カハク
かはく
概要
中国語ではホァーポーもしくはホヮーポー(Hua Po)、上古中国語ではフラープラーグ(Hwraphrag, hʷraːpʰraːɡ)、広東語ではファーパーもしくはファーパーク(Faapaak)、韓国語ではファベク(Hwabaek)、ベトナム語ではホアファイックもしくはホアファイ(Hoa Phách)、上代日本語ではクヮパク(Kwapaku)と呼ぶ。
三度人が首を括って死んだ樹には、その自殺者の怨み苦しみの気が結合して花魄が生じるという。
姿は、身長五寸ほどの玉のような白い肌をした体毛が一切ない裸身の美女で、愁いと苦しみを湛えた目をしている。インコに似た声で鳴き、言葉を喋るが人には内容が理解できない。
袁枚の著作「子不語」には、婺源(昔は安徽、現在は江西省の県)の士人・謝某が花魄を見つけて飼育する話がある。
花魄は人を恐れる様子を見せなかったので謝は連れて帰り、籠の中に入れて食事を与えて飼ったが、数日すると太陽の熱気で蝋のように干乾びて死んでしまった。それを聞いた孝廉・洪字麟は謝の飼っている存在を花魄と看破して、水をかければ生き返ることを教え、その通りにするとたちまち花魄は蘇生した。
その後、花魄のことが里に知れ渡って謝の家に毎日見物人が押し寄せた。謝は噂の広がりに辟易して樹の上に花魄を運んだが、間もなく巨大な鳥が現れて花魄を咥えどこかへ飛び去ったという。
ゲゲゲの鬼太郎の花魄
5期第96話「怪奇ロマン!妖花の誘い」に登場。
巨大な花のような妖怪で、中央には無数の手のような触手を生やしており、南方の島で行方不明となった船長の父を持つまゆみの肉体を捕らえていた。
妖花の謎を解くために鬼太郎が南方の島にある死者の聖域に向かい、そこの主であるグハ(※)の力で花魄のいる空間に突入。まゆみの父の遺品である懐中時計の長針を目に突き刺されて倒された。
(※)グハはパプアニューギニアのワヘイ族の伝承にある妖怪の親玉とされる存在。
『女神転生シリーズ』のカハク
初出は『真・女神転生Ⅲ』。
種族は「地霊」で、これは後のシリーズ作品でも固定されており、序盤の魔法攻撃に特化した仲魔というポジションも概ね変わらない。
タイトなチャイナ服を着用し、背に蝶の翅が生えた少女という妖精然とした可愛らしい姿で、異形が揃う地霊族の悪魔の中でもひと際目を引く存在である。
英語表記は中国語に倣い、「Hua Po」。
なお、原典が樹木に宿った霊であるのに対して、ゲーム中では火炎属性に特化した悪魔となっている。
『真・女神転生Ⅴ』ではサブクエスト「明神の森に連れてって」の依頼を請けるとクエストナビとして同行するようになる。
『ペルソナ』シリーズでは『P3』以降殆どの作品で『魔術師』のアルカナに属する。
これは魔術師のペルソナの傾向として火炎系を得意とするためであると思われる。
『5』では『刑死者』のアルカナに属するが、おそらくは刑死者は一般的に『吊られた男』と呼ばれるため、人間が首を吊った木から生まれるという伝承に由来するカテゴライズだと推測される。