夜神総一郎
やがみそういちろう
ある意味本作最大の被害者でもある。
第一部
48–49歳
この若さにして、警察庁刑事局局長で日本捜査本部長でもある。要は警察官僚やキャリア官僚と呼ばれるようなかなりのエリート。
原作では常に眼鏡を掛けていて、「うむ」という台詞を多用している。
正義感の塊で、仕事に誠意と熱意を抱き、人情と家族愛に溢れる健全な人柄で部下の信頼も厚い。銃を撃つなど人を傷つける事を良しとせず、たとえ犯罪者であろうともむやみに殺してはならないなど、人間、警察官の鑑のような人物である。
だが「キラ」に成り果てた月にその地位を利用されている事には気付かず、一番信用ならない身内の感情で月の容疑に異議を唱えるなど、捜査に重要な私情の排除や冷静さには欠けている。
またその人徳故、連鎖的に月の信用を上げる事に一役買ってしまい、Lの捜査が難航する一因になってしまった。
キラ事件勃発後は解決に奔走するも、Lから早々に息子の月にキラ容疑をかけられ(月がマスコミに報道されていない凶悪犯も殺してしまったため、警察関係者やその家族が怪しいと嫌疑を掛けられた)、その事で大きなストレスを抱え込んだ。
ヨツバ事件ではその正義感ゆえにLと捜査方法を巡って対立し、一時チームは分裂した。捜査本部内での偽名は朝日四十郎。余談だが、本誌初登場時(各国警察の国際会議)には、松田から「警視正」と呼ばれていた(単行本で修正)。
第二部
54歳
警察庁次長兼日本捜査本部長に昇進。
娘を刑事の嫁にはしない、という頑固親父っぷりもみせる。
犯罪者であっても殺されるのは阻止したいという思いや、家族のためなら自分の命も投げ出せるという思いは、第一部の時より強いものとなっている。
マフィアグループとのノート奪還作戦時は、息子・月が密かにデスノートに仕込んだ13日の嘘ルールに怯むことなくリュークと死神の目の取引をし、メロの本名を知るなどと大きな活躍をするも、その正義感ゆえにメロの名前をノートに書くことを躊躇し、その瞬間を背後から狙ったマフィアのメンバー、ホセにサブマシンガンで銃撃される。その時に受けた傷が致命傷となり、メロの名前をデスノートに書くことができないまま、無念の死を遂げる。しかし、死の床で月と対面した際、死神の目でもって(当時ノートの所有権を放棄していた)月の寿命が見えたため、最後まで月がキラであることを知ることなく、キラではないと確信して死んだ。その点については、総一郎の死において唯一救われる部分ではある。命日は2009年(アニメ版では2012年)11月11日。
月には愚直に見えた、己の信念を突き通し殉じたその生き様は、相沢の月への疑問を確信へと変え、物語のクライマックスで松田が取った行動の一因となる。
ディレクターズカット版では登場しないもののキラ捜査から外れたことになっており生存している(そのため、松田が月を撃った後の労力は一体何なのかを問い詰めるシーン及び松田の「殺す…こいつは殺さないと、駄目だぁぁ!!!」の台詞以外はカットされた)。
映画版
法を重んじ、六法全書を息子である月の18歳の誕生日に送っている。
原作との大きな違いとして、最終的に息子がキラだと知ってしまう(しかも、自分の名前を(偽物とはいえ)ノートに書かれるのを目の当たりにする)ことが挙げられる。
完結作the Last nameの終盤でキラの「もう法律では救えない世界になっているんだよ!」という叫びに対し、
「確かに法律は完全じゃない。法律を作った人間が完全じゃないから完全である筈はない。だが正しくあろうとした人類の努力の積み重ねが法律だ」
と弛まず歩み続ける大切さを語り、
「お前は独りよがりだ。独りよがりで人の命を奪う事など絶対に許されない!」とはっきりとキラを否定。
この事で月は完全に我を失くし、リュークに助けを求め、名前を書かれてしまう。
そしてノートに名前を書かれた月に駆け寄り、月の最後を看取る事に。
エピローグではLに最後の報告を済ませ、一人にして欲しいと語るLから「あなたは立派な父親だと感じました」「さようなら夜神さん。ありがとうございます」と労いの言葉と最期の別れ、そして感謝を伝えられた後、彼に敬礼をして去った。
最後は駅に迎えに来た粧裕と家路を歩くシーンで出番を終える。
息子がキラと知った上にその息子は早死にしてしまい、生涯家族にも真実を明かせないまま過ごす。
最後まで生存こそしているが、こちらも違った辛さを味わう結果となった。
10年語を描いた『Light Up New World』では、キラ捜査本部をキラ対策室と改名し、三島創をリクルートしているが、本編開始の前に亡くなった様子
ドラマ版
原作と同様に眼鏡をかけているが、髭はない。
また、家族構成が変わっており、妻の幸子を10年前に亡くしている。
Lの強引ともいえる捜査方針を不服と感じていたが、彼の頭脳は認めている。
月がキラであるというLの推理を当初は信じておらず、月が疑惑を晴らすべくノートの所有権を放棄し記憶を失ったことで息子がキラではないと確信し、Lが死亡した際も月を疑うそぶりは見せなかった。
しかし、Lの後継者であるニアと彼のもう1つの人格のメロ・部下であった日村章子による粧裕誘拐事件の際キラから協力を申し出た際、「キラに従おう」と率先して言う月を不審に思いLが生前残したビデオを見る。
その後日村からノートを受け取った月の前に姿を現し息子がキラであると知り、言い訳がましく責任をメロ一派に擦り付ける月の言行を否定した上で「月がキラとなってしまったのは父である自分の責任」と言い放ち、自らノートに名前を書いてノートを燃やそうとする。
そしてノートを取り戻そうとする月と揉み合いになる中、40秒後心臓麻痺で死亡した。
結果、息子がキラであると知った上、死亡するという原作・実写映画以上に救いのない終わり方となってしまった。
月の元に行く前に模木達に「自分が死んだら月をキラと断定し、月の言うことは信じるな」と伝えており、結果的に彼の死が月を追い詰めるきっかけになった。
ちなみに、演者が演者なだけに、食事シーンだけ別のドラマの様に見えた視聴者が居たとか居ないとか。
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