ハガネを継ぐ者
はがねをつぐもの
特撮「牙狼」シリーズの1作品。「闇を照らす者」で初登場した道外流牙が主人公のシリーズの新作として、2024年1月から3月にかけて放送(全12話)。
流牙シリーズとしてはTVシリーズ3作目、前作『VERSUSROAD』から4年ぶりの完全新作。
放送局は前作『VERSUSROAD』のTOKYOMXとBS日テレ(※ファミリー劇場は4月下旬からの放送)。
また『ハガネを継ぐ者』の放送を記念して、2023年12月30日に劇場版『GOLDSTORM翔』をTOKYOMXで放送した。
9月4日にBlu-ray&DVD BOXが発売。さらに同日からオリジナル・サウンドトラックも配信を開始した。
今作では主人公である道外流牙よりも白羽創磨などの無名の魔戒騎士達にスポットが当てられ、魔戒騎士として成熟した流牙が未熟な若輩を厳しくも導いていくという従来の作品とは異なる作品となっている他、これまで描写されることが殆ど無かったホラー狩り以外での魔戒騎士達の日常の風景も描写されており、総じて魔戒騎士としての生き方や在り方に重点を置いた作風となっているが、同時にこれまでの魔戒騎士同様に心の闇や守りしものとしての苦悩や葛藤なども描かれている。
また、上述のように無名の魔戒騎士を中心としていることもあって、流牙自身が鎧を召還して戦闘を行うシーンはこれまでの作品よりも少なくなっている反面、生身でのアクションは健在で、魔戒騎士同士での鍛錬による手合わせ、複数人による連携技、大勢の敵との派手な殺陣など、安定のアクションシーンも見られる。
今作では魔戒騎士の天敵であるホラーは動きを制限する着ぐるみではなく、(一部を除き)特殊メイクや生地を使った衣装で登場し、それによってこれまで以上に軽快且つ複雑な戦闘描写が可能となっている。
「牙狼」の称号を持つ魔戒騎士で、流浪の身で行動している道外流牙。
ある日、ホラーの討伐中にクレアシティの魔戒法師・コヨリと出会い、ホラーが現世に出現した最古のゲート「破滅ノ門」の開門の阻止を依頼されて流牙はクレアシティへ向かう…
「破滅ノ門」の開門を阻止すべく、滞在先のクレアシティで新たな戦いに身を投じる。
クレアシティを活動拠点にしている魔戒騎士。称号は無くハガネの鎧を纏う。剣の腕が立つ反面、精神的に未熟さを抱えている。
クレアシティを活動拠点にしている魔戒法師。ムツギから流牙宛に「破滅ノ門」の開門を知らせる手紙を届けた。創磨とは幼馴染。
華麗な体術と法術を織り交ぜて戦うが、魔戒法師としてはまだまだ未熟で人間に憑依したホラーと戦える域ではない。
クレアシティを管轄する魔戒法師で、コヨリの師匠。「破滅ノ門」の開門が迫る深刻な事態を察知し、流牙をクレアシティへ招いた。自身も優れた法術の使い手であり、有事には華麗に舞い踊るようにホラーを翻弄する。
コヨリと創磨を親代わりとして暖かく見守る人格者だが、創磨のゴドウへの思いを尊重するあまりイグスの現実的な提案を受け入れず創磨にクレアシティの守りを任せ続ける、というやや甘いとも取れる面もある。
3年前、ある男をホラーから守ったものの、その男が罪を犯したことで守りし者としての使命に絶望。「ホラーのいない世界」を望むようになり…。
創磨の父。「光斬騎士・斬冴(ザンゴ)」の称号を持ち、魔戒騎士の間で伝説とされる奥義『閃光剣舞』の使い手であった。
破滅の門対策に奔走していたが、3年前に謎の失踪を遂げている。
かつて旅の途中で流牙に出会い閃光剣舞を伝授しており、世界の希望になると言うほど高く評価していた。
「アゴラの三剣士」の一人。ロンとオビは弟子。ハガネの鎧は目と首元の宝玉の色が赤。
ゴドウとは親友同士であり、創磨のことも昔から知っている。現実的な目線から未熟な創磨にクレアシティを任せることには反対しており、別の騎士を招いて創磨は修業に出すべきだと前々からムツギに提案していた。
第7話のガエラ戦で命を落とす。
- ロン (演:山本章博)
「アゴラの三剣士」の一人で、経験則を基に慎重に行動する現実主義者。ハガネの鎧は目と首元の宝玉の色が緑。
剣の腕は立ち会った流牙に「剣に迷いがなく冷静。大きな助けになる」と高く評価された。
守りし者の責任や本質をよく心得ており、「ガロもハガネもやることは一緒なら、ハガネでいい」「ハガネですら重いのに、他の鎧はもっと重そう」と語っている。
- オビ (演:西銘駿)
「アゴラの三剣士」の一人だが、魔戒騎士としての歴が浅くミーハー。剣の腕もロンには一歩劣る。ハガネの鎧は目と首元の宝玉の色が黄色。
昔から黄金騎士に憧れており、弟子入りした際の第一声は「どうすれば黄金騎士になれますか?」だったという。
