曲がりなりにも本心から社会悪の無い理想世界を目指し、その為に月=キラに協力していた原作の彼女とは違って、本作の彼女はただ「キラのパートナーという立場の自分自身に陶酔しているだけの薄っぺらい小物」だと言える。
上記したキャスターの座への未練やライバルへの嫉妬を見れば分かるが、彼女の掲げる理想や正義感はあくまで建前に過ぎず、本質的には自身の出世の為にデスノートを利用していた原作の火口と何ら変わらない。むしろ最初から権力の為だと公言していた火口の方がまだ潔く、なまじ中途半端に正義感やキラとしての使命感がある分タチが悪いと言える。
ちなみにレムは、原作の火口に対するほど嫌悪感を表に出してはいなかったが、彼女についてもその本質を見抜いた上で軽蔑して見下していたらしく、人間を罪深いと称する彼女に「それを裁くお前はどうだ?」と皮肉を浴びせたり、当初からの計画とはいえ彼女が最終的に拘束された際にはあっさりと見限ったばかりか、デスノートの力を疑う夜神総一郎達に「気になるならその女の名前でも書いてみたらどうだ」と言い捨てている。
挙げ句、そのマッチポンプによる売名の効果もあってキャスターとして局から評価され始めると、自身への対抗意識を露にした西山までもをノートで殺害し、彼女の後釜という形で新キャスターの座に収まる。
しかし、軽率にも自身の売名の為にさくらTVで扱った犯罪者を裁いたり西山を殺したせいで、キラ対策室に第3のキラの容疑者として特定されてしまい、隠しカメラと盗聴器でノートに名前を書いている場面やレムとの会話を押さえられてしまう。
そして、盗撮犯に変装した松田に脅迫された上で、出目川の協力で作られたキラの正体を暴露するという偽報道に騙され、レムと死神の目の契約を交わす。その上で局に直接乗り込んで松田を口封じしようとし、途中で制止しようとした白バイ隊員を殺して局に乗り込むが、そこで待ち伏せていた捜査班(白バイ隊員の件で死神の目を持っている事もバレていたので、捜査員は全員ヘルメットを装備)によって拘束されてしまう。
それでもLの力を知らない彼女は、ノートに名前を書いただけの自分は現行法では裁かれないだろうとタカを括って開き直るが、レムにあっさりと見限られた事に動揺。その直後にノートに触れて記憶を取り戻した月に、ノートの所有権を奪うべく腕時計に仕込んだノートの切れ端に名前を書かれ、そのまま心臓麻痺を起こして死亡した。
作中では、自身の売名の為にノートを利用した結果捜査班に特定されたり、部屋にダミーとしてわざと見付かりやすいように設置されたカメラや盗聴器を処分しただけで満足して自室でノートの使用を続けたり、白バイ隊員を殺したせいで死神の目を持っている事を見抜かれて対策されたりと、とにかく軽率かつ短絡的な行動が目立つ。
総じて、原作の高田に対する「優秀なのは成績だけでただの馬鹿」「馬鹿まる出しのキラ崇拝ぶり」という評価や、火口や原作の出目川の「凡人が身の丈以上の力を持ったらどうなるか」というテーマを、それぞれ原作とは別角度から掘り下げたキャラクターだと言える。
余談
彼女が登場した全ての作品(原作、アニメ、映画)で、月が最後に直接殺した人物である。