「確かに人間はいずれ死ぬ…けどなぁ…俺は〈黄金騎士〉、『牙狼』であることをやめない…!」
演:栗山航
概要
『闇を照らす者(以下、闇照)』、『GOLDSTORM翔』、『KAMINOKIBA』、『ハガネを継ぐ者』における主人公。
黄金騎士・ガロの鎧を受け継いだ青年。
管轄する場は持たず、街から街へとホラーを求めて流離う流浪の魔戒騎士。
容姿
『闇照』では少し金色がかったオールバックヘアーにベルトが多く施された黒革のコート(魔法衣)、その下には赤いTシャツ、とアウトロー風味の衣装で、純白のロングコートがシンボルマークだった牙狼の称号を持つ者らしからぬ風貌。
また、修行時代の相棒であった羅号の牙をペンダントにして首から下げている。
回によっては学校の清掃員に変装したり、タキシードスーツを着こなしたりする。
左手には黄金騎士の友たる『魔導輪・ザルバ』を身につけているが、『闇照』当初は認められておらず契約もしていなかった。
『GS翔』では黒髪、赤いTシャツの上にはレザージャケット姿となっており、さらに戦闘的かつ精悍なイメージが強くなった。
羅号の牙はコートの左胸に移動している。
劇場版ではDリンゴが盗んできた横領品として保管していたソウルメタル製の手甲を左腕に装備、TVシリーズでもそれを継続している。
またザルバにはいかなる場所でもリュメと交信できるカバーが取り付けられた。
『ハガネを継ぐ者』では、黒髪を横分けにした髪型となり、多くの経験を積んだ歴戦の戦士としての風格が身に付いている。魔法衣のデザインも変化している。
またザルバはカバーが外され、目が赤色になっている。
人物
物語の登場当初は、黒い服装にワイルドな風貌だったために怖い人物と誤解されがちだが、基本的には素直で明るくポジティブな性格で、ボルシティやラインシティの人々とも気さくに交流する。
仲間思いでもあり、同じ魔戒騎士である楠神哀空吏が同じく魔戒騎士である蛇崩猛竜を侮辱して見捨てようとした際や、カメラマンの風見泰人が食われた際は、剣を抜くほどの怒りを見せた。
モノに触れることでヒトの想いを感じ取れる能力を持つ。
また、聴覚が鋭くそれを頼りに行動することも多く、前述の能力も音として感じ取ることが多い。
歌も上手く、ホラー狩りのためにライブへ乱入し、その歌声で客を即座に魅了させたこともある。
戦闘能力
『闇照』の頃は若干未熟なものの、最強の魔戒騎士・牙狼の称号を受け継いだだけのことはあり基本的に他の騎士よりは強めだった。
戦闘スタイルは粗削りなものの恐れを知らぬ切り込み隊長型で、魔戒剣を振るう以外は基本的にストリートファイトを意識したもの。
第6話『響 Rock』ではホラーの頭突きに気圧されず頭突きし返して睨みあうというヤカラの喧嘩を思わせる場面も見せた。
白い魔戒剣の鞘と柄は赤鞘の魔戒剣と変わらぬ切れ味を持ち、ボルシティの秘密警察SG-1の銃弾をもはじき返すほどの防御力を誇る。
『GS翔』では長い旅路を経て心身共に磨き抜かれた魔戒騎士となり、ホラー態を持つホラーとも渡り合える強さになっており、赤鞘にもギミックが追加、鞘と鍔を打ち鳴らすことで手裏剣にも似た十字状の刃を展開、投擲し攻撃する芸当もやってのける。
人を救うために己の身を省みず、魔戒剣を投げつける戦法も取ることがあり、導師の位を持つ秋月ダイゴからはそれを嗜まれたこともある。
上記の通り、流牙はモノに触れることで、それから流れる『声』を聴き取ることができる。『闇照』を例に挙げると…
- 第1話『流 Ryuga』ではボルシティの像に触れ、街自身が発する『声』を聞く。また、花嫁の手にしたブーケから流れた花弁からホラーの陰我を探知している
- 第6話『響 Rock』ではインディーズバンドのボーカル・シンが『Bright Hope』を歌う際、ギターを弾くピック(ホラーの鱗)からホラーの邪気だけでなく、母のためにメジャーデビューにかける彼の想いを聞く
- 第9話『乱 Sonshi』では魔導ホラーの本性を見てリベラに食い殺されたフリージャーナリスト・風見泰人の拳銃からその断末魔を聞き取る
- 第13話『狩 Hunting』では魔導ホラーの『保存食』の保管庫で幸せを手にせず無念の死をとげた者たちの声を読み取る
- 第19話『光 Hope』では第18話『闘 War』の尊士との決闘で弾き飛ばされた牙狼剣の『声』を耳だけで感じ取り、奪回に成功。正式に牙狼の後継者として認められる
…と、物語に大きく関わっている。
また楠神流の戦法など、それなりの知識も心得ている。
唯一、魔界語に関しては苦手であった(『闇照』第1話『流 Ryuga』で花嫁のホラーに魔戒語で問われた際に「何言ってるか分からない」と返している)が、『ハガネを継ぐ者』ではホラー・シャウラスの魔戒語での質問に答える、魔戒法師・ムツギの手紙に書かれた魔戒語を難なく読むなど、読み聞きが向上している模様。
経歴
『闇を照らす者』
長いこと袂を分けていた師・符礼からの指令でボルシティを来訪。到着早々花嫁に憑依したホラーを狩るべく結婚式場へ乱入しシティの治安部隊SG1と大立ち回りを繰り広げたが、ボルシティは従来のホラーと一線を画す特殊な魔導ホラーが牛耳っていた。狡猾にシティの中枢に忍び込んだ魔導ホラーの策略によって連続殺人犯として指名手配されてしまう流牙だったが、猛竜と哀空吏、魔戒法師の莉杏達仲間の手を借りて、何故か斬る度に牙狼へ輝きを与えていく魔導ホラーと彼らの謎を追っていく。
そして魔導ホラーを生み出した黒幕に辿り着き決戦を挑むも、両目を斬られた上に牙狼剣を失って惨敗。自信を喪失して一度はシティから逃げ出そうとするも、幼い頃の「強くなって黄金騎士になる」誓いを思い出し再起。牙狼剣を探し当て見事引き抜くことに成功する。こうして名実ともに牙狼に認められた流牙は生き別れた母・波奏と再会。両目を治癒してもらい完全復活すると残る魔導ホラーを討滅し牙狼の輝きを取り戻す。その後波奏との死別を経て魔導ホラーの祖・殺戮の闘将ゼドムを討伐しシティを陰我から解き放った。
『GOLDSTORM翔』
莉杏と共に流浪の旅を続けていたが、旅の影響で鎧に邪気が溜まり流牙の体を蝕んでいた。浄化の為に訪れたラインシティで高名な法師リュメと邂逅、鎧を浄化してもらう事となったが同じ頃、太古から蘇った人型魔道具・阿号が人間殲滅を目論んで流牙たちと対立。鎧が使えない中で「守りし者」としての意味を問う戦いを繰り広げていく。
その後は伝説の魔城ラダンの復活を目論むジンガとアミリと出会い、『KAMINOKIBA』まで続く長き因縁の戦いの幕が開ける。
『ハガネを継ぐ者』
ジンガとの激戦の後も相変わらずホラーを狩る魔戒騎士として名を馳せており、本作では莉杏と別行動を取っている。コヨリと呼ばれる魔戒法師に「クレアシティ」と呼ばれる街を救ってほしいと懇願を受け、再び大事件の渦中へと潜り込むこととなる。