開発経緯
90年前後から運用が始まったHMMWVは、高い搭載量、踏破性、小回りを両立した優れた汎用車両であり、米軍で多数が運用されていたが、あくまでも後方での運用を想定されており、本格的な戦闘に巻き込まれた際には防御性能が欠如しているというのが問題だった。
前線と後方がくっきりしていれば運用が悪いということで済む話なのだが、世界の警察を自称し世界中の紛争に首を突っ込み続ける米軍は、誰が敵で味方かも知れないグレーなエリアでの活動を重視せざるを得なかった。
平和な市場の只中で突如ゲリラに襲撃され、大通りを走行中に仕掛け爆弾に吹っ飛ばされ、どこの屋上からロケット弾が飛んでくるかも知れない米軍にとって、前線と後方の区別など付けようもないのであり、24時間いつどこで爆発物を投げつけられるかわからない覚悟で行動する必要があった(そんなに国民に恨まれてるならさっさと出ていけというマジレスは禁止)。
そんな事情によって立ち上げられたのがJoint Light Tactical Vehicle(統合軽戦術車両)計画、要は突然爆破されても乗員が死なずに済むHMMWVを作るという計画である。
…しかしながら要求をまとめるうちに、防御面の要求とHMMWVの運用性しやすさを両立するのは困難であると結論された模様であり、後に「すべてのHMMWVを置き換えるわけではない」とコンセプトが修正されている。
計画は定例通りに複数の企業の競作となり、最終的にはオシュコシュ・コーポレーションのL-ATVが選定された。
概要
全長 | 6.2m |
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全幅 | 2.5m |
全高 | 2.6m |
重量 | 10.27t |
乗員 | 4名+銃座1名 |
当初HMMWVをすべて代替すべく開発されていたが、HMMWVと比較するとあらゆる方向に一回り拡大し、重量はとうとう4倍近くになってしまった。CH-47への機内搭載はできなくなり、どうしてもヘリで運びたい場合には吊り下げることになる。
装甲は製造時に構造の一部として組み込まれるAキットと現場整備レベルで増設可能なBキットに分類される。
装甲の大部分はBキット側が担っており、状況に応じて付け替えることで車体の取り回しを改善する他、足回りの負荷を軽減して寿命を伸ばす配慮がされている。
形式
- M1278 JLTV-HGC(Heavy Gun Carrier)
機関銃座やRWS(無人銃塔)に対応している。
- M1279 JLTV-UTL(Utility)
2人乗りで積載スペースを拡大したモデル。
- M1280 JLTV-GP(General Purpose)
4人乗りの標準仕様。
- M1281 JLTV-CCWC(Close Combat Weapons Carrier)
対戦車ミサイルなどの搭載に対応している。