DougRattmann
だぐらっとまん
注意
Pixivでは単にRattmannとしてタグ付けされた画像の方が多い。
概要
Aperture Scienceの研究部門、Aperture Laboratoriesの科学者。ゲーム本編では直接登場しないが、彼こそ施設のあちこちに壁画や落書きを書き残していた人物の正体であり、1作目『Portal』ではこの落書きが残されていた空間には"Rattmann's Den"という名前が付けられていた。ここには缶や牛乳パックや段ボールで作った簡易寝具が散乱しているのが殆んどである。
後述する状況のため現在はヒゲや髪が伸びまくっている
『Portal 2: Lab Rat』
過去と現在の光景が交互に描かれる形でゲーム本編の裏で起きていた、彼の動きが明かされている。
元々彼はポータルガンの研究に携わっており、Aperture Scienceに面接試験を受けにやって来たChellの存在も知っていた。加えて友人の1人のHenryからGLaDOSの研究の進捗について自慢話のような説明を受けたり、倫理コアの起動を押し付けられたりしていたが、彼らの取り組んでいたGLaDOSの研究や制御方法については「いつだって良心を無視することはできるだろう」という発言が端的に示す通り、懐疑的な意見を持っていた。
GLaDOSによるクーデターから数週間後、発せられる強制的な実験への参加の呼びかけに反論しながら逃亡を続けていたが、その際の「これ以上自分勝手に逃げようとした場合、あなたのファイルに悪い影響が出るのは確実です。」という発言からファイルとChellの存在を思い出すと彼女がGLaDOSを倒せる人物であると確信し、テスト名簿を改ざん、彼女を被験者としてテストを受けさせるよう誘導した。この逃亡生活の中では、あちこちのテストチェンバーに隠れ家(Den)を作り、GLaDOSの設置された部屋への道標や"The cake is a lie"等の警告の言葉を書き記していた。抗精神病薬についても摂取する回数に制限を設けざるを得ず、ゲームでも壁画の文言の支離滅裂さから症状の深刻さがうかがえたが、今作では入手したコンパニオンキューブの声が聞こえるという幻聴を発症してしまっている。『Art Therapy:The Bennet Way』という本も持っており、壁画を描いていたのは治療も兼ねていたものと思われる。
一度はGLaDOSの機能停止に伴い脱出に成功するも、ChellがParty Escort Botに再度連れ戻されて冷凍チェンバーにてコールドスリープへと入れられことを受けて彼も責任感から再び戻ることを決意する。しかしGLaDOS爆発時の衝撃で生命安全維持装置が機能停止し、コールドスリープもオフラインになっており、復旧を試みてコールドスリープ制御室を目指すも道中でタレットの銃撃に遭って重傷を負って意識を失ってしまう。その後どうにか目を覚まし、コールドスリープ制御室にて目覚める日付が設定できないながらもまだ生存確率の高い保管グリッドに切り替え、ヒューズを交換して生命維持装置を再起動する作業を行い彼女を助け出すと、1作目冒頭でChellが眠っていた場所を思わせる部屋でコールドスリープへと入った。
その後の顛末
- 『Portal2』
続編の『Portal2』では彼の去就は明確に描かれていない。チャプター1にてポータルガンを入手できる場所には彼の手によるChellやGLaDOSの壁画が描かれている。この時流れる楽曲は『Ghost of Rattman』という題名であり、よく聞くと男の叫び声が歌詞になっているのが分かる。この叫び声はChellに自分を助けてくれるよう呼びかけている他、砕氷船BOREALISやブラック・メサらしき"メサ"について言及しており、前者については盗まれたと訴え、後者については何者かの手でメサに連れて行かれたと言っている。歌詞は「この痛みは錠剤で治まるさ」と締めくくられており、恐らく彼の心情を表したものと推測されるが、曲そのものはこの場面以外でも彼の隠れ家の場面で流れるが、ゲーム内で彼が本当に叫んでいて、それをChellが耳にしているのか、それとも単なるゲームの演出に過ぎないのかは不明である。そもそも題名からして死んでいるとも解釈できるが、生き延びて施設内をさまよっているという解釈もできる。前作では未登場の隠れ家が複数登場しているが、チャプター2のテストチェンバー6の監視室内部の隠れ家で得られるラジオの電子信号を復号すると、月面に転がるコンパニオンキューブの画像が出てくる。
- 『Perpetual Testing Initiative』
『Portal2』のボイスドラマ。並行世界の1つではCave Johnsonではなく彼がAperture ScienceのCEOになっており、会社のボーナスの大半を横領してしまったとされる。
- 『LEGO DIMENSIONS』
正式な続編ではないが、ゲームの後日談ステージでは生きていたという設定になっており、隠し要素として登場する。Chellが解放された後も相変わらずAperture Science Enrichment Centerを逃げ回っているようだ。
余談
- 1作目の時点で彼以外にも逃亡者はいた事は匂わされており、開発者コメンタリーでは建物に多くの人が閉じ込められていたと明かされ、公式サイトでは特定のパスワードから職員の1人が帰宅できない状況を訴えるメモが閲覧できるようになっていた。『LAB RAT』においては、彼を残して職員は全滅したとGLaDOSは言っていたが、実際にはCo-opモードのストーリーで、地下のコールドスリープの保管場所が設けられたシャフトへと逃げていた職員が大勢いた事が明かされている。尤もこれは彼女が地下のシャフトの存在そのものを把握していたかったことが原因であるが。
- 『LAB RAT』の過去の回想の1つではロッカールームにて、頭頂部が禿げ上がり、顎ひげを蓄えた男が「カメラ内にカメラを仕掛けた。気がつかれるはずがない。」と言い、それに対してサングラスをかけた男が「正に天才!」と謎のやり取りを交わす場面がある。このやり取りの真意は不明だが、別の場面ではRattmannの研究室の机に『Half-Life2』に登場するグラビティガンを始め、同シリーズに登場するアイテムが置かれており、男2人組の正体はブラック・メサの産業スパイだった可能性がある。
- 上の場面ではタレットも映っており、同じく前日談コミック『Turret Lullaby』よりも時系列的に後であると判断できる。