プロフィール
概要
民放テレビ局さくらTVのディレクター。
視聴率のためなら倫理的な違反や悪質なやらせ等手段を選ばない、金と権力を求めるエゴイストである。
動向
一連のキラ事件を面白がっていた節があり、散々注意を受けたにもかかわらず、キラ関連の報道を誇張したり面白おかしくした「キラ特番」を放送しており、それに目を付けた第二のキラから送られた声明テープを視聴率目当てでさくらTVで放送する。その後、捜査本部のヨツバキラ確保の計画に協力している。
第二部でも登場し、キラを賛同する報道番組を流し続けたことからキラの代弁者を任されるようになり、キラ信者からの強い信望を得ている。しかし本人は根っからのキラ信者ではなく、その目的はただ自分の欲のためでしかなく、本来の利己的な性格は変わっていない。
結末
自ら率いた暴徒化したキラ信者のSPK本部襲撃事件で、目先の金に釣られてニアを取り逃がしたことから月から見限られてしまう。
それ以降、月が日本捜査本部からキラの容疑をかけられて身動きがとれず指示が出せないこともあり、次第にキラ代弁者の地位を悪用して私利私欲に走り始め、もはや月の思想とは全くかけ離れたキラへの個人崇拝及び自身の教祖化に走ることとなる。
日本捜査本部からも「キラっぽくない」「怪しい宗教と変わらん」と評され、相沢に至っては「本当に殺しておいたほうがいい」とまで吐き捨てられてしまう。月からもその姿勢を危険視され、後に月の意向を汲んだXキラである魅上照の独断で『キラ王国』幹部諸共粛清された。
ヨツバキラの火口卿介(メイン画像上)同様に、「凡人が身の丈に合わない権力を持ち助長して暴走し、結果破滅する」という結末を迎えたキャラだと言える。
実写映画版
演者:マギー
後編から登場。名前は「出目川裕志(ひろし)」に変わっており、服装は原作と似ているものの体型は痩せている。
原作同様、視聴率の為なら局の上層部に無断で第2のキラのメッセージを流したり、警官が死亡する瞬間が生中継されても「死んでんぞーっ!!」と言いながら嬉々として放送したり、出世欲の強い西山冴子と関係を持ったり、それらの行動を批判する高田清美(本作ではさくらTVのキャスターで月とは何ら関係はない)に、高圧的な言動でセクハラするなどかなり露悪的に描かれている。
ただし、本作の場合は出目川だけでなく、局の上層部や周りのスタッフも彼のやり方を称賛する等、局自体が視聴率アップの為なら手段を選ばない姿勢である事が強調されており、上記した体制は出目川個人の問題ではない(第2のキラのメッセージを無断で流した件も、一応はキラに脅迫されていたという事情もある)。
実際に、原作と違って彼自身は公私共にキラに対しては一切否定も肯定もしておらず、西山に対して「俺達はサラリーマンみたいなもんだから局の方針には従うしかない」と発言する等、良くも悪くもテレビマンとして局の方針に従った番組作りをしているだけで、高田と違って個人的なキラへの思想は入れずに、あくまで一線を引いている事が窺える。
加えて、キャスターとしての力量が上がってきた高田を「華が出てきた」と称賛したり、彼女をライバル視して降板させるように訴える西山を諌めたりと、一応は良識的な対応もしている。西山との関係を持ちつつも、あくまでキャスターとしての実力を評価した上で高田の肩を持ったりと、評価基準自体も意外に公平である。
また、高田への怒りから車を飛び出した西山(実はデスノートに操られていた)を心配して制止しようとする等、彼女に対しても単なる身体の関係以上の情はあったと思われる。
終盤に、高田が第3のキラ(原作におけるヨツバキラのポジション)だと捜査班に伝えられ、原作同様に捜査班に協力して偽番組のセッティングと、高田をおびき出す為の芝居を打たされる。
この際には、高田がキラである事や西山を殺した事に思うところがあったのか思い詰めたような表情を見せており、その後もキラの正体は口外しないという捜査班の方針に素直に従っている模様(これは局のイメージダウンを避ける為という配慮もあったのだろうが)。
そして、本作ではそのまま死ぬ事はなくフェードアウトした。
総じて、原作の出目川が「身の丈に合わない権力を持ち助長して暴走していく凡人」だとすれば、本作の出目川は「大きな権力の中で流されるしかない凡人」だと言える。