演:津田寛治
概要
金城グループの総帥・金城憲水の息子。四男だが滔星のみ母親が違う。
現在は金城家から追放されており、ボルシティでステーキハウスを経営している。
その出自から金城家に恨みを持っていると見られ、ボルシティの治安維持部隊であるSG1から反社会活動に関わっているのではないかという疑いを掛けられていた。
そんな世間の評価とは裏腹に、彼自身は道外流牙や燕邦と分け隔て無く接する気さくな性格で、少し気が小さいが非常に面倒見の良い好人物である。
経営するステーキハウスにホラーが現れ、流牙との戦いを目撃したことでホラーの存在を知り、しばしば彼の手助けをするようになる。
(※これより下は、ネタバレが含まれているので注意)
正体
その正体は『闇を照らす者』における全ての元凶であり、尊士、リベラといったボルシティに潜伏する魔導ホラー達の真の首魁として街を裏から操っていた張本人であった。
幼少期に金城の屋敷に隠されていた一族の魔導具(母・華漣は魔戒法師の掟を破って追放された一族の家系)によって、流牙達と出会う以前から法術やホラーに関する知識を得ていたが、彼自身は特に戦う術を持っていないため、自分自身は直接戦わずに、専ら部下の魔導ホラーを使って暗躍していた。
また、華漣は憲水の愛人であったが、金城家の正妻と違って強引に宿らされて滔星を産んだようである。
その出自故に親子共々金城家で冷遇され、華漣はハーレムを囲って自堕落な生活を送り、滔星もそんな母親を軽蔑していた。
因みに華漣は、青年だった滔星が試しに使った魔導具が原因でホラーとなって姿を消してしまった。
流牙達に見せていた性格も全て魔導ホラーとの繋がりを悟られないための演技に過ぎず、本性は非常に狡猾かつ独善的。
協力者を装って流牙に近付いたのも、全ては彼にプラントを刺して最強の魔導ホラーに仕立て上げた上で、自分の手下にするためであった。
「ボルシティを完全に自分の支配下に置く」という野望のために卑劣な手口で他者を平然と騙しては利用し、自分の仕掛けた策略に嵌った者達が自分の手の内で踊らされ苦しむ光景を見て嘲笑い、魔戒騎士が人間を斬れないのを良いことに流牙達を散々挑発する、両親や兄弟や(幼い子供を含む)親族すらも道具同然に見做すばかりでなく用済みとなったら容赦無く切り捨て配下の魔導ホラー達の餌にする、莉杏に絶望を与えるために彼女の友人だった燕邦を彼女の目の前で抱く、自らの行いが原因で古のホラー ゼドムが復活することになったにもかかわらず「自分は唯の人間だから」と宣ってその責務を完全に放棄するなど、これ以上無いほどに性根の腐り果てた外道の中の外道。
一方、自分が窮地に陥ると命乞いをするなど、小心な一面は元来のものであるらしく、自分の思い通りに事が運ばなかったりすると激昂して冷静さを失うなど、度量が狭く短慮な一面もあり、本質的には小物と言える。
また、本編の15年前、符礼や流牙の母・波奏、当時魔戒騎士であった尊士達が行っていたゼドムの儀式に乱入して尊士を魔導ホラーにした上、波奏を拉致して魔導ホラーを生み出すためのプラントを生み出すために飼い殺しにしていた。
第17話で憲水が自身の正体を流牙達に明かしたことを尊士から知らされ、本格的に行動を開始。
手始めに憲水を尊士に、憲水以外の金城一族の人間全てをリベラと新たに配下に加えた燕邦にそれぞれ捕食させて、皆殺しにし、その罪を流牙達に擦り付けて彼等を凶悪犯に仕立て上げた。
そして、その混乱に乗じて自らが金城グループの新会長に就任し、名実共にボルシティの支配者となる。
