「十王聖裁、業報は常に在り」
概要
仙舟六司の1つ。十王司は仙舟人の「生死」「罪咎」「魔陰の身」など様々な事柄を司っている。数多ある仙舟の組織で唯一、羅浮六御の影響を受けない独立した組織でもある。
歴史
十王司は仙舟同盟と同時に設立された。
''十王司を立て、灯火にて夜を守り、罪囚は必罰し、邪悪を糾弾せん。''
ー《仙舟同盟宣言・序》
仙舟の祖先は帝弓(嵐)と戦い、建木を破壊するため、生と死を区別するために十王司を設立した。それは不死身ではなく、人間として生きたい彼らの願いであった。
主な業務と意義
・「生死」十王司の目的は「死の享受」であり、死の尊厳を仙舟人達に与え続けなければならない。長命種であろうと短命種であろうと、すべての仙舟人が最終的に死ぬとき、十王司に迎えられる。それがどうやって行われるのかは不明だが羅浮の都市伝説によれば、十王司は生死簿を見て人を冥府に連れて行き、今生における善悪の罪を数えるという。その判官と凡人は生きる世界が異なり、正面からぶつかっても分からないという...
ゆえに表舞台に出ればこれらの威厳が失われ、十王司の目的である「死の享受」が得られなくなってしまう。
つまり十王司は他の六司のように表舞台に現れてはいけないのだ。
それを実現するために絶対的な独立性を保つことが何よりも重要となっている。これが六御の影響を受けない理由である。
・「罪咎」十王司のもう一つの役割は魔陰の身に堕ちようとしている仙舟の人々を監察し、連れ去ること。また「不赦十悪」を犯した犯罪者を幽囚獄に収監し裁く。さらに長命の自我を因果殿に閉じ込めることで「いつ魔陰の身になるか」を研究する役割も担っている。十王司は様々な星界生物と戦うため、彼らが発明した専用の魔除けの道具を使用する。これが雲騎軍や地衡司よりも歳陽に対する戦い方が得意である理由だ。つまり十王司は戦士というより、専門家に近い存在になる。
十王司は独立性と純粋性を重んじるため、表社会との利害関係は同盟を揺るがす隠れたリスクを構成しかねない。このような理由から、十王司のメンバーも社会から完全に切り離された連中ばかりである。孤児、変人、軍隊を持つ泥棒......基本的に全員だ。
十王司の所在
不明。絶対的な秘密とされ、幽府と呼ばれている。
階級と所属キャラ
十王
十王司のトップ。
判官(四判官)
十王の下で働く上級役職で、「拘」「鎖」「刑」「問」の四つの役職に分けられている。
冥差
人生の終わりが近づいている仙舟人を因果殿に導く。また「不赦十悪」の掟に違反した場合、冥差は審判に同行して罰する役目も担っている。若い子供の外見をしている。
獄司
幽囚獄を管理する役職。
帳簿係
幽囚獄の管理プロセスの管理と、判決文書、公式通知、内部宣伝資料などの作成作業を担当している。
「不赦十悪」
いずれを犯したものは十王司により重い罰をうけることになっている。
第一悪「長生に堕とす」
この法律は、短命種の遺伝子を汚染して長命種に変える、さらには忌み物に堕とした罪に対するものである。
第二悪「不死を求める」
この法律は、異邦人が仙舟に潜入し、長生の秘密を盗み取ろうとする罪に対するものである。
第三悪「心智を乱す」
この法律は、理性を操る能力を持つ異種族が、特殊な方法で人の自由意志を奪って操る罪に対するものである。
第四悪「魔陰に陥れる」
この法律は、特殊な方法で魔陰の身を誘発させる罪に対するものである。
第五悪「同胞殺し」
この法律は、暴力的な手段で同胞の命を奪う罪に対するものである。
第六悪「機要窃奪」
この法律は、仙舟の政権運営機関の秘密を盗むスパイ行為などの罪に対するものである。
第七悪「破牢釈囚」
この法律は、十王司の監獄を破壊し、幽囚獄に侵入して囚人を解放させようとする罪に対するものである。
第八悪「盟約の離間」
この法律は、仙舟内部の各種族の同盟を煽動、分裂、破壊する罪に対するものである。
第九悪「兵禍を招く」
この法律は、軍事力を結集し、仙舟を攻撃する戦争、反乱を起こす罪に対するものである。
第十悪「仙舟傾覆」
この法律は、仙舟の巨艦本体を破壊し、沈没させようとする罪に対するものである。
幽囚獄
「鱗淵境」より窺い知れず、 「綏園」よりも恐ろしい場所
十王司が管理する幾多の罪人を収納している監獄。層によって寒風が吹き荒れる陰寒獄や熱気が充満している焦熱獄など環境が変化している。
備考
十王の元ネタは中国の道教や仏教で、地獄において亡者の審判を行う10尊の裁判官。
(秦広王、初江王、宋帝王、五官王、閻魔王、変成王、泰山王、平等王、都市王、五道転輪王)