概要
2011年の東北地方太平洋沖地震（東日本大震災）による巨大津波は、東北を中心とする東日本一帯に壊滅的な被害をもたらした。
しかし当時のNHKのニュースでは、緊迫感のある強い口調による津波からの避難の呼びかけは行われていなかったため、犠牲者を1人でも減らすべく、東日本大震災による甚大な津波被害を踏まえた2013年の津波警報改訂に合わせて、NHKのアナウンサーが津波警報のニュースを担当する場合に使用する呼びかけのセリフもリニューアルされた。
これ以降、NHKのアナウンサーは（津波警報発令時には）次のように語気強く、時には強く激しい命令口調も交えた避難の呼びかけを行っている。
- 「東日本大震災を思い出してください!」
- 「命を守るため、一刻も早く逃げてください!」
- 「今すぐ、可能な限り高い所へ逃げること!」
- 「近くに高台がなければ、高いビルの上か海岸から遠く離れた所へ逃げること!」
- 「決して立ち止まったり、引き返したりしないこと!」
- 「津波は、予想の高さを越えることがあります! 斜面を駆け上がり、内陸深くまで流れ込みます! 何度も押し寄せ、急に高くなります!」
- 「今すぐ行動してください! 逃げてください!」
このような緊迫感溢れる呼びかけは、東日本大震災の際にも津波のニュースを担当した武田真一アナウンサーが中心となってマニュアル化された。
主な事例
- 2012年12月7日に発生した三陸沖地震では、宮城県に津波警報が発令されたことを受けて、高瀬耕造アナウンサーがこの呼びかけを行った。
- 2016年11月22日に発生した福島県沖地震では、福島県に津波警報が発令されたことを受けて、芳川隆一アナウンサーがこの呼びかけを行った。
- 2024年1月1日に発生した能登半島地震では、石川県に大津波警報が発令されたことを受けて、山内泉アナウンサーおよび中山果奈アナウンサーがこの呼びかけを行った。
関連動画
訓練
2012年 三陸沖地震
2016年 福島県沖地震
2024年 能登半島地震
余談
近い将来「南海トラフ巨大地震」が発生し、東日本大震災を上回る津波災害が発生した場合には「西日本大震災」と呼ばれるようになる可能性が指摘されており、そうなると津波避難の呼びかけも「東日本大震災を思い出してください」から「西日本大震災を思い出してください」に変更される可能性がある。