第18話では乗り込んできた流牙一行に尊士・リベラ・燕邦をけしかけて返り討ちにし、最後のプラントを流牙に刺し込もうとするが、蛇崩猛竜の捨て身の妨害によって失敗。波奏も符礼によって奪還されてしまう。
しかし、戦いの余波で流牙は失明した上に魔戒剣を奪われ、猛竜も片腕を失うという大きな損害を与えた上に、莉杏を捕らえたことで今度は彼女をプラントの母体にしようと目論む。
だが魔戒剣を自力で奪還し、波奏の力で視力を取り戻した流牙達の反撃によって、燕邦、リベラ、遂には尊士までも相次いで失い、更に自らの行動がきっかけで封印が解かれつつあったゼドムが復活。
ボルシティ全体がその余波で解き放たれた無数の陰我ホラーの脅威に晒されると、護衛につけていたSG1隊員達を盾(ひいては捨て駒)にして夜明けが来るまで逃げようと目論んだが、(滔星がホラーにした)燕邦の遺志を引き継いで『街を守る』という純粋な正義感で動いていたSG1の隊員達にホラー達を引き寄せる様な陰我は無く、逆にそんな高潔な心を持った彼らを護衛として周りに侍らせた事で、返って滔星の抱えていた腐りきった陰我(陰我ホラー曰く「こんなに陰我に塗れた人間は見た事が無い」)が悪目立ちする形となってしまった。
結果、現れた陰我ホラー達は隊員達に目もくれる事なく真っ先に滔星の元に殺到し、結局は自分一人が無数のホラー達に憑依されてしまった。
しかも皮肉なことに滔星がホラーに憑依された直後に朝日が上り始め、捨て駒にしようとしていたSG1の隊員達はホラーに憑依されることも喰われることも無く、滔星だけがホラーになるという因果応報な結果となった。
なお、一部の視聴者からは「むしろ、こんな陰我まみれの悪党がどうして今までホラーに憑依されずにいたのか?」と疑問に思われていたが、おそらくはそれまでは尊士をはじめとする手下の魔導ホラーを用心棒代わりにして陰我ホラーから身を守らせていたと思われ、それを示唆させる様に、劇中でも燕邦やリベラといった有力な魔導ホラーを失う度に怯えている様子を見せていた。
最期
流牙達とゼドムの戦いが終わった後、ボルシティの市民は全員ホラーに関する記憶を全て消され、同時に金城グループという存在も完全に抹消されることとなった。
魔導ホラーの後ろ盾も、地位も名誉も失い、何より母親と同様にホラーとなってしまったことで魔戒騎士が斬ってもよい存在へと成り下がってしまい、滔星は命惜しさから真っ先に逃亡(その際、金城グループが所有していた資産の一部を持ち逃げしたことが後の命乞いのセリフで窺える)。
ホラーに憑依されたことを隠し、自分も記憶を失った人間の一人である風に装いながら、再び嘗て経営していたステーキハウスに何食わぬ顔をして戻っていた。
だが、やって来た流牙と莉杏に呆気無くホラーに憑依されたことを見抜かれてしまい、それでも往生際悪く命乞いをするが、最期は莉杏から「こんな雑魚ホラー、黄金騎士の相手じゃない」と一蹴されながら、魔戒銃で呆気無く射殺されるという、これまでの悪虐とその醜悪で矮小な人間性に相応しい最期を遂げた。
余談
滔星を演じた津田寛治氏は『牙狼〈GARO〉 RED REQUIEM』で魔戒騎士・ケンギ(剣義)の役を演じているが、彼は滔星とは真逆な人物であった。
牙狼シリーズの黒幕は、生い立ちが悲惨だったりと、同情する点があるのが多いが、2024年現在の所彼だけは、同情する余地が全くない外道である。
関連タグ
メンドーサ:こちらもホラーを使い、国を支配していた敵繋がり。
布道シグマ、尋海アリス:こちらもホラーの影で暗躍していた人間の黒幕達。前者は滔星と同じく最期は己の邪心がキッカケで敗北している。両者共、滔星よりは幾分か同情できる点がある。
ジンガ:続編における黒幕。