種類
スフリエール式
プリニー式噴火の際に発生した巨大な噴煙の柱が、高い密度になることで周囲の空気より重くなることで崩壊して発生する火砕流。
噴煙柱崩落型とも呼ばれる。
高い位置から流れ下るため比較的広範囲にわたって被害を及ぼす。
また海底火山の噴火で発生した場合、水より比重は軽く、遮るもののない水面を滑るように高速で広がるため特段に注意が必要。
ムラピ(メラピ)式
火口に溶岩ドームなど火山噴出物が溜まりそれがある時一気に崩壊して発生する火砕流。
溶岩ドーム崩壊型とも呼ばれる。
粘性の高い溶岩の塊の中に大量の高温ガスが内包されており、それが崩壊と同時に爆発的に気化して体積を増やしながら流れ下る。
比較的規模は小さいものの、時に大きな被害をもたらす。
国内では雲仙普賢岳の火砕流が有名。
水蒸気噴火
マグマ噴出を伴わない噴火で、水分を含む噴煙のため密度が高くなり発生する。
火山ガスはともかく低温で熱による被害は少ない。
2014年の御岳山の噴火では斜面を流れ下る様子が観測されている。
ウルトラプリニー
超巨大火山の噴火で巨大カルデラが形成されるとき(俗にいう破局噴火)に発生する超大規模噴火とそれに伴う火砕流。
メカニズム的にはスフリエール式とほぼ同じではあるが、地下に溜まったマグマが崩落した山体に押し出される形で短時間ですさまじい量のマグマが放出されることにより全方位を焼き尽くす。
前述した山口県まで達成した阿蘇の超巨大噴火(Aso-4)、南九州の縄文文化を滅亡させた鬼海カルデラの超巨大噴火など。
火砕サージ
時に火砕流と同時に発生する熱突風。
火砕流に比べれば若干温度が低いものの、密度が小さく速度も速いため時に火砕流が昇れない山の尾根を乗り越えてくるため、火砕流とは離れた場所にいても被害を受けるケースもある。
明神礁の海底火山を観測していた海上保安庁の観測船の遭難事件はこの火砕サージに巻き込まれた可能性が指摘されている。