人間の陰我に忍び寄り、ホラー化させる謎の存在。
第6話で登場。「隻眼の森」に住む精霊で、流牙と創磨に「常闇の石」の在り処を教えた。
- イルヴァ (CV:鈴村ゆか)
ゴドウのパートナーである指輪型魔導具(魔導輪)。左手中指にはめている。礼儀正しく敬語口調で話す。
- クレアシティ
本作の舞台となる街。創磨、コヨリ、ムツギらが管轄している。
コヨリはこの街で育ったこともあり、人一倍愛着がある模様。
山々に囲まれた土地の中に無数の高層ビル、その中央には女神像が建ち並んでいる。
この街のどこかに破滅ノ門があるとされている。ここ数ヶ月ホラーの出現率が増え、それほどの陰我を持っているとは思えない人間が憑依される事件が起きており、破滅ノ門が開きかけていると看破した。その影響か、街の治安もあまり良いとは言えない状態である。
- 破滅ノ門
最古のゲートと呼ばれるもの。
後述の闇のパルファムの効果により、人を闇へと誘う力があるとされている。
太古の人間は多大な犠牲を払いつつその門を迷宮アリビスに封印した。
- 闇のパルファム
破滅ノ門から漏れ出ている、ザルバ曰く「人を惑わする甘い匂い」。
人の陰我を増大させ、まるで意思があるかのように闇へと誘う効果がある。
つまり陰我が弱い人間でも容易にホラーになり得るということである。
- 隻眼の森
クレアシティ郊外にある森。
迷宮アリビスへ入る鍵となる「常闇の石」を回収するため、流牙と創磨が向かった場所。
常闇の石に触れられる者は特定の魔戒騎士だけ。
精霊・ラウルによって隔離されており、3年に1度「朱月の夜」の日に限って森の中へ立ち入る事が可能。3年前の前回はゴドウがこの森に立ち入った。
- 迷宮アリビス
破滅ノ門が封印された場所。クレアシティ郊外の高台にある石碑が入り口となる。
最初に降り立つ『はじまりの場所』を中心に迷路のような構造となっており、更に床に描かれた紋章による空間転移や魔戒剣の攻撃をも弾く壁の配置換えなどの仕組みにより、探究者を惑わしていく。
破滅ノ門に辿り着くには、石碑に刻まれた『光宿せし者 終わり求めず 地を望み 我らと共に』を真に読み解く必要がある。
- アゴラの三剣士
クレアシティの近隣を管轄する三人の魔戒騎士。全員纏う鎧はハガネ。
全員が烈火炎装を修得しており、更に息の合った連携を誇る実力者である。
- 閃光剣舞
ゴドウが使っていた奥義。ゴドウから伝授された流牙も使うことができる。
周囲の闇を取り込んで光に変えて放ち、光によって動きが止まった敵を目にも止まらない速度で斬り捨てる。
魔戒騎士の間で伝説と称されるほどの技だが、闇を取り込む際に失敗すると闇に取り憑かれて暴走してしまう危険も孕んでいる。
また心身ともに多大なダメージを負うものであり、負荷がかかった鎧は損傷を避けるために強制的に返還されてしまう(あくまで会得直後の内であり、慣れていけばその限りではない模様)。
- 閃影剣舞
閃光剣舞と対をなす技。発動した際の動作は閃光剣舞と同じだが、こちらは光を取り込み闇に変えて放つもの。
かつてゴドウは流牙に閃光剣舞を伝授した際、流牙ならば閃影剣舞を使いこなすことが出来ると話していた。
話数 | サブタイトル | 登場ホラー | 脚本 | 監督 | 放送日 |
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#1 | 創(はじまり) | シャウラス、レグレージ | 兒玉宣勝 | 松田康洋 | (2024年)1月11日 |
#2 | 兆(きざし) | ルカルゴル | 吉﨑崇二 | 松田康洋 | 1月18日 |
#3 | 鋼(はがね) | - | 兒玉宣勝 | 田中佑和 | 1月25日 |
#4 | 傷(きず) | - | 吉﨑崇二 | 田中佑和 | 2月1日 |
#5 | 悟(さとる) | 風祭 他(集団で登場) | 兒玉宣勝 | 田中佑和 | 2月8日 |
#6 | 眼(まなこ) | - | 吉﨑崇二 | 木村好克 | 2月15日 |
#7 | 惨(いたみ) | ガエラ | 兒玉宣勝 | 松田康洋 | 2月22日 |
#8 | 閃(ひらめき) | ジガルス | 吉﨑崇二 | 松田康洋 | 2月29日 |
#9 | 門(もん) | - | 兒玉宣勝 | 木村好克 | 3月7日 |
#10 | 惑(まどう) | - | 吉﨑崇二 | 木村好克 | 3月14日 |
#11 | 誘(いざない) | - | 兒玉宣勝 | 松田康洋 | 3月21日 |
#12(終) | 継(つなぐ) | 破滅ノ門、??? | 兒玉宣勝 | 松田康洋 | 3月28日 |