精神分析

せいしんぶんせき

オーストリアの精神科医ジークムント・フロイトが創始した、心を分析することで精神疾患を治療する体系。フロイトの影響下から離脱し独自の理論を築いたユングの分析心理学やアドラーの個人心理学をも含むことがある。

概要

オーストリアの心理学者、精神科医ジークムント・フロイト（メイン画像右の人物）が創始した深層心理の分析の手法。神経症の治療のため夢分析や自由連想法を使い、患者との対話の中で抑圧されていた感情や記憶を意識化し、受け入れることで気づきや症状の軽減を目的としている。

20世紀の精神医学はもとより、「エディプス・コンプレックス」や「リビドー」などの概念が人文・社会諸科学や文化・芸術に多大な影響を及ぼしたが、同時にその非科学性への批判も絶えず、現在の精神医学の主流ではなくなっている。

現在の精神医学で用いられるのはまず症状の改善を目的とした薬物療法、ついで客観的に観察可能な認知に焦点を当ててカウンセリングを行う認知行動療法であり、フロイトやカール・グスタフ・ユング（メイン画像左の人物）のような（客観的に測定困難な）無意識に焦点を当てる理論は過去のものになっている。